今日の1ページ

『アンラーン戦略』過去の成功を手放すことでありえないほどの力を引き出す パリー・オライリー 著 中竹竜二 監訳 訳者 山田あゆ子

ダイヤモンド社発行2022年11月8日第1刷 P102

必要な条件③ 小さく始めること。あなたが考えるよりもっと小さく
「これから8週間で顧客維持率を15%上げる」という願望に戻ろう。どういうステップから始めるか決めるとき、たいていのクライアントが思いつくステップはあまりに大きすぎる。大きな一歩で解決策に飛びつき、それを一連のタスクに分解して実行しようとする。小さなステップに絞り込んで実験し、少しずつ成長しようとはしない。成功を、あらかじめ決めたタスクをすべて完了することと定義し、」少しずつ成長しようとはしない。前進しながらコースを修正することで新しい行動をつくり上げようとはしない。
 抜本的な解決策に向けてタスクを列挙しても、再学習することはできない。それこそが再学習すべき考え方だ。高いレベルの願望や結果に所言う点を合わせ、そこに向けて一歩一歩小さなステップを進めるのだ。そうすることで、自分の望む結果、そのための小さなステップが妥当であることが確認でき、行きたい場所に向けて正しい道を歩いていることが証明できる。
 たとえば、もっと健康的で活動的な生活を送りたいと願いながら、何から始めればいいという人が多い。人一倍野心的な人は、「半年着にフルマラソンに出る」という目標を立てる。ほとんどの人にとってこれは、不可能とは言わないまでも、あまりに楽観的な目標だ。この野望のおかげで、悪名高い「ソファからマラソンへ」のトレーニングプログラムができた。どんな人でも半年以内に、まったく走れない状態からフルマラソン完走者になれることを約束する、というプログラムだ。
 では、そのプログラムはどう始めればいいのか?ソファから立ち上がって、マラソンはおろかハーフマラソンさえも。1マイルも走ることなく始められると言ったら驚くだろうか(ホッとするかもしれない)。とても小さな一歩から始まるので、実行するのが簡単なのだ。初めは、ソファから立ち上がって家の周りを10分歩くだけ―過酷なところはまったくない。それからセッションのたびに、たとえば時間を10分から13分へ、歩くだけから軽いジョギングを交えるというふうに、ゆっくりと。小さく、少しずつ難易度を上げていく。こうすることによって、半年にあいだに、持続的にゆっくりとマラソンを走れるようになる。
 ソファから立ち上がってもいないときに、半年後にはフルマラソンを走ろうというのは大きく考えることであり、近所を歩こうというのは小さく始めることになる。大きな願望をかなえるために必要と燃えることよりも、ずっと小さい。だが。こんな簡単な行動に乗り出すことで、ゴールへと向かう道を歩き始めたことになり、そこから上り始めることができるのだ。

 『アンラーン戦略』は著者が考えたアンラーンサイクル(脱学習―再学習―ブレークスルー)を繰り返し、ステップアップを図ることにより目標を実現する「成長戦略」を学ぶ本です。
 目標を実現するためのアクションプランにこだわり、業績評価指標(KPI)を追いかけてきました。本に記載があるように「成功を、あらかじめ決めたタスクをすべて完了することと定義し、少しずつ成長しようとはしない。前進しながらコースを修正することで新しい行動をつくり上げようとはしない。」
 戦略の実行には適切なKPIが必要、KPIを実現するには決めたタスク(大きな目標)のみを追いかけるのではなく、小さく始めること、考えるよりもっと小さく始めることが大事と学びました。顧客維持率をUPするためには、その障害になっている課題を見つけ、その課題を解決するために取り組むべきこと、取り組むための障害を取り除くことから始める必要があります。

