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『これだけPDCA』すばる舎リンゲージ(4)

川原慎也著2012年7月25日発行

「香乱記」下巻 毎日新聞社 宮城谷昌光著多くの企業はP(Plan)の作り込みができていないため、PDCAサイクルが回っているとはとても言えないような状況にあります。
当初設定した数値目標に対して、早くもかい離が生じている企業、従業員のモチベーションが低下して組織全体の実行力が弱くなってしまっている企業、やたらと会議の数は多いけれども「うちは意味のない会議ばかり」と従業員から揶揄されている企業、部門ごとの様々なKPI(重要業績評価指標=計画が順調であるかを判断する一つの指標)は設定されているけれども、それぞれのKPIがどんな結果につながるのかが明確になっていない企業・・・といったよくない状況が顕在化しています。
このような状況に陥っている企業では、すでに評価というステップがなおざりにされてしまっているといえるでしょう。

 
圧倒的に業績を改善できた企業に共通して言えることは
①KPI(業績評価指)を徹底して追求している
②会議が効率的に行われている(PDCAサイクルの徹底)
上記の二つの点です。思い込みの計画作成はやめる→計画実行を最優先に考えて行動する→うまくいかなかったときはKPIを徹底して追求する、というのがPDCAサイクルのPDCまでのコツと理解しましょう。

『これだけPDCA』すばる舎リンゲージ(3)

川原慎也著2012年7月25日発行

「香乱記」下巻 毎日新聞社 宮城谷昌光著P124「実行を妨げる三つの特性」
① 学生症候群
→ぎりぎりになるまで手をつけない、後回しのクセ
② 必要以上の時間設定
→余裕を持ったスケジュールを見積もり、目いっぱい時間をかけるクセ
③ 掛け持ち
複数の業務を毎日少しずつ進める、まわりの目を気にして「とりあえず」手をつけるクセ

 
優先順位を考えずに行動していると、上記の「実行を妨げる三つの特性」にみられるように、私達には「なぜかそうしてしまう」行動特性があるようです。普段の仕事の棚卸しをして
 A:緊急かつ重要な業務
 B:緊急度は低いが重要な業務
 C:重要度は低いが緊急度の高い業務
 D:緊急度も重要度も低い業務
上記の「B」に集中する習慣をつけましょう。

『これだけPDCA』すばる舎リンゲージ(2)

川原慎也著2012年7月25日発行

「香乱記」下巻 毎日新聞社 宮城谷昌光著ビジネスに必要な視点として、「鷹の目」と「蟻の目」がある。「鷹の目」というのは計絵者的な視点で、物事を見る目であり、「蟻の目」というのは、現場の視点でものを見る目、ということです。だからといって、「鷹の真」が良くて「蟻の目」が悪いということではありません。大切なのは両方の目を持ちながら、いかにしてバランスを取っていくかということです。「経営者目線と現場目線のバランス」(P44)

 
リーダーは現場に出ることが必要!とよく言われます。組織において何が問題なのか?それを発見する意味においても二つの視点が必要です。

『これだけPDCA』すばる舎リンゲージ

川原慎也著2012年7月25日発行

「香乱記」下巻 毎日新聞社 宮城谷昌光著計画でつまずく大きな要因として、リーダー自身が「計画は作らされるもの」「会社にやらされている」と“思い込んで”いることが挙げられます。どこか他人事のまま進めているため、自発的なアクションを起こしません。(P62)

 
「やらされている」という“思い込み”を抱えたままでは、前向きに実行、評価、改善を進めることができません。よって、PDCAが回らない問題の本質は、そもそも計画をリーダー自身の手で作り込めていないことに尽きるのです。PDCAサイクルをまわす事。それが、勝ち組に回るために必要な最大のポイントです。計画段階で勝負は90%決まるとも言われます。根拠のある計画をつくりましょう。

「香乱記」下巻 毎日新聞社 宮城谷昌光著

「香乱記」下巻 毎日新聞社 宮城谷昌光著「人は努力をやめれば、いくら若くても、それからは老後である」(P34)

 

