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「バランス・スコアカード実践ワークブック」中野 明著

秀和システム発行2009年12月第一版一冊

「バランス・スコアカード実践ワークブック」中野 明著従来の企業の評価は、どちらかというと短期的な財務の視点に偏りがちでした。この点に着目したキャプランとノートンは財務の視点に非財務的な長期的視点として、非財務的な長期的視点として、顧客の視点、内部プロセスの視点、学習と成長の視点を加えました。
そして、4つの視点で組織の活動を総合的に評価しょうとしました。これがバランス・スコアカードの始まりです。
(P.8)

バランス・スコアカードの勉強を始めたのは、2004年ITC認定試験がきっかけでした。外部報告が目的の制度会計と、経営目的の管理会計に取り組んできたのですが、個人企業としてはじめた会計事務所の人数が増え、組織作りが必要になり、経営の仕組について知りたくなりました。
組織にはなぜ目標が必要なのか、
目標を実現するためにどんなやり方(戦略)をすればいいのか、
戦略を実行する組織づくりはどのようにすればいいのか
それを体系化しているのがバランス・スコアカードです。

一倉定の社長学「販売戦略・市場戦略」

一倉定の社長学「販売戦略・市場戦略」 一倉定著 日本経営合理化協会出版局

一倉定の社長学「販売戦略・市場戦略」(マーケティングとは)
市場というものは、そこに顧客がいる、そして顧客こそ企業存続の鍵を握っているのだ。その顧客にどう奉仕するかで企業の運命が変る。この点については、私はすでに「経営戦略編」で結論を出している。「変転する市場と顧客の要求を見きわめて、これに合わせて会社を作りかえる」ことこそ事業経営であろうという結論である。
この結論から導きだされるまず、第一のことは、顧客の要求とは何であるかをつかむことである。さらに、その要求はどう変わってゆくのかの注意深い観察を必要とすることである。
第二には、顧客の要求を満たすために、我社はどうしなければならないか、何を捨て、何を築いてゆかなければならないかということである。(P.29)

この後に続くのは、顧客の立場にたって考えてこそ・・・という文章ですが、ドラッカーの「現代の経営」にある、上巻第6章われわれの事業は何か、に書いてある内容とほぼ一致します。ドラッカーの「現代の経営」は1954年の著作で、1965年にダイヤモンド社から発刊され、社長の「教祖的存在」と慕われた一倉定氏の、この本は1977年です。学んだことをよく理解し、実践できる人と、私のように学んだだけで終わってしまう人の違いを感じました。

幾代もの反映を築く「オーナー社長業」牟田学

幾代もの反映を築く「オーナー社長業」牟田学 著 日本経営合理化協会出版局

幾代もの反映を築く「オーナー社長業」牟田学 著「創業の任」と「守成の任」「戦争論」を書いたクラウゼヴィツによれば、歴史に残っている戦争は、208回ある。208回のうち、攻撃で勝ったのが200回、守備で勝ったのが8回だ。つまり攻撃をしないと、ほとんど負けるということである。守備で勝つことは滅多にない。
現代は資本主義社会で競争が原理だが、ウエートを攻守のどちらに置くべきかと言えば、業績が悪ければ、もちろん守りではなく、攻撃をする。その最たるものが、増客である。ここでもう一度確認するが、攻撃には三つの項目があった。①増客すること、②売価がより高く、粗利益もより多い商品を売る。あるいは、安い商品なら数量を余計に売ること、③経営体制を整えること、この三つである。
(P.281)

本には、「攻撃こそ最大の防御」とも書いてあります。どのセグメントの顧客をふやすのか、どのセグメントの商品を増販するのか、事業領域を見直し、経営資源を集中する戦略を考えた上で経営体制を整え、攻撃に出る。今、小企業に必要なのは、守りではなく、攻めです。

「ユダヤ商法」マーヴィン・トケイヤー

「ユダヤ商法」マーヴィン・トケイヤー著 日本経営合理化協会出版局

「ユダヤ商法」マーヴィン・トケイヤー(教育の五つの秘訣)
教育の最大の目的は、新しいものを創り出す個性的な力をもった人材を育てることにある。このために、自立した人間を創らなければならない。これが人づくりである。
(中略)
ここでユダヤ人の教育の成功の秘訣を五つあげよう
①個人を重視する
②自分の得意分野で優越することを目的とする
③全人格を向上させる
④創造力を養う
⑤生涯を通じて学ぶ
先にあげた五つの秘訣は、ユダヤ人の長い歴史を通じて教育の目標とされて
きたものである。
(P.131)

改めて自立した人間という意味を考えてみましたが、容易に答えが出ません。自立していない証拠でしょうか。ユダヤ人の教育の秘訣五つには深い意味があります。本には、それぞれの項目についてわかりやすい解説があります。改めて読み直し、社員教育のあり方について考えてみることにしました。

「仕事はカネじゃない!」ケビン&ジャキー・フライバーグ(2)

「仕事はカネじゃない!」ケビン&ジャキー・フライバーグ(著)

「仕事はカネじゃない!」ケビン&ジャキー・フライバーグ(経営戦略を共有する)
 経営者としての自覚を育てるには、経営者と従業員の間に誠意と信頼がなければならない。経営者であれば重大な問題に直面した時、自信をもって対処することを問われる。そんな場合、経営者の立場を自覚する者は常識を働かせて適切な判断を下す。もちろん全社員が経営戦略を熟知していれば、適切な判断を下しやすくなるだろう。経営戦略を従業員に知らせるのは、まさに適切な判断を下してもらうためなのだ。(P.124)

日常の行動基準として、全社員は無理としても、幹部が経営戦略を理解していなければ、戦略実行の組織は実現しない。サウスウエスト航空のような大きな会社と違い、小規模企業はトップダウンで経営戦略を考え、それを実行するために、幹部や社員と合意形成を図る必要がある。トップダウンで決めた戦略をボトムアップに変えて実行する経営のやり方が、小規模企業の経営に適しているのではないだろうか。

「仕事はカネじゃない!」ケビン&ジャキー・フライバーグ

「仕事はカネじゃない!」ケビン&ジャキー・フライバーグ(著)

「仕事はカネじゃない!」ケビン&ジャキー・フライバーグ(本物のリーダーは才能を開放する)
経営者としての自覚とは、何事も恐れることなく率先して仕事に取り組む精神である。危ないことを避けたがる従業員は、責任や能力を問われる仕事に取り組もうとはしないだろう。自己保身しか考えられないからだ。ハリー・クオードラッチは従業員が計絵者の立場で考えざるを得ないようにして、仕事に対する責任感を育てた。その見事な実例を紹介しよう・・・(P.116)

この本は、「サウスウエスト航空と破天荒な仲間たち!」の第2シリーズとして書かれたものです。9/11の事件以来、アメリカの主要な航空会社のうち四半期ごとに利益を上げているのはサウスウエスト航空だけです。それを支えているのは、「ガッツのあるリーダー」と呼ぶ人物。「ガッツのあるリーダー」とは、慣習という聖域を打ち壊すことをためらわない情熱的な人物と説明されています。これから、新たな取り組みを始める我社にとってまさに必要なことなので、再読をはじめました。