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『「ホンネ」を引き出す質問力』堀公俊 著

PHP研究所 2009年9月29日第1版第一刷

『「ホンネ」を引き出す質問力』堀公俊(P111 寄り添いつつ自分のペースに引きこむ)
 彼は(本人が意識しているかどうかは定かではありませんが)主に三つのテクニックを使っています。いずれも自己開示の流れをコントロールする技法です。
 一つは、自己開示のコントロールです。相手を巧妙に自分のペースに引き込み勇み足を誘っているのです。
 それには2通りのやり方があります。一つは、プッシュと呼ばれる、追い込んだり、競争させたり、挑発させる働きかけです。相手にプレッシャーをかけて、その反発力を利用しようとする作戦です。コロンボ特有の「じらし」がプッシュです。リーダーズ・インテグレーションの前半戦も、ファシリテーターがあおったり、けしかけたりします。
 もう一つはプルと呼ばれる、自然の動きに任せ、引き出し、誘発する、湧いてくる働きがけです。相手が主体的に動くのをじっと待つ作戦で、相手を饒舌にさせて、ペラペラしゃべらせるのがプルです。リーダーズ・インテグレーションの後半戦はこちらになります。
 このプッシュとプルをうまく使い分けながら、相手のペースに合わせつつ、自分のペースにうまく引き込んでいく。これをペース&リードと呼びます。プッシュとプルをどう組み合わせるかは、テーマや相手によって一概にいえませんが、原則は柔道と同じです。押さば引け、引かば押せと覚えておきましょう。

 「彼」とは、あの刑事コロンボです。本の一部なので伝わりにくいと思ったのですが、なぜ会議で本音が引き出せないのか…という文言にひかれて読みました。堀 公俊氏は組織コンサルタント、日本ファシリテーション協会前会長です。事例を使い、わかりやすく書いてあるのでお薦めです。

『生産性』伊賀泰代著

ダイヤモンド社刊 2016年11月25日 第1刷発行

『生産性』伊賀泰代著私が今回、生産性について本を書こうと思ったのは、日本における(工場以外での)生産性に関する意識の低さが、世界と戦う日本企業にとって、大きな足かせになっていると感じたからです。
「競争に勝つためには、より長く働く必要がある」という労働投入型の発想では、人も組織も疲弊してしまうし、新しい技術や仕組みを積極的に取り入れ、生産性をどんどん上げていこうとする生産性重視型の企業に勝てるはずがありません。
また、最近よく耳にする「働き方改革」という言葉にも危うさを感じます。経済成長には女性や高齢者、外国人など新たな働き手が不可欠と考えるのもまた、労働投入型の発想だからです。長時間労働の是正に関しても、「低い生産性の仕事を長時間、社員にかしている企業」と「極めて高い生産性で朝から晩まで働き、圧倒的なスピードで世界を席巻してゆく企業の違いが理解されているようには見えません。
とはいえ、ここで一つ明確にしておきたいことがあります。それは、日本と米国の組織を比べた時、リーダーシップと生産性以外には、その人の人材力や組織力を左右する決定的な要因は何もないということです。勤勉や起立性の高さはもちろん、分析力や論理思考力、そして技術力から想像力まで、日本のビジネスパーソンの資質は極めてハイレベルです。あとは、リーダーシップと生産性の重要性をしっかりと理解し、紳士にその向上に取り組めば、スタートアップ企業であれ大企業であれ、日本企業は今よりはるかに高い地点に到達できるはずです。(P.6 はじめに)

「生産性とリーダーシップ」直面している課題です。最近、当社に前職が会計事務所とは全く関係のない業界から入った社員がいます。遠方のお客様でも現地まで行き監査してくるという、ビジネスモデルを変えるためSkypeでのやり取りを試行しているのですが、その社員は抵抗なく取り組んでくれます。
ベテランの社員に、これから「働き方を変えよう」現地まで毎月行かなくても長い付き合いでコミュニケーションがとれているのだから、クラウドで入力してもらい監査はSkypeでやろう!と言っても、笑ってそうですねというだけで実行にたどり着きません。この本を読み、危機感をもって取り組もうと決意を新たにしました。

