今日の1ページ

『変化を嫌う人を動かす』ロレン・ノードグレン+ティヴィット・ションタル 船木 賢一(監訳) 川崎 千歳(訳)

草思社発行 2023年2月23日第1刷 2023年4月25日第2刷発行 P155

デザインをシンプルにする
  製品に機能を追加できるからといって、そうするべきとは限らない。多くの機能を搭載した製品は、ユーザーが混乱するほどインターフェースが複雑になりがちで、その結果、「労力」面」(時間とエネルギー)と「感情」面(困惑間)を招くことになる。シンプルさの原則が実践されている最たる例は、グーグルの検索ページだ。Yahoo!の検索ページと比較してみればよくわかる。確かにグーグルの検索ページは見た目が特に魅力的という訳ではないが、始めて訪れた人が使い方に茫漠感を抱くことはまったくない。このシンプルさは、変化の絶えない検索エンジンの世界で変わることのないグーグルの競争優位の一つだ。サイモン・キングはこう指摘することを忘れていない。「シンプルであるということは、必ずしも少ないという意味ではない。本当の意味は、ユーザーが取り返しのつかないうっかりミスをすることがほとんど不可能になるように、新しい体験をデザインすることなのだ」

 久々の「今日の1ページ」です。本は読んでいたのですが「壁」に直面!自分でやりたいことが本当は「何」なのかわからないまま過ごしてきました(今もそうですが…)。昨年、毎月数多く出版される新刊書の中から、アイデアに溢れ内容が新鮮な本を厳選して紹介する月刊誌『TOPPOINT(トップポイント)』購読を始めました。この本は、その紹介で知りました。「新しいことを始めようとしているなら必ず読むべき本だ」フィリップ・コトラーが推薦しています。私が最近テーマにしていることは「シンプル」です。シンプルを説明している、サイモン・キングは動物カメラマン「発明と実験、あとは寝て待つそれが野生動物カメラマン」という言葉も見つけました。

『トヨタの会議は30分』 山本 太平 著

富慶太郎発行 発行所株式会社すばる舎 20212年4月14日第1刷発行 2021年7月26日刷発行 P100

「口2耳8の割合で話す」
黙らず、かつ話過ぎず
 みなさんは「口2耳8」と聞いて何のことだと想像しますか?
 例これは会議などでのコミニュケーションスタンスを示した言葉です。
 現在のトヨタでもこれを実践しているかどうかはわかりませんが、私が在籍していた頃のある役員がこの言葉を好きだったらしく、たびたび「口2耳8」に関するメッセージが社内で回覧されていました。
 誰が言いだしたのかは知りませんが、いま思うとなんともトヨタらしい言葉だったなと感じます。

 例打ち合わせや会議での発言がゼロでは、その会議におけるアウトプットはゼロです。何も発言していないわけですから、例えるなら「口ゼロ」です。
 トヨタ在籍時には、そんなふうに会議で何も発言しなかったりすると「空気さん」と揶揄されることもしばしばありました。
 例一方で会議の場で「口8」、つまり自分がしゃべってばかりでは、今度は対話が一方的になってしまいます。特に関係者が一堂に会するような会議では、ほかの参加者の貴重な意見や情報を共有してもらえなくなってしまうでしょう。

 そのようなことにならないよう、自分の意見はしっかり表明して必ず議論に参加しつつ、相手の意見を聞きだしたり確認したりすること。
 こうした二つのバランスを、口=自分が話すこと2割、耳=相手の話を聞くこと8割という形で示したのが「口2耳8」という言葉の意味です。会議などではこの割合でコミュニケーションしなさいよ、ということですね。

 人間ひとりの脳内にインプットされている情報量はたかが知れています。多くの参加者が自発的に情報やアイデアを提供しあうことで、自分だけでは思いもつかなかったアイデアや結論を得られることがあります。
 「口2耳8」という言葉には、そうしたメリットを享受するために他者には常に経緯を示し、その意見を慶長したうえで自分の意思も明確に伝えるべし、というメッセージが込められていたのだろうと私は解釈しています。