『「顧客消滅」時代のマーケティング』小阪 裕司 著

PHPビジネス新書発行 2021年3月11日第1版第1刷 2021年5月25日第1版第4刷発行 P204


□「不要不急」だが「大事なもの」
 2020年12月26日付の朝日新聞に、京都大学名誉教授・佐伯啓恩氏が、1年を振り返って紀行されていた。氏は、この年よく使われた言葉「不要不急」と反対語「必要火急」を題材に論じる中で、次のように述べた。「(このコロナ禍で)我々は、「必要なもの」と「不要なもの」の間に、実は「大事なもの」があることを知った」。
 氏はその「大事なもの」を、「信頼できる人間関係、安心できる場所、地域の生活空間、なじみの店、医療や介護の体制、公共交通、大切な書物や音楽、安心できる街路、四季の風景、澄んだ大気、大切な思い出」と列記していたが、2020年、ワクワク系の現場には、そういうものがあった。
 業種を問わず、BtoB、BtoCを問わず、2020年3月以降共通して見られたこと。それは「不要不急」なビジネスを営む方が多いワクワク系の店舗や会社が、強く支持されていく姿だった。
 人が商品やサービスを買い、店を利用するのは、必ずしも「必要火急」だからではない。人としてより良く生きるためのエネルギーを得るためだ。そして生きることが決して楽ではないこの社会において、「生きるエネルギー」を提供するすべてのひとや企業は、深く感謝され、ビジネスとしての恩恵も受けるだろう。
 2020年は、人が「大事なもの」に気づいた年だったと佐伯氏は言うが、まさにそうだった。そしてその気づきは一過性のものでなく、元にも戻らない。コロナが連れてきたものは未来だったからだ。
 だからあなたのこれからは良いものになる。新しい社会にとって「大事なもの」が何かが明確になり、道は開けたからだ。
 あとはその道を、ともに歩む多くの仲間の息吹を感じながら、あなたも歩んでいけばいいのである。

 この本は、未来会計コンサルティング(神奈川)が実施した講演会で知りました。講師の日下智晴氏は金融庁地域金融企画室長。テーマは「ポスト金融検査マニュアル時代の積極的企業支援へのパラダイムシフト」。金融検査マニュアルを廃止し、「金融機関は「企業の事業内容や成長可能性等を適切に評価(事業性評価)し、それを踏まえた解決策を検討・提案し、必要な支持等をおこなっていくことが必要である」という金融庁モニタリング基本方針を示した方です。 講演の中で紹介いただきました。
 著者の小坂裕司氏はオラクルひと・しくみ研究所代表。成功事例として(本の帯から転載)以下のことが具体的に記載してあります。
  ★営業自粛でも前年比150%を達成したレストラン
  ★「深夜営業NG」でも売り上げを維持したバー
  ★取引先五が次々とファンになるBtoB企業 etc
 顧客消滅時代には、自社の価値観をしっかりと発信し、ファンに共鳴してもらうファンダム作りが重要になる。今、デジタルに偏りすぎている。リアルは「安心、元気づけられる、命とつながっている」という良さがある。誰かにとって価値あるものを届け、対価をもらうことができる。生きるために価値あるもの なくならないはず、それが今危うい……YouTubeでも厚く語っています。
https://kosakayuji.com/202102book.php
ファンダムを作り、顧客との「絆」の深め方を学びました。ワクワクしながら一気に読むことができました。お勧めです!