『宮大工棟梁西岡常一「口伝」の重み』日経ビジネス文庫

日経ビジネス文庫 2005年4月刊行

『宮大工棟梁西岡常一「口伝」の重み』日経ビジネス文庫 お、この建物は面白い―というのがあると、祖父はすぐそれをスケッチしていた。矢立と帳面をいつも持っていて、サラサラと描く。ある時、堂の絵模様を描いた。それを見て「絵様そのものを描くのでなく、余白が絵様になるように描け」と言われた。全体のバランスを考えよ。ということだったのだろう。しかし、それ以上のことはいわない。祖父の帳面は十冊ぐらいあった。しかし、私にも父にも絶対見せなかった。
 - 体で覚える。優れた仕事を見て、それを盗む。
これが基本だった。
 - 口より先に手。
というのが職人の世界で、理屈であれこれいうのはうまくない。それぞれが、自分で体に仕事をしみこませるしかない。何かを伝えていくのも、そうしたやり方になる。それだけに、
 - 教わる方も、教える方も必死。
ということになる。
 一方で、祖父は褒め方も上手だった。うまく褒めるのも棟梁の腕である。私には言わず。私の母に褒める。本人には決して言わなかった。(第1章 千年先を見通す「口伝」の重み P.30)

 この本は、先日、青森県主催のITビジネスマッチング交流会で名刺交換し、早速訪問した「材 株式会社」の浄法寺社長に教えていただきました。口伝」についてはWikipediaで次のように解説しています。
「祖父常吉は晩年、一人前となった父楢光と常一に西岡家に伝わる口伝を教えた。これは一度しか口移しで教えることができない日中の教えで、一つずつその意味となる要点を教え、十日後に質問して一語一句違わず意味を理解するまで進まなかった。」

 先週「短期間でどんな人材も即戦力にする方法」というセミナーをうけてきました。チェックリストを使い、仕事を平準化することで「知っている」を「できている」にするのが秘訣。そのために「アニー」というツールを使いましょうという内容でした。「口伝」と「仕事の平準化」は矛盾しているようですが、繰り返しやって覚える、やるべきことをチェックリストにして、絶えず更新することにより、安心して仕事ができる環境を作るという本質はつながっているように思えました。先週書いた、孔子の「聞けば忘れる、見れば覚える、行えば理解する」も同様です。業務の効率化と人材育成について大きな気づきを得ました。忘れないうちに「行い」ます。

『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』斉藤ウイリアム浩幸著

日経BP社刊 2012年10月9日第1刷発行

『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』斉藤ウイリアム浩幸著日本にはチームがないという見方に最初に賛成してくれたのは、日本に住む外国人だった。「まさにそうだ」と。
 私がいうチームとは、オリンピックのサッカーなどと同じでもあり、違ってもいる。それは、異質な人間がある目標を実現するために熱意を持って助け合う組織のことだ。ここが見落とされている点なのだが、チームは単なる人の集まりであるグループとは違う。
 詳しい説明は後にするが、チームはイノベーションとアントレプレナーシップの土壌となる。失敗を恐れないでリスクを引き受ける精神は、チームから生まれる。チームの本質はお互いに助け合う。ヘルプしあう関係だ。今の日本には、ヘルプするという精神が欠けているように見える。個人が、あるいは組織が事故の利益を追求することばかりが目立ち、個人と個人、組織と組織が助け合って共通目的のために汗を流すという基盤が乏しい。そして、社会全体にチームという発想が希薄だ。
 日本は個人としては優秀だが、組織全体となると途端に馬鹿になると師匠の黒田清さん(元日本学術会議会長、国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員長)もいっている。同感だ。(チームをつくり、まずヘルプから P.6)

この本は、何年だったか忘れてしまったのですが、日本M&A国際会議で著者の講演を聞いたときに買いました。著者は1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカルフォルニア大学ハーバード校に合格。同大学ロサンゼルス校医学部を卒業。テレビ会議システムで失敗した後、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年会社をマイクロソフトに売却日本に拠点を移しています。
 講演の後、並んで名刺交換をお願いしたのですが、私のところで名刺が切れ、もらえませんでした。グループとチームの違いが気になり、書棚をみたら「個人主義化が進む日本、チームで鍛えるアメリカ」という帯が気になり、アンダーラインの部分だけを拾い読みしました。わかりやすいので、再読します。読んでわかったのですが、アンダーラインは簡単に引くべきではないと…いい本は、必ず再読する機会があります。以前読んだ時と、その後では「ここが大事」というのが違うということに気づきました。この本を読むと、本の紹介にあるように「世界レベルの日系人起業家が示す問題解決の極意」がわかります。