 筆者は、新卒でトヨタ入社後退職しTBSに入社、その後アクセンチュアでコンサルタントの経験を積み、現在経営コンサルタント、事業プロデューサーとして活躍しています。会議等でのコミュニケーションスタンス「口2耳8」、意識しているのですがなかなか実行できません。「はじめに」の部分に「根回しや段取りの力はもはや誰にも求められていない」と書いてありました。先週紹介した「KPI大全」にもあったのですが、経営理念やビジョンの共有が前提になければ「口8耳2」になってしまう傾向が強いのではないでしょうか。

『社長学マップでわかる!図解 一倉定の実践社長学』 伊藤 彰彦(一倉定研究家)著

株式会社あさ出版発行 2022年4月15日第1刷 

●規律・清潔・整頓・安全・衛生 P107

 環境整備を業務として行う方法はどのようなものなのか。環境整備の定義と手順について触れておきたい。
 一倉は、「環境整備というのは、規律・清潔・整頓・安全・衛生の五つである」とし、特にその意味を明確にしておくべきものとして、規律、清潔、整頓について詳細に言及している。
 規律……「規律とは、①決められたことは必ず守る、②命令や指図は必ず行われるというのが正しい解釈」
 一倉は「規律」について、「社長学」ならではの、社長がもつべき心得を挙げている。たとえば、「『必ず行われる』については、命令や指図を受けた側に一方的な責任があるのではない」として、「命令した側には、行わせる、行えるように指導する。正しく行われたかどうかをチェックする責任がある」と述べている。そのため、「命令の出しっぱなし」や「いくら言っても部下がやらない」と嘆くのは、社長の心得違いであり、社長のほうに非があると断言している。
 清潔……「清潔とは、①いらないものを捨てる、②いる者を捨てないというのが正しい解釈」。
 「清潔」に関しては、「もったいないと捨てずにおくのは美徳のようであって美徳ではないのだ。いらないものに大切なスペースを占領されて仕事に差し支えるのは、愚行でしかない」とし、「もったいない、といっていらない物を捨てずにいるのこそ、本当の意味でもったいないことをしている」と主張している。「もったいないから捨てない」という点については、昔の人はいろいろな考え方もあるだろうが、少なくとも、仕事においては真理であると筆者には肯けるものがある。先述した私の会社における経験を今一度振返ってみたい。
 故障した工具類を「もったいないから、あとで修理してもう一度使おうと、工具箱の隅に置いていても「後で修理」する機会は訪れることなく、いつしか工具箱の隅でホコリをかぶってずっと放置されてしまい、貴重な作業スペースを占拠し、作業の邪魔になることがしばしばだった。
 環境整備の取組みにおける「清潔」を実現させるのは、「もったいないから捨てない」という考え方を捨てることからはじめなければならない。ドラッカーは奇しくも、イノベーションとは「体系的廃棄」でるとした。つまり「捨てること」がイノベーションを生み出すと主張したのだった。
 まさに、環境整備においては、「もったいないから捨てない」という考え方を心の中から捨てることによって、社長は白紙の眼で、環境整備がもたらす生産効率や品質改善、サービス向上などの具体的な効率を客観的に判断することができるようになるのではないだろうか。こうすることによって、一倉が言う「いる者を捨てない」眼力も同時に養われてくるのではないかと思える。
 整頓……「整頓とは、①物の置き場所を決める、②置き場の管理責任者を決めて表示することであって、“片づける”ことではない」。なぜなら、「片づけたら仕事にならないではないか。だから、「片づけろ」という指令は間違いである」から。これは考えてみれば至極もっともで、加えて「物の置き場所を決める時の留意点は仕事に最も便利なような、ということである」としている。
 この点について、“消火器”を事例に出して、「イザという時を考えて、取り出す時にジャマになるようなものは置かないようにしなければならない。これが案外できていないのを、私は知っている」と、だれもが思わずギクリとしてしまうような“真実”をさらりと指摘している。