『渋沢栄一とドラッカー』國定 克則 著

株式会社KADOKAWA発行 2020.11.20初版 P24


⑷渋沢栄一とドラッカーはなぜ未来を創造できたのか
 渋沢栄一は西洋のカンパニーという仕組みを使って、当時の日本になかった新しい事業を次々に生み出し社会的イノベーションを起こした。一方ドラッカーは、「マネジメント」という言葉さえあまり使われていなかった時代に、人類史上初めてマネジメントという分野を体系化した。二人はなぜ新しい未来を創造できたのだろうか。
 私たちは渋沢栄一とドラッカーから何を学ぶことができるのだろうか。実は、渋沢栄一とドラッカーはよく似ている。考え方がよく似ているだけでなく、生き方までよく似ている。二人の共通点をとおして未来創造の本質について考えてみたい。
 未来創造という観点で二人を眺めると、まず浮かびあがってくるのは「高く広い視点で時代が要請するものを見極めていた」ということである。
 渋沢には常に天下国家という意識があった。また、運よく西洋の地を訪れ、当時の西洋の様子を自分の目で見ていた。そして日本は、西洋による植民地時代を避けるために富国強兵を旗印とし、産業の育成が急務だった。渋沢は、明治という時代が求めるありとあらゆる事業を設立していった。
 渋沢の事業の設立の順番も理にかなっている。まず、経済の血流といわれる銀行を設立した。それは、事業に融資するという日本で初めての銀行だった。ちなみに「銀行」という言葉を作ったのも渋沢である。次に製紙会社を設立している。明治になって税は紙幣で納めることになった。また、全国に義務教育の学校が設立され教科書が必要になった。明治初期という時代は大量の紙が必要になった時代だったのだ。
 ドラッカーも同じである。ドラッカーは常に社会全体という視点でものを考えていた。ドラッカーがなぜマネジメントの研究を始めたのか。そこには、社会の大きな変化が影響していた。
 19世紀まで人類の大半は、靴職人とか農民とかといったように個人で働いていた。それが20世紀には、人類の大半が組織で働くようになった。そういう社会である以上、組織のマネジメントがうまく機能しなければ人類は幸せになれない。そういう時代の要請が、彼をマネジメント研究に向かわせたのだ。
 ちなみに、ドラッカーの心の根底にあるのは「人間の幸せ」である。ドラッカーは「人間はどうすれば幸せになれるか」、特に「仕事を通して人間はどうすれば幸せになれるか」を考え続けた人だった。
 渋沢栄一とドラッカーが変化の時代に大きな成果をあげたのは、高く広い視点で時代が求めているものを見極め、時代が求めているものに彼らの時間を使ったからなのだ。
 渋沢栄一とドラッカーに共通する2点目は、「本質を見極めていた」ということである。これまで説明してきた「高く広い視点で時代が要請するものを見極めていた」というのもその1つだろうし、ドラッカーが渋沢を評価したのも、渋沢の基本的な考え方や鋭い洞察力だった。
 さらに、渋沢が500社もの会社を設立できたのも「本質を見極めていた」からに他ならない。彼は事業において極めて重要なのが「専門的経営者」であることを見極めていた。
 渋沢は彼の著書『青(せい)淵(えん)百話(ひゃくわ)』の中で、起業に関する重要な4つの注意事項を挙げているが、その1つが「事業が成立したとき、その経営者に適当な人物がいるかどうかを考えること」である。渋沢は彼が創業に携わったすべての企業の経営を行ったわけではない。渋沢は事業を起こす際に、事業が始まるはるかに前から経営者となる優秀な人材を探している。
 例えば、大阪紡績という事業を立ち上げる際には、津和野藩出身で当時ロンドン大学に留学していた山辺丈夫という人物に、渋沢自身が手紙を書き、経営者になるよう依頼している。だからこそ、500社もの会社を設立することができたのだ。
 一方ドラッカーは、社会生態学者として社会の本質を見極めることに天賦の才があり、社会の本質を見極めることを仕事としていた。ドラッカーはマネジメントの全体像とその本質を整理したことによって「マネジメントの父」と呼ばれるようになった。
 ドラッカーはマネジメントの全体像とその本質を整理しただけでなく、変化の本質、未来の本質、そしてその未来の本質から導き出される未来創造の本質についても整理してくれている(以下略)。