「ザ・ビジョン」進むべき道は見えているか ケン・ブランチャード&ジェシー・ストナー著

ダイヤモンド社刊 2004年1月発行

「ザ・ビジョン」進むべき道は見えているか ケン・ブランチャード&ジェシー・ストナー著ビジョンがあるから集中できる。ビジョンがあるから進む方向がわかる。ビジョンがあるから全力で頑張れる。ビジョンがあるから「全速前進!」で進めるのだ。「全速前進-(Full steam ahead!)」とは蒸気船が走っていた時代の言葉で、大型船が前回で航行することを意味する。現代では、その意味は少し違ってきている。すなわち目的がはっきりしていて、そのことに確信があって迷いがなく、しかもそれを実現できる自信にあふれていて、どんな障害があっても断固として進んでいける状態のことだ。

この時代だからこそ、明確なビジョンが必要!
自分自身を知り
何を基準にして
どの方向に進めばいいか
リーダーとして、メンバーが共鳴する「説得力あるビジョン」を生み出し、常に先へ、先へと進まなければならない。メンバーが納得しないビジョンは、リダーの自己満足に過ぎないことに、改めて気づきました。

幾代もの反映を築く「オーナー社長業」牟田学

幾代もの反映を築く「オーナー社長業」牟田学 著 日本経営合理化協会出版局

幾代もの反映を築く「オーナー社長業」牟田学 著「創業の任」と「守成の任」「戦争論」を書いたクラウゼヴィツによれば、歴史に残っている戦争は、208回ある。208回のうち、攻撃で勝ったのが200回、守備で勝ったのが8回だ。つまり攻撃をしないと、ほとんど負けるということである。守備で勝つことは滅多にない。
現代は資本主義社会で競争が原理だが、ウエートを攻守のどちらに置くべきかと言えば、業績が悪ければ、もちろん守りではなく、攻撃をする。その最たるものが、増客である。ここでもう一度確認するが、攻撃には三つの項目があった。①増客すること、②売価がより高く、粗利益もより多い商品を売る。あるいは、安い商品なら数量を余計に売ること、③経営体制を整えること、この三つである。
(P.281)

本には、「攻撃こそ最大の防御」とも書いてあります。どのセグメントの顧客をふやすのか、どのセグメントの商品を増販するのか、事業領域を見直し、経営資源を集中する戦略を考えた上で経営体制を整え、攻撃に出る。今、小企業に必要なのは、守りではなく、攻めです。

「ユダヤ商法」マーヴィン・トケイヤー

「ユダヤ商法」マーヴィン・トケイヤー著 日本経営合理化協会出版局

「ユダヤ商法」マーヴィン・トケイヤー(教育の五つの秘訣)
教育の最大の目的は、新しいものを創り出す個性的な力をもった人材を育てることにある。このために、自立した人間を創らなければならない。これが人づくりである。
(中略)
ここでユダヤ人の教育の成功の秘訣を五つあげよう
①個人を重視する
②自分の得意分野で優越することを目的とする
③全人格を向上させる
④創造力を養う
⑤生涯を通じて学ぶ
先にあげた五つの秘訣は、ユダヤ人の長い歴史を通じて教育の目標とされて
きたものである。
(P.131)

改めて自立した人間という意味を考えてみましたが、容易に答えが出ません。自立していない証拠でしょうか。ユダヤ人の教育の秘訣五つには深い意味があります。本には、それぞれの項目についてわかりやすい解説があります。改めて読み直し、社員教育のあり方について考えてみることにしました。

「チーム・ビルディング」日本経済新聞出版社(3)

堀公俊+加藤彰+加留部貴行著 2007年7月17日発行

「チーム・ビルディング」日本経済新聞出版社 堀公俊+加藤彰+加留部貴行著(2-6-2の法則を覚えておこう)
人間が10人寄れば必ず、スゴイ人が2人、まあまあの人が6人、とんでもない人が2人という分布になります。これを2-6-2の法則と呼んでいます(個人だけでなくグループにもいえ、10グル―プつくると必ず同じような分布になります)。