 第2章 ステップ1「三種の神器」を揃える、三種の神器とは①お客様訪問、②経営計画書、③環境整備。P98に「一倉定は、「環境整備を仕事に原点と位置づけ、お客様訪問と経営計画書に並んで、社長が率先して取り組むべき大切な仕事であるとした」という記載があります。「業績のいい会社」は環境整備ができています。この本を読み、環境整備をすることにより「業績のいい会社」になれるという意味が分かりました。前書きに、ドラッカーのマネジメントは米国の大企業を背景にして生まれたが、一倉定の「社長学」は日本の中小企業における経営指導をとおしてつくられた、と書いてあります。経営者におすすめの本です。

『創造する経営者』P.F.ドラッカー 著 上田 惇生 訳

ダイヤモンド社発行 2007年5月7日第1刷発行 2017年5月12日第12刷発行

診断の再点検
 これまでに大要を明らかにしてきた四つの分析から、企業のマネジメントは、その経済的な機能の遂行に必要とされる自らの事業に対する理解を得ることができる。しかし、それも四つの分析は、いずれも、一つだけでは役に立たない。
(1)業績をもたらす領域についての分析(第2章)、利益と資源についての分析(第3章)
(2)コストセンターとコスト構造についての分析(第5章)
(3)マーケティング分析(第6章)
(4)知識分析(第7章)
 これら四つの分析を総合して行うことによって初めて、企業のマネジメントは、自社について理解し、診断し、方向づけを行うことができるようになる。
 しかし、もう一つ重要な段階がある。それは、(1)と(2)の分析によって事業そのものについて行った暫定的な診断を、(3)と(4)の分析によって再点検していくことである。その結果、時として、せっかくの企業診断を大幅に変更する必要が出てくる。確かに事実は正確に把握した、しかし、まだ本当に理解するところまでは把握していないという場合出ある。
 例えばある製品は、その属すべき製品類型(第4章)を変えることが必要となる。非生産的特殊製品が、別の市場、別の流通チャネルでは、きわめて有望な製品であることがわかるかもしれない。逆に、暫定的な診断においては、堂々たる今日の主力製品、あるいは明日の主力製品と判断したものが、実はすでにライフサイクルの末期、あるいは末期近くにあるかもしれない。これらのことは、製品だけでなく、市場やチャネル、そして時には事業全体についても言える。

 研修で「Power BI」の説明を受けました。BIはビジネス・インテリジェンスの略。マイクロソフトからツールとして提供されています。企業が蓄積しているデータを分析し、その結果から得られた知見をあらゆる活動に生かすために使うことが目的。データそのものが蓄積されるデータベースとは違い、別のツールとしてレポートが表示でき、データ分析に関する様々な機能を持っているソフトウェアです。
 ドラッカーの本に「事業の再点検」という言葉があります。①現状を分析診断し、それを②マーケティング分析と知識分析で点検することが「事業の再点検」です。これまで、分析した仮説①をもとに②へ進むというステップを踏んできたのですが「再点検」の意識が低く、分析した①を経営者や現場の責任者と話し合う(現状確認)機会を持たず、②へ進んでいるのが現状でした。ドラッカーの教えとBIツール活用で戦略目標やKPIの設定がより進化することがわかりました。

『本音に気づく会話術』西任 暁子 著

株式会社ポプラ社 2016年4月7日第1刷発行

(P60)
話は伝わらなくて当たり前
「どうしてわかってくれないのだろう?」
言いたいことが伝わらない時は、誰だってストレスを感じるものです。
 では、外国の方と話す場合はどうでしょうか。伝わらないもどかしさはありますが、「どうしてわかってくれないの?」とイライラしたりはしないはずです。言葉がわからないのだから「伝わらなくて当たり前」と思えます。
 ところが、お互いに日本語がわかるとなると、途端にイライラしてしまうもの。それは心のどこかに「伝わって当然」だという意識があるからかもしれません。だから、伝わらないと、「どうしてわからないの!」とストレスを感じるわけです。
 さて、ここで質問。本当に、話は「伝わって当然」なのでしょうか?

