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ロバート・S・キャプランの論文「ストラテジーマップ」

ハーバードビジネスレビュー(2001年2月)

ハーバードビジネスレビュー競争力の源泉が生産設備や営業拠点といった有形資産から、人材、ノウハウ、技術といった知的資産に移行している。このような「無形資産」(intangible asset)を測定・評価することは、従来の財務諸表では限界があった。そこで登場したのが「バランスト・スコアカード」である。企業活動を、財務面と共に、顧客、業務プロセス・成長、学習の4つの視点から分析する手法である。

上記は、HBRのライブラリーから取り寄せたキャプラン教授の論文の表現です。私は、英語ができないので、原書を読むことができません。和訳したもので解釈することよりできないので、つながりで考えてみました。

バランス・スコアカードを経営指標としての役割から、4つの視点に区分して考え、財務を結果、顧客業務プロセス、学習・成長の各視点をプロセスととらえ、つながりでとらえて分析するという考え方がこの論文で始まり、2005年12月発行の「戦略マップ」にバランスト・スコアカードという表現が使われたのではないかと思います。

「戦略マップ」ロバート・S・キャプラン/デビット・P・ノートン

(監訳:桜井通晴、伊藤和憲、長谷川恵一)2005年12月14日発行

418RYK5G3CL._SL500_AA300_戦略実行の成功には3つの要素が求められる
≪結果のブレークスルー≫=≪戦略の記述≫+≪戦略の測定≫+≪戦略の管理≫
これら3つの考え方は単純である
・測定(第2の要素)できないものは管理(第3の要素)できない
・記述(第1の要素)できないものは測定できない
~中略~
本書では、戦略を記述し可視化するために戦略マップのなかで戦略目標間を結びつけることによって、この戦略の記述について非常に詳細に述べている。したがって、上記の等式を以下のように書き換えることができる。
≪結果のブレークスルー≫=「戦略マップ」+「バランス・スコアカード」+「戦略・バランスト・スコアカード」(P17)

 

私は、バランス・スコアカード(BSC)にのめりこんで、「戦略参謀」という商品を開発しました。(監訳した桜井通晴先生から、平成19年10月30日キャプラン教授が主催した「アジア太平洋サミット」の会場で、本にサインをもらっています。)BSCの普及をテーマにしているのですが、改めて読み直し、上記の中略の「前と後」に「鍵」があると感じました。

書き出しにある“戦略実行の成功”という言葉、ここにBSCの最大のポイントがあると考えます。疑問は、バランス・スコアカードとバランスト・スコアカードはどこがちがうのか・・・

社長の実践「社会人勉強心得帖」プレジデント社 山田修著

MBA社長の実践「社会人勉強心得帖」僕の勉強の分野も人脈もこうやって「芋づる式」に展開してきた。そしてこれらが横線だとしたら、縦線はいつもビジネスキャリアだ。横線と縦線がそれぞれをさらに織りなして、僕のビジネス人生を彩ってきてくれた。(P143)

 

昨年、著者が書いた「本当に使える戦略・使えない戦略」(2013年6月第3刷発行)という本に出会いました。ポーターから楠木建まで、著名戦略セオリーの有効性と限界を読み解く!という帯見出しにつられて買ったのですが、本当に良い本に出会いました。そして、著者は主任講師をしている経営者ブートキャンプに参加し、上記の本に出会ったのです。「芋づる式」は理解を深めるコツです。