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「香乱記」下巻 毎日新聞社 宮城谷昌光著

「香乱記」下巻 毎日新聞社 宮城谷昌光著「人は努力をやめれば、いくら若くても、それからは老後である」(P34)

 

「香乱記」は、項羽と劉邦の時代に、信義を守る天下の王となるべき人として「斉の田横」をテーマに書いた歴史小説です。私は、この言葉をみて「努力を続けていれば、老いは始まらない」と勝手に解釈し、がんばることにしています。

「孟嘗君」講談社 宮城谷昌光著

「孟嘗君」講談社 宮城谷昌光著「そうよ・・・。人を助ければ、自分が助かる。それだけのことだ。わしは文どのを助けたおかげで、こういう生き方ができた。礼を言わねばならぬ」(P270)

 

紀元前200年前後の春秋時代、中国最大の商人と言われた「白圭」が孟嘗君に残した言葉です。尊敬する人から、「助けるものは、助けられるものによって幸せになれる」という意味に解釈して教えてもらいました。“自利利他”にもつながる経営理念の原点として、未来永劫に語りつがれていくべき言葉として、大事にしています。

「管仲(かんちゅう)」角川書店 宮城谷昌光 著

管仲(かんちゅう)」角川書店 宮城谷昌光 著 国にかぎらず組織というものは、最も高いところから、最も低いところは、見えないようになっている。ところが不思議なことに、もっとも低いところから、もっとも高いところは、見えないわけではない。組織を本当に改善しようとする者は、もっとも低いところにおりればよい。あっという間に改善の骨子は出来上がるであろう。(P232)

 

春秋時代前期(中国)に、思想家、為政者として卓越した能力を発揮し、理想の宰相と称された「管仲(かんちゅう)」の言葉です。

戦略実行ギャップを埋める

2007年度 バランスト・スコアカード・アジア太平洋サミット「戦略実行の革新」

2007年度 バランスト・スコアカード・アジア太平洋サミット「戦略実行の革新」最近の調査によれば、戦略実行が、今日、企業のトップの最大の関心事となっています。実際、戦略実行を正式に導入している企業は、未導入の企業に比べ、大変良好な業績を達成しています。それでは、戦略実行の中核的能力は、どのように開発、維持すれば良いのでしょうか。Kaplan博士は、そのための必要なプロセスやリソースを通して、戦略を実行に結びつける統合モデルをご紹介します。

キャプラン教授が2005年12月に「戦略マップ」という本を書いた後の論文です。バランス・スコアカードは主に「部門の業績改善」として使われてきたのです。それにもかかわらず、私は最初から「戦略実行のツール」と考え学んできました。そこに認識のずれがあったのです。バランス・スコアカードに関する本に、「バランス・スコアカードは部分最適から全体最適を目指す」という表現が使われています。部分とは部門であり、全体とは全社を意味していたのです。

上記は、キャプラン教授が「アジア太平洋サミット」で発表した内容をHBRのレポート表現している文書です。

→戦略実行の中核能力は、どのように開発、維持すればよいのでしょか?
→そのために必要なプロセスやリソースを通じて、戦略を実行に結びつける統合モデルを紹介します。

という部分に注目しました。
サミットに参加したときのメモを見ると、キャプラン教授は、「社長(CEO)が関心を持って推進リーダーになることが必要」と述べ、

・そこで働いている従業員にが、当該部門の戦略マップを説明できるかと質問し
→理解度を確かめる
・そして、「今やっている作業はこの戦略マップのどの戦略目標か?」
→戦略実行がプロセスやリソースとなっているかを確認

太書きの部分は、メモを確認した上で書きました。サミット参加の時は、理解できなかったのですが、改めて読み直してみると統合モデルの考え方を示しています。

これまでBSCに取り組んできて、戦略実行で最も大事な「肝」は合意形成(意見の一致)
自主性(何をすべきか、やるべきことは決まっていて、それを実行に移そうという判断を自分でする態度)
上記の2点です。
私の経験では「統合モデル」にできません。「統合モデル」があったとしても、それを検証した上でPDCAサイクルが回っていなければ戦略実行は実現できないと思います。PDCAサイクルと戦略のストレッチが経営力強化の「鍵」と改めて感じました。

「戦略マップ」ロバート・S・キャプラン/デビット・P・ノートン(4)

(監訳:桜井通晴、伊藤和憲、長谷川恵一)2005年12月14日発行

418RYK5G3CL._SL500_AA300_戦略に関する文献は、非常に多岐にわたる。戦略に関するフレームワークは学者及び実務家ごとにかなり異なり、戦略の定義についてすら同意が得られていない。戦略マップおよびBSCは戦略へどのようなアプローチに関しても作成できるが、われわれのアプローチは戦略論の分野における創始者の1人であり著名なリーダーの1人であるマイケル・ポーターによって示された普遍的なフレームワークに基づいている。

戦略(P67)

私は、ベストな結果(財務の視点)を出すために、どのようなプロセス(顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点)を踏むべきか!その答えをバランス・スコアカードに求めています。
楠木建の著書「ストーリーとしての競争戦略」に“キラーパス”という言葉が出てきます。キラーパスをKotobankuで調べると、「サッカーで、スルーパスの一種で、グラウンダー(地面を転がるボール)の直線的なパス。強く早いボールパスで決定的なシーンを演出し、敵陣を切り裂くことからこういわれる」と説明がありました。

私がバランス・スコアカードに求めるのは、「ベストな結果を出すためにどのようなプロセスを踏むべきか、それを戦略としてどのように展開すればよいか」ということです。
私にとって“戦略テーマ”は、キラーパスであり、そのストーリー(目的と手段→因果関係)を描くのが戦略マップという考えです。アイデア→戦略→ストーリーという流れが「肝」なのですが、キャプランの「戦略マップ」は、戦略の本質はポーターのフレームワークで考えよう、と言っているように思えます。