 そもそも、会話はいつ始まるのでしょう。「これは重要なことだ」「いいアイデアを思いついた」など、話し手が何かを見たり、聞いたり、考えたりして心が動いた時です。つまり、心動かされる体験が会話のスタート地点。心が動かない日常……今日もいつもの時間に起きていつもの電車に乗った。なんていう話をわざわざ人に伝えようとは思いませんからね。
 さて、この「伝えたい」と感じた体験はどのように届けられるのでしょう。
(以下省略)

 この本はフェースブックで通知があった「話し方」に関するYouTubeの動画を観てAmazonで買いました。スキル1:自分の本音に気づく、スキル2:相手の本音を聞く、スキル3:自分の本音を伝える。という構成になっています。普段、相談を受けることが多いのでニーズを察知して結論を導くことを基本にし、「本音」を引き出し、「本音」で会話ができていないことに気づきました。簡単になおせることではありませんが、忙しい、忙しいとスケジュールをこなすだけでなく、この本を読み「本音に気づく会話術」を身につけたいと思いました。

「松陰先生のことば」-今に伝わる志 萩市立明倫小学校 監修

(P36)
冊子(さっし)を披繙(ひはん)すれば
嘉言林(かげんはやし)の如く躍々(やくやく)として人に迫る
顧(おもう)に人読まず
即(も)して読むとも行わず
荀(まこと)に読みて之を行わば則(すなわ)ち
千万世(せんばんせい)と雖(いえど)も得て尽くすべからず

本には、良いことがたくさん書いてある。
良いことを知るだけではだめです。
知ったことは実行することが大事です
(全集第二巻P309「野山獄文稿」)

「野山獄文稿」に収められた「士規七則」の前文部分より。松陰二十五歳の時のことば。
読書する事と、それによって得た知識を実行に移す事(知行合一)の大切さを説いたこの文はさらに次のように続く。
(以下、省略させてもらいました)

 「知行合一」という言葉が気になり、調べたら吉田松陰にたどり着きました。萩市立明倫小学校では、6年生の2学期に上記を朗唱しているそうです。冊子には、1年生から6年生まで1学期から3学期まで計18の朗唱する言葉が解説してあります。
 「4倍速で成果を出すチームリーダー」の本でPDCAを回すためにはエンゲージメント(会社の方向性に対する理解、帰属意識、行動意欲)が大事ということを知り、“アウトプット”を考え、おいかけていたらこの冊子にたどり着きました。私の小学校のころは、野山を走って遊んでいましたが、明倫小学校では毎朝各教室で「野山獄文稿」を朗唱しています。ただただ圧倒されました。

「21世紀の歴史」ジャック・アタリ著 林昌宏訳

株式会社作品社刊 2008年8月 第1刷発行

「21世紀の歴史」ジャック・アタリ著 林昌宏訳(P.156 5……歴史を変える<ユビキタス・ノマド>の登場)
 2030年までには、極度に貧しい者たちをのぞいて、全員がすべての場所で、移動型(HSDPA、WiBro. WiFi. WiMaX)と固定型(光ファイバー)によるすべての高速」ネットワークに接続する。こうして、各人は、ユビキタス・ノマド状態になる。こうした傾向はすでに始まっている。その証左に、グーグルはその本社のあるマウンテンビュー市の住人とサンフランシスコの住人に、無料の高速インターネット接続サービスを開始したところである。現在、韓国の都市全体には、3G方式よりも10倍パフォーマンスの優れたHSDA方式の携帯電話ネットワーク、そして、高速インフラにより、地方公共団体も都市部の安全や交通渋滞を管理しやすくなり、防災にも役立つ。
 各地に分散しているクリエーター階級は、実際に「中心都市」に集結することもなく、ネットウェアでソフトウエア、サービス、製品、生産方式の開発に当たる。コンピューター言語の発達により多くの人がアクセス化できるプログラムを書くこと、また、データとその意味に同時にアクセスできる情報を構築することが可能となる。