不思議なことに、スゴイ人が2人抜けても、まあまあの人から活躍する人が現れてきます。逆にとんでもない人が2人抜けても、まあまあの6人からサボるひとが現れます。どんなチームにもエースは存在するし、足を引っ張る人もいます。某プロ野球球団のように、4番バッターばかり集めても、すべての選手がホームランを打つわけではないのと同じです。人の能力や性格は関係性によって変わるからです。
(P.50)

私は以前、上記のことを人事の仕組みに応用し、スゴイ2割のやり方をまあまあと、飛んでもない人が真似ることにより、業績は向上する、その秘訣はスゴイ人のやり方を可視化すること、と学びました。

チーム・ビルディングでも同じことが言えると分かりました。以前書いた、製造業の会社は、戦略実行が進んでいる部門とそうでない部門がありました。そこで、ハーマンモデルで思考の特性をみて、チームのメンバーのコミュニケーションがとれているかを確認し、経営者と話し合ってみました。結果は、多くの気づきがあったようです。2-6-2の法則は、次の機会に生かしてみます。

「チーム・ビルディング」日本経済新聞出版社(2)

堀公俊+加藤彰+加留部貴行著 2007年7月17日発行

「チーム・ビルディング」日本経済新聞出版社 堀公俊+加藤彰+加留部貴行著(人のタイプ分けの技法あれこれ)
思考タイプの違いを知るにはいくつかの方法があります。ここではよく知られている4つの技法を挙げておきます。必ずしもすべてを言い当てているわけではありませんが、おおよその傾向をつかむには効果的な方法です。興味があればそれぞれの手法を学んでみてください。

①交流分析(TA) 交流分析(TA)とは、互いに反応しあっている人々の間で行われている交流を分析することで、心のタイプを5つに分類しています。
②エニアグラム エニアグラムとは「9の図」というギリシャ語で、人の果たす役割の傾向とそのアクティビティを9つのタイプに分類しています。
③ハーマンモデル ハーマンモデルとは、「脳」の研究をベースにしたツールで、対人判断の要素を4つのタイプに分類しています。
④コーチング コーチングでは、自分の内面に潜む感情の現れ方をもとに4つのタイプに分類しています。

(P.48)

普段の仕事でも同じですが、相手の思考の特性を知った上で、コミュニケーションをとる事は大切です。まして、会議やワークショップという一時的な場で良い結果を期待するなら、上記の①から④のいずれかの準備は必要。私はハーマンモデルのインストラクターを目指しています。

「チーム・ビルディング」日本経済新聞出版社

堀公俊+加藤彰+加留部貴行著 2007年7月17日発行

「チーム・ビルディング」日本経済新聞出版社 堀公俊+加藤彰+加留部貴行著一口にチーム・ビルディングといっても、いろいろなチームの形があり、チームの性格によってやり方も求められるスキルも変わってきます。
 チームを考える上で、大きく2つの軸があります。一つは、チームが一過性のものなのか、ある程度の期間継続する定常的なものなのかです。もうひとつは、メンバーの主体性とチームの疑集性のどちらが強いかです。そうするとチームには4つの場面が考えられ、それぞれに応じて、4種類のチーム・ビルディングがあることが分かります。
① 会議・ワークショップ
② プロジェクト
③ 定常組織
④ 委員会組織 
(P.20)

2003年、ITC(ITーコーデネーター)の勉強をし、ハーマンモデルに出会いました。その時、読んだ本が「ハーマンモデル」2000年10月東洋経済新聞社発行(高梨智弘著)でした。あらためて、目次に目を通してみましたが、チーム・ビルディングという言葉はありませんでした。2000年初頭から使われだしたファシリテーションがそのきっかけになっています。

私は、今、ファシリテーションという言葉に関心を持っています。ウイキペデアによると、Facilitationは、会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致をしたりする行為で介入し、会議形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させるリーダーの能力の一つと説明されています。

チーム・ビルディングはファシリテーションのスキルの一つであり、特に、共通の目的を意識しないで集まることが多い、上記①の会議・ワークショップのとき、短い時間でいかに成果を上げるか!という取り組みのとき効果を発揮します。