 この本は11月にも紹介しました。大河ドラマ「青天を衝け」を契機に、津本陽著『「渋沢栄一」、公益財団渋沢栄一記念財団著「渋沢栄一公式テキスト」、渋沢秀雄著「父 渋沢栄一」と読んでから、この本にもどりました。ドラッカーは人間の幸せそして“理念と利益”、渋沢栄一は天下国家そして“論語と算盤”、多くの共通点があります。会計人として中小企業のためになる仕事をしたい、しかし残り時間が…と言い訳を考えていましたが、健康を維持しもう少し頑張ることにしました。本のまえがき(P3)に「新型コロナの発生は大きな危機であると同時に、知恵次第では、これまでの業界構造が一変するといったことが起こるかもしれない大きなチャンスである」とあります。戦いはこれから、負け犬のまま人生を終わるな!と勇気づけられました。

『人生に生かす易経』竹村 亞希子 著

発行所到知出版社 平成19年11月8日初版 平成31年3月15日第6刷発行


本業に徹し、プロの技を身につける P134
 マネジメントとい言葉があります。マネジメント能力はこの「君子終日乾乾し、夕べに愓若(てきじょ)たり」の段階で身につきます。
 マネジメントという言葉は、直訳すると「目的に向かって必死になって苦労して、なんとか工夫して実現させる」という意味になります。
 この「君子終日乾乾」の時代にマネジメント能力を養っておかないと、後で苦労します。つまり、この時代に化けて出てくるものがマネジメント能力なのです。アマチュアからプロになる変わり目、素人から専門家になる変わり目が、乾愓(けんてき)の時代です。
 この時代は、日々の量稽古を積み重ねることでやがて量質転換が起こり、そこにはじめて独創性が生まれるのですが、それはあくまでも「業に居る」中で出てくるものです。「徳を進め業を修む。忠信は徳を進めるゆえんなり。辞(ことば)を修めその誠を立つるは、業に居るゆえんなり」とありますが、この「業に居る」とは「本業」という意味です。自分の本籍、本業において、その能力を養う、その能力を創出することです。
 だから、必死になって苦労して工夫を凝らすマネジメント能力も、すべて仕事を通して身についてくるのです。
 また、「忠信」という字に注目してください。これは、「高揚感をもって仕事に取り組む」という意味になりますが、これがマンネリ化を防止するのです。マンネリ化は起きやすいものであるからこそ、潜龍の時代に打ち立てた確乎不抜の志を研磨していくのだという高揚感をもって自分で乾を育てなければならないといっているのです。

 龍の役割は恵みの雨を降らせて社会に貢献することでした。その貢献の意味が「業に居る」という言葉の中に含まれています。それは本業を通して社会に役立つものを提供するということです。感心できない商品を提供して、たまたまそれによって業績が伸びたから、利益の一部を社会に還元して貢献しようというものではないのです。「業に居る」という本来の意味は、自分の本業を通して社会に役立つものを提供する。それによって、従業員も、従業員の家族も、得意先も、消費者も、地域経済も活性化して、めぐりめぐって社会に貢献するということです。その出発点が本業にある。それを忘れてはいけない、という意味も込められています。
 もちろん、余裕ができたときには本業だけでなく、さまざまな形で社会に還元するのはすばらしいことだとも易経はいっています。

 この本は、尊敬する浜松の先生から教えてもらいました。私は、易や占いを勉強したことが全くありません。著者のまえがきに「易経は東洋の古典の中で最も古い書物です。東洋思想の原点ともいわれ、古くから帝王学として学ばれてきました。東西数多く古典の中で、易経の際立った特徴は、時と兆しの専門書、時の変化の言葉を解く書物、そして知恵の宝庫であるということでしょう」とう説明がありました。
 「易経は難解だ」という先入観があったのですが読みだすと面白くてためになりました!P123に「君子乾乾の時代」は、基本から本物の技を創出する段階です。基本はもうすでに修めました。次は想像力、創意工夫、オリジナリティ、本物の個性などを開花させるときです。」と言う解説があります。
 今日の1ページで紹介した部分を解説するだけの理解力がありませんが、コロナ禍から抜け出す行動の基本は、「君子乾乾の時代」と似ていることに気づき掲載しました。この本を読んで、脱出の「兆し」をつかみませんか!