 この本は、「世界金融危機を予見した書」として話題になり、NHK放映で緊急インタビューを見て買いました。当たり前のことですが、21世紀とは西暦2001年から西暦2100年までの100年間を指します。この本は21世紀の未来を予測しています。
 P159後ろから2行目に「2030年以前に、ユビキタス・ノマドは、それ以前に産業化されていたサービス全般に行きわたる」とあります。2030年にならなくても、私たちは、すでに「ユビキタス・ノマド」状態になり、産業化されたサービスを受けています。気になったのはこの項のまとめになっている「すべてがネットワークに接続された強力な監視社会体制を生み出す」という結びです。このことを経営の視点で考え、情報共有のためのネットワークは、監視が「目的」になってはならないと気づきました。「目標達成や課題解決のため、どんなやり方をしたらうまくいくのか(重要成功要因)を追及し、成果を上げるためのプロセスを管理する」そのための情報共有が大切です。それがweb軍師の役割です。

「超高齢社会における食料品アクセス問題」薬師寺哲郎 編著

ハーベスト社刊 2015年3月 第1刷発行

「超高齢社会における食料品アクセス問題」薬師寺哲郎 編著(P.1 本書の狙い)
 2010年の国勢調査結果によれば、わが国における65歳以上の人口の割合は23.0%となり、世界で最も高い水準となっている・・・(中略)。65歳以上の人口は2010年の2,948万人から、25年後の2035年には3,741万人に27%増加し、その割合は33.4%に高まると推計されている。
 一方、食料品店の数は減少を続け、飲食小売業の店舗数は1997年の52万6千から、2007年には39万に10年間で26%減少した(商業統計)。大規模小売り店舗法が廃止された2000年以降、その現象の度合いは加速化している
 このような、高齢化の進展と食料品店の減少という状況の中で、食料品の買い物に不便や苦労のある高齢が顕在化しつつある。例えば、郊外に大規模商業施設が新設されたことにより、旧市街地の店舗が閉鎖され、そこに居住する高齢者等が食料品の買い物に不便をきたしている都市部の例や、Aコープ等の閉店の閉店により、もとより高齢化が進んだ住民の食料品の買い物をめぐる環境が悪化している農村部の例がある。杉田(2008)は「なぜ豆腐一つ買うのにバスやタクシーを使わなければならんような事態になってしまったのか。・・・昔はすぐそばで、豆腐だってなんだって買えた」という宮崎市郊外に住む70歳女性の声を伝えている(P12)。・・・以下略

 買物難民という言葉があります。これまでの商店街や駅前スーパーといった店舗が閉店することで、その地域の住民が生活用品などの購入に困るという社会問題で、その被害を受けた人々をさします。買物弱者という表現もされます。
 これまで、今日の1ページで取り上げてきた本とジャンルが全く違うのですが、なぜか気になり読み出しました。国は「経営強化法」で地域の中小企業・小規模企業の経営を支援する施策を強化しています。その背景には、この本のような社会現象があります。私たちは、今、認定支援機関として「経営力向上計画」への取組を始めていますが、その背景にはこの本のような課題があることを改めて認識しました。後継者問題、経営者の高齢化、少子高齢化現象は経営環境の悪化→事業所数の減少というスパイラルになっています。中小企業庁からだされた「事業別分野別指針」には、事業を維持・継続するための方向性が出されています。環境分析の手法としてSWOT分析があります(内部環境の強みと弱み、外部環境の機会と脅威)が、この本を読んで、事業別分野指針を参考にして「買物難民現象」という脅威をいかに強みに変えるか、という取組が必要と気づきました。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』2017年4月号