「香乱記」は、項羽と劉邦の時代に、信義を守る天下の王となるべき人として「斉の田横」をテーマに書いた歴史小説です。私は、この言葉をみて「努力を続けていれば、老いは始まらない」と勝手に解釈し、がんばることにしています。

「孟嘗君」講談社 宮城谷昌光著

「孟嘗君」講談社 宮城谷昌光著「そうよ・・・。人を助ければ、自分が助かる。それだけのことだ。わしは文どのを助けたおかげで、こういう生き方ができた。礼を言わねばならぬ」(P270)

 

紀元前200年前後の春秋時代、中国最大の商人と言われた「白圭」が孟嘗君に残した言葉です。尊敬する人から、「助けるものは、助けられるものによって幸せになれる」という意味に解釈して教えてもらいました。“自利利他”にもつながる経営理念の原点として、未来永劫に語りつがれていくべき言葉として、大事にしています。

「管仲(かんちゅう)」角川書店 宮城谷昌光 著

管仲(かんちゅう)」角川書店 宮城谷昌光 著 国にかぎらず組織というものは、最も高いところから、最も低いところは、見えないようになっている。ところが不思議なことに、もっとも低いところから、もっとも高いところは、見えないわけではない。組織を本当に改善しようとする者は、もっとも低いところにおりればよい。あっという間に改善の骨子は出来上がるであろう。(P232)

 

春秋時代前期(中国)に、思想家、為政者として卓越した能力を発揮し、理想の宰相と称された「管仲(かんちゅう)」の言葉です。

戦略実行ギャップを埋める

2007年度 バランスト・スコアカード・アジア太平洋サミット「戦略実行の革新」

2007年度 バランスト・スコアカード・アジア太平洋サミット「戦略実行の革新」最近の調査によれば、戦略実行が、今日、企業のトップの最大の関心事となっています。実際、戦略実行を正式に導入している企業は、未導入の企業に比べ、大変良好な業績を達成しています。それでは、戦略実行の中核的能力は、どのように開発、維持すれば良いのでしょうか。Kaplan博士は、そのための必要なプロセスやリソースを通して、戦略を実行に結びつける統合モデルをご紹介します。

キャプラン教授が2005年12月に「戦略マップ」という本を書いた後の論文です。バランス・スコアカードは主に「部門の業績改善」として使われてきたのです。それにもかかわらず、私は最初から「戦略実行のツール」と考え学んできました。そこに認識のずれがあったのです。バランス・スコアカードに関する本に、「バランス・スコアカードは部分最適から全体最適を目指す」という表現が使われています。部分とは部門であり、全体とは全社を意味していたのです。

上記は、キャプラン教授が「アジア太平洋サミット」で発表した内容をHBRのレポート表現している文書です。

→戦略実行の中核能力は、どのように開発、維持すればよいのでしょか?
→そのために必要なプロセスやリソースを通じて、戦略を実行に結びつける統合モデルを紹介します。

という部分に注目しました。
サミットに参加したときのメモを見ると、キャプラン教授は、「社長(CEO)が関心を持って推進リーダーになることが必要」と述べ、

・そこで働いている従業員にが、当該部門の戦略マップを説明できるかと質問し
→理解度を確かめる
・そして、「今やっている作業はこの戦略マップのどの戦略目標か?」
→戦略実行がプロセスやリソースとなっているかを確認

太書きの部分は、メモを確認した上で書きました。サミット参加の時は、理解できなかったのですが、改めて読み直してみると統合モデルの考え方を示しています。

これまでBSCに取り組んできて、戦略実行で最も大事な「肝」は合意形成(意見の一致)
自主性(何をすべきか、やるべきことは決まっていて、それを実行に移そうという判断を自分でする態度)
上記の2点です。
私の経験では「統合モデル」にできません。「統合モデル」があったとしても、それを検証した上でPDCAサイクルが回っていなければ戦略実行は実現できないと思います。PDCAサイクルと戦略のストレッチが経営力強化の「鍵」と改めて感じました。

「戦略マップ」ロバート・S・キャプラン/デビット・P・ノートン(4)