*「君子終日乾乾し、夕べに愓若たり」の解釈P125
 乾乾だからと強く強く、ただ積極的にいけばいいと考えていると蛮勇になってしまいます。ところが、おそれを知り、健全な警戒心を持ち、勇気を奮い起こしていくようにすれば、大胆かつ細心な行動になります。そういうふう風にいきなさいよ、と教えているのです。

『マーケティング・ジャーニー』神田 昌典 著

日経BP/日本経済新聞社出版部発行 2020年4月8日第1刷 P160


あなたが嫌がっている仕事が、社会を変える P160
 この仕組みを描いたのは、冒頭で紹介した高橋博志さんである。高橋さんは、青森県三沢市でリフォーム用木材の通信販売を手がける株式会社高橋の社長であり、青森県バイオマスエネルギー推進協議会の理事長でもある。
 立ち会がったのは、森林に対する危機感からだ。自身も祖父から森林を相続して、森を守る難しさを痛感していた。このままでは日本の豊かな森林が失われ、安価な輸入木材ばかりが流通することになりかねない。
 その打開策としていきついたのが、間伐材でペレットを作ることだ。これなら森林の荒廃を防ぎながらお金を稼げる。
 ただ、ネックは、間伐する人がいないことだ。プロのきこりに頼むと採算がとれない。
 行き詰った高橋さんは悩んだ末、突破口を見つけ出す。それが、「きこり」講座だ。木こり体験をリクリエーション化すれば、受講者は楽しめるし、こちらも安く間伐できると考えたのである。
 反響は高橋さんに予想以上。2013年に1回目の受講者を募ると、定員20名の枠になんと500人以上が応募してきた。
 その後も「木こり講座」は継続しており、東京や大阪、福岡等全国から人が集まっている。ここで得た技術を生かし、自分の地元の森林を整備する人も出てきている。

 この社会変革は、「時間に合わない」と思われていた低収入の、誰でもできる仕事を、学び化、遊び化したことから、すべてが始まった。
 同様の変革を起こすには、仕事にすると人が嫌がって担い手が集まらない作業をエンターテメント化、遊び化するという視点を持ってみよう。
 前項でも例に挙げたが、例えば介護はどうだろうか。心身共にタフさが必要とされる仕事であり、初心者では1日やり遂げるだけでもしんどいが、1日2時間程度手伝えるように切り分けることで、シニアになってから空いた時間で取り組める。「人に喜ばれる仕事」になる可能性がある。
 介護業務を始めるための入門講座や、自分自身が要介護にならないための健康講座などをセットすれば、事業所側もいくばくかのお金が入るようになるだろう。
 あなたが嫌がっている仕事は、新たな市場を創造するどころか、社会を変える最高の遊びになる可能性がある。

 この本は書店で買いました。著者の神田昌典(かんだまさのり)氏は、経営コンサルタント/作家として活動し、マーケティング界を引っ張る存在として知られています。この本の「おわりに」P218に「実は、この本は次世代を担う中学生、高校生に読んでもらうことを強く意識した、ということだ」と書いてありました。高橋氏の他に、世界で初めて無農薬・無堆肥のリンゴの栽培をした木村秋則氏も紹介されています。読みやすい本です。
 立ち読みして、P19に「ビジネスモデルを構築するまでの自分の成長プロセス」という図に惹かれて買いました。コロナ禍で思考が「壁」にぶつかっていたので、読んで、視点を変えるきっかけになりました。