青春出版社 2007年1月10日 第1刷

『ハーバード・ビジネス・レビュー』2017年4月号 世のマーケターが今まさに知りたいテーマに斬り込んだのが、前号の『DIAMONDOハーバード・ビジネス・レビュー』(DHBR)の特集「顧客は何にお金を払うのか」であり、まさにお金を払って買いたいと思わせた。
 人が商品を購入するのは、片づけられていない「ジョブ」(問題)を解決するためであり、「ジョブ」の特定が極めて重要な起点であるという、C,M、クリステンセン教授のフレームワーク(P26)はその糸口となりえる。紙面の事例から思い浮んだのは、自社のビジネスをピープルビジネスと定義し、他のコーヒー店と一線を画したスターバックスだ。自社の価値を商品軸で定義すると、体力を消耗する価格競争に巻き込まれがちだ。One and only oneの「ジョブ」という競争軸を見出すことがイノベーションの源泉となりえる。
 時代を超えた価値あるコンテンツで読者に洞察を与えるのが、DHBRの魅力だが、特集テーマに関して議論が生まれ、読者を巻き込む仕掛けがあれば、より面白い。(この後の分は、省略させていただきました)(P144. 「前号(顧客は何にお金を払うのか)を読んで」
ライフネット生命保険常務取締役 中田華寿子)

 DHBRを取り上げたのは、二か月連続してタイトルにひかれたからです。
 3月号  顧客は何にお金を払うのか
 4月号  人材育成
 会計事務所は、今、確定申告の真っただ中。あと何年このビジネスモデルは続くのか…突然変わります。それもそんなに遠い話ではありません。今回、不思議なことに事業の申告の確定申告相談の飛び込みが何件かありました。こんなことはなかったので、なぜか考えてしまいました。
平成31年に消費税が10%になると、複数税率が採用され、インボイス方式の導入が必要になると言われています。そうなったら、事業の飛び込みには対応できません。消費税アップの前に、業界のビジネスモデルは劇的に変わってしまうと考えるべきです。複数税率になったら自書申告はできないので、今から税理士事務所に頼んだほうが得策…と事業者は考えたのではないでしょうか
変わるビジネスモデルにどう対応するのか、そのために人材育成をどうするのか…中田氏の読後感に「自社の価値を商品軸で定義すると、体力を消耗する価格競争に巻き込まれがちだ」とありますが、業界は、もうこのレベルではなくなっています。今からでも、もう遅いという危機感をもちました。

『デジタル対面営業』ダグ・ディビトリー

ダイレクト出版株式会社

『デジタル対面営業』ダグ・ディビトリー「ウェビナー」という言葉は混乱を招きやすい。数多くの定義があるからだ。最も基本的には、ウェビナーとは「インターネットを通じて情報を提供する電子的な手段」を意味する。(訳注:なお、日本で翌知られる意味は、ウェブ上でセミナーの配信を行うこと)。最先端の意味は、「社会共同作業ツールを使って参加者を引き込む3次元の学習環境の再現」である。
(中略→P660へ)
・スキルの訓練。孔子は「聞けば忘れる。みれば覚える。行えば理解する」と言った。プロフェッショナルな能力を教えるだけでなく。他の人が適用した知識をリアルタイムで示せるようにする。
・コーチング。積極的な姿勢を維持すること、突っ込んだ質問をして非生産的な態度を取り除くこと、チームのメンバーが説明責任を果たすようにすることは、ウェビナー形式で伝えられる。(ウェビナーの活用 P.658)

この本は、電子書籍で買いました。「統計情報によれば、2011年に、私は9カ国の71の都市に旅行し、230日間を車で移動していた。」という書き出しと「スクリーン・トウ・スクリーンでのやりとりのような視覚化された対話は、最新のテクノロジーを使うことで、アイデア、製品、サービス等の販売に一層貢献する」という言葉に惹かれ、読みました。
インターネットを使った最新の営業がテーマですが、顧客を訪問して対面で行う営業手法との違いが分かりやすく記載されてあり、参考になりました。著者程では無いのですが、私の行動は、動きまわるのが主体でした。これからは、Skypeを使って効率的な動きをしたいと考えています。特に遠隔会議を生産的にするベストプラクテスという部分は何度も読み直す必要がありそうです。
紹介されている孔子の言葉もなるほど…でした。ネットで調べてみたら、約二千五百年前にあの有名な老子は「聞いたことは、忘れる。見たことは覚える、やったことは、分かる」と言ったそうです。と書いてありす。どっちが正しいのでしょうか?ここから先は、研究の世界になりそうです…私の役割ではないので、言葉の意味を理解し、Skypeを活用して定刻に始まる会議や研修を定着させることを目指します。