(監訳:桜井通晴、伊藤和憲、長谷川恵一)2005年12月14日発行

418RYK5G3CL._SL500_AA300_戦略に関する文献は、非常に多岐にわたる。戦略に関するフレームワークは学者及び実務家ごとにかなり異なり、戦略の定義についてすら同意が得られていない。戦略マップおよびBSCは戦略へどのようなアプローチに関しても作成できるが、われわれのアプローチは戦略論の分野における創始者の1人であり著名なリーダーの1人であるマイケル・ポーターによって示された普遍的なフレームワークに基づいている。

戦略(P67)

私は、ベストな結果(財務の視点)を出すために、どのようなプロセス(顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点)を踏むべきか!その答えをバランス・スコアカードに求めています。
楠木建の著書「ストーリーとしての競争戦略」に“キラーパス”という言葉が出てきます。キラーパスをKotobankuで調べると、「サッカーで、スルーパスの一種で、グラウンダー(地面を転がるボール)の直線的なパス。強く早いボールパスで決定的なシーンを演出し、敵陣を切り裂くことからこういわれる」と説明がありました。

私がバランス・スコアカードに求めるのは、「ベストな結果を出すためにどのようなプロセスを踏むべきか、それを戦略としてどのように展開すればよいか」ということです。
私にとって“戦略テーマ”は、キラーパスであり、そのストーリー(目的と手段→因果関係)を描くのが戦略マップという考えです。アイデア→戦略→ストーリーという流れが「肝」なのですが、キャプランの「戦略マップ」は、戦略の本質はポーターのフレームワークで考えよう、と言っているように思えます。

「戦略マップ」ロバート・S・キャプラン/デビット・P・ノートン(3)

(監訳:桜井通晴、伊藤和憲、長谷川恵一)2005年12月14日発行

418RYK5G3CL._SL500_AA300_図表2-10は低コスト航空会社も「迅速な地上での折り返し」という戦略テーマに関するアクション・プランとビジネスケースを示している。この戦略テーマは、トータル・コスト低減という顧客への価値提案にとっての核心である。この戦略テーマは、顧客の満足度を増加させ、将来の収益増大につながる定刻の出発と到着に寄与しうるであろう。この戦略テーマはまた、競合する航空会社よりも少ない機体と搭乗員で営業することでこの航空会社の原価低減を可能にし、資本コストを上回る利益とROIをえながらも低価格に敏感な顧客をひきつける安い料金を提供するようにした。
~中略~
このように、図表2-10は、迅速な地上での折り返しという戦略テーマが、無形の資産および戦略実施項目の完全な*ケイパビリティをどのように戦略に方向づけているかを示している。

*ケイパビリティとは、企業が全体として持つ組織的な能力。あるいはそのきぎょうが得意とする組織的な能力。例としては、スピード、効率性、高品質等が挙げられる。(kotobank参照)

「尺度、目標値。および実施項目が戦略を行動に変える」(P85)

 

“ある航空会社”とはサウスウエスト航空のことであり、図表2-10とはサウスウエスト航空の戦略を
①戦略マップに描き戦略目標を示し
②上記①の戦略目標にBSCという区分で、尺度と目標値を記載し
③上記②のBSCをアクション・プランという区分で、実施項目と予算を具体的にしている
この図表を見る限り、戦略テーマは全社の方針であり、その施策を表現している「バランスト・スコアカード」は、4つの視点にセグメントした上で、戦略マップ、BSC、アクション・プランと整理されています。つまり、“戦略テーマ”は、戦略マップの上位概念となっていると考えられます。

サウスウエスト航空を「ある航空会社」と表現しているのはなぜか?
戦略テーマが戦略マップの上位概念になったり、下位概念になったりしているのはなぜか?
経営の仕組みを理解したうえで考えると、どっちでもいいことなのですが、BSCで経営を理解しようと取り組んだ私は、「もう少しわかりやすく書いて欲しい」と叫びたくなりました。

経営計画を策定する手法として、
①現状をベースにあるべき姿を考える
②あるべき姿を考え、現状とのGAPを埋める
という二つのアプローチがあります。図表2-10は①の手法でとらえ、サウスウエスト航空の戦略を「バランスト・スコアカード」として表現しているのではないでしょうか?