『渋沢栄一とドラッカー 未来創造の方法論』國定 克則 著

株式会社KADOKAWA 2020年11月初版発行


(まえがき)P5 6行目~P6 10行目まで
ビジネスの分野で、本質を理解するために学ぶべきとして挙げられる人の中に、必ずでてくるのがピータードラッカー(1909~2005)だ。ドラッカーはいつも物事の全体像とその本質を示してくれる。
 彼は「マネジメントの発明者」として、マネジメントの全体像とその本質を整理した人だ。世の中にはドラッカーは古い人だと思っている人もいるようだが、彼は「知の巨人」と呼ばれ、社会の生態を見続けた人である。ドラッカーは、マネジメントの本質を理解しただけでなく、変化の本質、未来の本質、そしてその本質から導き出される未来創造の本質についても整理してくれている。
 そして、そのドラッカーがビジネスの本質を理解していた人物として高く評価していたのが、渋沢栄一(1840~1931)である。「資本主義の父」とも呼ばれている。
 この二人には共通点が多い。ビジネスに対する考え方も似ているし、変化の時代に大きな成果をあげたという点でも似ている。共に物事の本質を見極めていた人たちなのだ。
 さらに、ドラッカーは渋沢栄一を高く評価していただけでなく、日本という国に惚れていた。なぜなら、ドラッカーが大切にしていた「本質を見極める」という能力に秀でている民族が日本人だったからだ。
 ドラッカーは、日本という国は他の国とは違う独特な特徴を持っていると言う。その日本が伝統的に持っている特徴の説明は本文に譲るが、その特徴が大きな変化の時代に未来を創っていくための重要な武器になるのだ。
 本書は、大きく3つのテーマに分かれている。この3つはそれぞれに関連している。共通することは「全体像とその本質」である。そして、この3つを理解していただくことが、大きな変化の時代に未来を切り開くための手がかりになると思う。
1.渋沢栄一とドラッカーの未来創造
2.ドラッカーに学ぶ未来創造の考え方と方法論
3.日本人の根底に流れる考え方

 この本は、(まえがき)によれば、新型コロナウイルス感染症が発生する前から書き始めたものです。テーマは「未来創造の方法論」、本の帯には、“正解のない時代にビジネスと向き合った偉大な二人から未来を切り開く方法と心構えを学ぶ“とあります。
著者の國貞克則氏は、米国クレアモント大学、ピーター・ドラッカー経営大学院でMBAを取得しています。ドラッカーの『創造する経営者』にある4つの分析で事業を理解するに出てくる「知識分析」の理解できずいましたが、わかりやすい説明があり助かりました。渋沢栄一が紙幣の顔になることの意味も分かり「希望」が湧いてきました。すばらしい本です。

『BCG戦略コンセプト』水越 豊 著

ダイヤモンド社発行 2003年11月13日第1刷発行 2004年2月13日第5刷発行

(P56)
1……戦略的セグメンテーションとは何か
●……すべての顧客が利益になっているのではない
 日本において特定のセグメントに的を絞った商品開発・マーケティングが脚光を浴び始めたのはここ10年ほどのことである。それまで多くの企業は、「お客様は神様です」という言葉通り「すべての消費者を大事にしなければならない。だから、みんな一緒に平等に扱わなければならない」という理念にもとづいて経営していた。市場がどんどん成長している時代には、むしろこのやり方は理にかなっていた。なぜなら、どんな顧客でも大事に扱っておけば、そのうち大きな利益に結びつく可能性があったからである。仮に社会にでたばかりで1人暮らしのサラリーマンは、現時点では数か月に1度、電球を買うだけの少額の顧客だとしても、5年、10年と年を経るごとに給料も増え豊かな生活を送るようになれば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン……と、次々に商品を購入し、さらにはそれらを買い替える高額の顧客へと成長していく。つまり、このような将来がある程度予測できる時代には、すべての消費者を潜在顧客とみなし、電球1個のお客様を重視することが、ある意味では戦略的であった。
 しかし、右肩上がりの成長がもはや望めず、消費者ニーズが短期間で変化し、かつさまざまに細分化しつつある状況下では、潜在顧客に対して広くまんべんなくサービスすることはコストの増大を招くばかりだ。なぜなら、すべての顧客を平等に扱ったとしても、すべての顧客が平等に利益をもたらしてくれるわけではないからである。また、画一的な商品・サービスではどの顧客も不満という結果になることが多い。
 そこで求められるのが、従来のように消費者や市場を全体として十把一からげに扱い、全消費者に共通したマーケティングを展開するマス・アプローチではなく、市場や消費者をさまざまな軸で分類しそれぞれに異なったマーケティングをしていこうというセグメンテーションのアプローチである。戦略的セグメンテーションは、顧客によってニーズや商品・サービスの価値、経済が異なるという認識を前提とする。平たく言えば、儲かるセグメントと儲からないセグメントをきちんと把握し、それぞれの経済性に応じた合理的対応を考え、実行することである。

