今日の1ページ

「創業1400年」金剛利隆 著

ダイヤモンド社発行 2013年10月31日 第1刷発行

「創業1400年」金剛利隆 著(P156 原点に立ち返り、社寺建築以外の仕事を禁止)
 なぜ、経営悪化を招いてしまったのか。
 不得手なことに手を出してしまったこと。これが金剛組の経営を悪化させる大きな要因となったことはまぎれもない事実です。
 そこで、再建への一歩は、金剛組の原点を見直すことから始まりました。
 金剛組がどこにも負けない仕事とはなにか。四天王寺建立から始まる1400年の歴史のなかで積み上げた歴史と伝統を発揮するためにはどうすればよいのか。
 再出発をするに当たっては、金剛組の大原点である社寺建築に立ち返ることから始まったのです。

 宮大工なくして金剛組はない。社寺建築こそ金剛組の原点である。

 こうして、社寺建築以外の仕事を請け負わないという約束が設けられました。
 その約束は非常に厳格です。特需でマンション建設のお話をいただいても高松建設を紹介します。金剛組が工事を請け負うことはありません。
 「どうしても金剛組にお願いしたい」
 そんな要望をいただいたこともありますが、丁寧に辞退したこともあります。とにかく徹底して社寺建築に特化する体制をとりました。
 ただし、幼稚園や庫裏のように、神社仏閣に付属するものだけは請け負っています。それは、社寺の運営に欠かせない建物であり、金剛組の経験が活かされるものでもあるからです。

 世界最古の建設会社金剛組。本によると、第32代当主であった金剛輿八郎喜定が遺言書として、いつの時代に、誰に見られたとしても、恥ずかしくない仕事をするという戒律の根底にある考え方「職家心得の事」を残しています。
金剛組の現状については、ネット等に記載があります。2005年に訪れた経営危機の要因を著者の第39世四天王寺正大工職金剛利隆氏は、1400年の技を持つ宮大工たちに足りなかったのは、「売るための仕組みづくり」なのかもしれませんと述べています。

「スコアをつければ組織は動く」チャールズ・A・クーンラット リー・ベンソン 著

ダイレクト出版株式会社発行 2017年4月10日 第1刷第1版

「スコアをつければ組織は動く」チャールズ・A・クーンラット リー・ベンソン 著(P99 どうすれば、コーチとプレーヤーの良い関係を作れるか?)
 私たちの社会は、コーチングがきちんと行われている状態にはない。多くのマネージャーはコーチングの仕方を知らず、従業員はコーチングをどう頼めばいいかわからない。「聞いてはいけない、教えてはいけない」という空気が蔓延している。
 「クール」でないとみなされるからコーチングを頼んではならず、恩着せがましく見えるかもしれないから直接コーチングをしてはならないのだ。私たちはコーチングの結果を恐れ、熱心にコーチングをするとよくない前例を作ると恐れ、人に何を言われるだろうと恐れている。
 コーチングに背を向けるのではなく、積極的に取り組まなければならない。
 スコアキーピングを進めていくには、コーチとプレーヤーの関係が極めて重要である。コーチプレーヤーがいるからこそスコアキーピングが必要なのであり、良い関係を築くことで、スコアキーピングは機能する。
 私たちは毎日仕事に行き、だれもが“どうすれば勝てるか”を知りたいと思っている。だが、コーチとプレーヤーがフィードバックをしようとしない限り、その答えを知ることはないのである。
 ここで少し時間をとって、まず、自分のコーチが誰であるかを確認しよう。次に、自分が勝っていることがどうすればわかるかをリストアップする。自分が勝っていることを、コーチはどのようにして伝えてくれるかを、文にする。そして、自分のチームが勝っていることをメンバーに伝えるには、どうすればいいかを考えてみよう。

 上記は、“「コーチング」共通の認識を持つ”という項の1ページです。わかっているはずと考え、今更言わなくても…と思うことが良くあります。
その結果、認識のずれが大きくなりコーチとプレーヤーの関係が悪化する。今日の出来事で同様のことを感じました。原因は、時間に追われて動いている自分にありました。

「フレームワークの失敗学」 堀 公俊 著

PHPビジネス新書発行 2016年4月1日第1版第1刷発行

「フレームワークの失敗学」 堀 公俊 著(P168 6-5注目される新しいマネジメントのカタチ)
経験から教訓を引きだすには
 繰り返しになりますが、おかれた環境に応じて組織のあり方やマネジメントは変わります。環境は常に変化しますので、変えていかなければ、組織は持ちません。変わり続けることが、組織を存続させる唯一の方法です。P・センゲが「学習する組織」と名付けた考え方です。
 そのための手法が多く提案されています。そんな中、マネジメントのツールとしてお勧めしたいのが「振り返り」(リフレクション)です。チームに定着させると、組織を持続的に発展させるのに大いに効果があります。
 振り返りは反省会でもダメ出しでもありません。成功だろうが、失敗だろうが、実際に起こった出来事から教訓(レッスン)を書きだし、次に向けての改善アクションを立案していくものです。「自分たちの何を変えていけばよいのか?」を、対話を通じて探求していくものであり、仕事に活かせる新たな知識や考え方を探す活動に他なりません。
 例えば、大きな事件や出来事が起こった後で、それを教材にしてチームのあり方やマネジメントを振り返る。半期ごとに職場全員で半期の仕事を振り返って、次期に向けてのチームの変革を考える。毎週のプロジェクト進捗会議といった場で、仕事の進め方を振り返る、といった使い方です。
 必ずしも「やった後」だけではなく、「やっている最中」に振り分けることもできます。長い会議の途中で休憩を入れ、「ここまでの話し合いで感じたこと」を語り合うといったように。これを「リフレクション・イン・アクション」と呼びます。議論の水面下にある心理的な部分をオープンにするだけでも、以降の話し合いが大きく変わってきます。

 堀 公俊氏の本は8月15日にも掲載しています。「振り返り」を習慣にしたい!そのことがいつも頭から離れないので、本には、同じような内容のところに付箋がついています。定期的な打ち合わせで週の初めに、先週の行動を振り返り、今週の優先事項を確認することを徹底します。基本はティ―チング(自分が持っている知識、技術、経験などを相手に伝える)ではなく、コーチング(問いかけて聞く)です。このページを読んでそのことに気づきました。