 この本は10年ぐらい前に盛岡のジュンク堂で買いました(その時弘前市に店舗はありません)。BSCと戦略参謀にのめりこむきっかけになった本です(笑。
セグメンテーションとは市場を細かく分け、ニーズごとにグループ化すること。販売管理のシステムで様々な分析ができるのですが、ほとんどの会社が請求管理だけに使っています。
 最近、withコロナという言葉をよく聞きますが、withコロナには「守り」と「攻め」があります。「攻め」はこの本にあるように、儲かるセグメントと儲からないセグメントをきちんと把握し、それぞれの経済性に応じた合理的な対応(→売上金額ではなく、限界利益と固定費を差し引いて貢献している市場なのか)を考え、実行することが必要です。これから、具体的なやり方を提案します。

シンプルに生きる『老子』 監修 愛知教育大学名誉教授・皇学館大学名誉教授 野村 茂夫

リベラル社発行 2016年10月27日初版 2018年6月14日再版

(P34)人に力を発揮させる社会は活性化する
 天下に忌諱(きき)多くして、民弥(いよ)いよ貧(ひん)に、民に利器(りき)多くして国家ますます昏(くら)し(第57章)

 生まれながらにして、人は自由です。自由があるということは、他のものに邪魔をされず、自分の気持ちのまま行動することができるということ。そして、人は自由であれば、創造することを本能的に好み、誰に言われるまでもなく工夫をし、世の中に小さなプラスを生み出そうとします。実際に、そのようにしてこの世の中を発達させてきた歴史があるのです。
 それを「あれも禁止、これも禁止」と禁令ばかり出していれば、人の創造性は失われ、意欲も徐々になくなっていきます。人に本来備わっている創造性を削ぐことなく、能力を存分に発揮させることが、社会に活力を生むのです。

 新型コロナウイルスという未曽有の体験。「緊急事態宣言を25日全面解除の諮問」という、久々の明るい話題が聞かれます。「あれも禁止、これも禁止」という状態が続き、新しい何かを考えだそうとする「創造性」を失ってしまった人が多いのではないでしょうか。旺盛な意欲があったから事業を始めたはずです。今一番必要なのは創業当時のことを思い起こし、これから始めるという強い気持ちを持つことではないでしょうか。老子(ろうし)は、中国春秋時代の哲学者と言われていますが、確かなことはわかりません。私は、難しい書物を読む知識がないのでリベラル社のシリーズを机のそばに置いています。
コロナの後の取組みとして、販売管理データに着目しました。これまで「どこに何を売ってきたのか」そしてこれから「どこに何を売るのか」会計データと販売管理データを分析し、「現状」から「あるべき姿」を考えるべき「時」です。

「業種別AI活用地図」本橋 洋介 著

株式会社翔泳社発行 2019年11月6日初版第1刷発行

(P2) はじめに
 さまざまな用途のAIが研究・開発されています。このように多様な用途のAIが実現されていることから、AIのビジネス活用や実社会への適用についても、多数の取り組みが行われています。設備メンテナンス、在庫管理、広告最適化といった以前から行われていたことが進化するだけでなく、自動運転や信用スコアなど、AIによって新しい活用例も増えています。しかし、AIの活用は思うように進まないことがあるのも現状です。PoC(仮説検証)と呼ばれるトライアルを実施したが想定した制度が出ない、投資対効果が見込まれないなどの理由から途中で停滞してしまうプロジェクトもおおくあります。
 これは、AIやそのもとになるデータ活用についての企画の段階で、自社や組織の中の課題に対して俯瞰的に考え、どのデータを蓄積し、どの業務を改善するAIを開発していくのかのロードマップが適切に作られていないことが原因の一つであると筆者は考えます。また、データの収集・蓄積と、その可視化や基本的な設計などで業務を改善していくことが最初のステップであるにもかかわらず、これらを行わずに難しいAIを開発しようとすることも、うまくいかない原因のひとつです。
 そこで、本書では、業界・業種別に、どのようなデータ活用・AI活用が考えられるのかをマップ形式で整理しました。また、業種別にどのような活用事例があるのか示しています。さらに、一部の活用例においては詳細な方法や開発時のノウハウについて解説しています。

 最近、5Gについての報道がBS放送であり、HUAWEI(ファーウエイ)の戦略を初めて知りました。私は、5Gとは何か?導入によって何が変わるのか?全く知識がありません。ネットで確認すると「4Gが「スマートフォンのためのモバイルネットワーク技術」だとするならば、5Gは「社会を支えるモバイルネットワーク技術」といわれています。あらゆるものがインターネットに繋がるIoT時代を迎え、幅広いユースケースが想定されるためです。」という説明がありました。
 AI活用でこれから仕事のやり方は大きく変わる。どんな業種でどんなことがおきるのか?それを知りたくてこの本を書店で見つけました。AIは、内部環境を変革するためにどのように活用するか、という視点でとらえ、4月から導入が予定されている5Gは、外部環境の変化への対応を要求しています。
 この本にあるように、AIで難しいことを開発するのではなく、「データの収集・蓄積と、その可視化や基本的な設計などで業務を改善していくこと」を最初のステップと考え、進めるのが大事です。8業界36業種のAI導入事例があります。

「なんのために勝つのか」廣瀬 俊郎 著

株式会社東洋館出版社発行 2015年12月24日初版発行 2016年2月12日第4刷発行

(P55)逃げたら、同じ壁
 人生において、なかなかうまくいかないことがある。そんなとき、ぼくはある言葉を思い出す。
 「逃げたら同じ壁」
 人は何かをするとき、必ず壁にぶつかる。その時に、どうするか。壁の高さに気をくじかれて諦めてしまうか、とりあえず迂回する道を探ってしまうか…
 僕はまず、いったん落ち着いて考える。ここで諦めてしまっても、いつかまた同じ壁にぶつかるかもしれない。だとするならば、今回で乗り越えてしまったほうがいい。そして覚悟を決めて真正面から挑戦する道を選択する。
 壁を乗り越えた時の新しい世界を見たい。きっとの伊超えても、また次の高い壁が現れるだろう。でも、またそこにチャレンジできる自分が好きだ。その壁を越え、さらにレベルアップした自分に出会えると思うと、ワクワクしてくるのだ。
 壁の乗り越え方は人それぞれだと思う。正解はない。僕の場合は、ただ忍耐強くやるだけである。ひたすら考えて、行動して、自分を信じて続ける。糸口すら見えないことも多いけど、自分ができることはすべてやる。
 あとは、信頼できる人に客観的な意見を求めることもある。逆にいい加減な人の意見には耳を貸さない。変に流されてしまいかねないから。

 著者はラグビーの日本代表平成12年にはキャプテンとして推薦されています。久々にジュンク堂に行き、見つけた本です。ラグビーワールドカップ2019日本大会は熱い想いで観戦しました。諦めない、ワクワクする気持ちで壁に挑む!年を重ねるごとに忘れていました。「壁」にぶつかって今日の1ページ休んでいたのですが勇気をもらいました。
 まだ12月はじめ、年末までしぶとく頑張ります。戦略ナビの新たなテーマをキャプランの「戦略を現場のことばにする」と決めました。OUTPUTを実践します。