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「みんながしらない超優良企業」 田宮寛之(3)

講談社+α新書(2016年7月発行)

「みんながしらない超優良企業」 田宮寛之(5)鉱物資源は都市にあり
現代の宝の山都市鉱山
 世界人口が増加すれば、水や食料だけでなく、鉱物資源も足りなくなる。鉱物資源を短期間に、大量に掘り出すのは困難だ。また、行き過ぎた資源調達は資源の枯渇をもたらす。そこで注目されれるのが「都市鉱山」だ。
 日本といえば、資源に乏しく輸入に依存しているイメージがある。「実は日本は資源大国なのだ」と言ったら驚く人が多いはず。日本の山を掘っても大した資源は出てこないが、「都市鉱山」には豊富な資源が眠っている。
 では、都市鉱山とは何だろう。
 家電製品やIT製品の中には貴金属やレアメタル(希少金属)が含まれている。都市では、使用済みの家電製品やIT製品がゴミとして廃棄されているが、このゴミの山は単なるごみの山ではない。貴金属やレアメタルうを含んだ価値のあるゴミの山なのだ。そこでこれを都市鉱山と呼ぶ。
 国立研究開発法人である物資・材料研究機構の調査によると、日本の都市鉱山にある金の量は、役6800tと世界の埋蔵量4万2000tの16%に達する。これは世界最大の金産地である南アフリカの埋蔵量を上回る。
 都市鉱山には普通の九山にはない3つノメリットがある。
 第1に、探査の必要がない。
 第2に、埋蔵量を予測するのが簡単。
 第3に、都市鉱山では効率的に貴金属やレアメタルを取り出すことが可能だ。
 同様に銀は6万tで22%、液晶に使用されるインジュウムは16%、男子部品に使用される錫やタンタルはそれぞれ11%、10%となっている。
先述したように世界人口はどんどん増加していく。まず心配になるのは食料不足だ。日本のように豊かな国に住んいると食料がなくなって飢えることなど考えもしないが、世界的にみると「食料危機」は現実的な大問題だ。食料危機の懸念があるならば、食料をどんどん作るしかない。そこで、必要になるのは農業機械、化学肥料、農薬、種、そして家畜に与える資料だ。
 これから生産するきぎょうは地味なイメージがあって、学生にも人気があるとは言えない。しかし、これからこうした企業群は間違いなく成長していくだろう。
(P41)

http://news.livedoor.com/article/detail/6884550/
上記のアドレスは、池上彰氏のそうだったのか「10年後ニッポン」というブログです。ここには、実は資源大国のニッポンと書いてあり、
□海に目をむければ、日本は資源大国だ「オーシャンメタル」ある
□金、銀、鉛、インジウムは国別埋蔵量の順位で、日本が第1位に相当
□日本近海、次々に見つかる新資源、天然ガス消費量100年分のメタンハイドレード
□閉山、夕張炭鉱に天然ガス田が存在!炭層メタンに世界が注目
□石油資源開発が新潟県で天然ガス産出テスト成功

等、資源大国日本を裏付ける情報がいっぱい載っています。最近、ロシアのサハリン州から日本へ天然ガスを供給するパイプラインのことが報道されました。
「都市鉱山」や池上彰氏のブログをみて、国の資源政策で私達の生活はどのように変わっていくのか関心を持つ必要があると感じました。
 小規模事業者は、外部環境の変化に積極的にかかわっていくことは困難ですが、これからどんな取り組みをしていくのか(事業領域を考える)ために、“資源”についても興味を持って取り組む必要があることがわかりました。

「みんながしらない超優良企業」 田宮寛之(2)

講談社+α新書(2016年7月発行)

「みんながしらない超優良企業」 田宮寛之(4)世界を食料危機から救う「食料ビジネス」
 先述したように世界人口はどんどん増加していく。まず心配になるのは食料不足だ。日本のように豊かな国に住んいると食料がなくなって飢えることなど考えもしないが、世界的にみると「食料危機」は現実的な大問題だ。食料危機の懸念があるならば、食料をどんどん作るしかない。そこで、必要になるのは農業機械、化学肥料、農薬、種、そして家畜に与える資料だ。
 これから生産するきぎょうは地味なイメージがあって、学生にも人気があるとは言えない。しかし、これからこうした企業群は間違いなく成長していくだろう。(P31)

 さらに本では、グローバルに展開している農業機械メーカーや農薬メーカー、化学肥料、種苗、飼料企業、が紹介され、さらに農業物輸出増加を成長戦略に考えるべきであると書いている。
 先日、有機栽培の肥料を作っている会社の社長が将軍の日(中期経営計画作成)にきてくれました。この会社は、1年ほど前に社長が病気で亡くなり30代で後継者が社長に就任しています。その社長にもこの本を進め、これからの事業領域を考える上で参考になったと言っていただきました。
 海外に、食料関係の輸出を始めましょう・・・ということではなく、本に紹介されている住友化学、日本農薬、日産化学工業、アース製薬、大日本除虫菊・・・のような会社と取引している先、そこと関連のある取引をしている会社がわが社の取引先にないか考えてみましょう。私は、近江商人の三方よし(売り手よし、書いてよし、世間よし)が経営理念になって、それを実行している会社が「いい会社」だと考えます。経営理念が貫かれ、伸びる市場に浸透している会社、そこに関連する取引先がわが社にあれば、そことの取引を見直すきっかけができます。ニッチなところで商売をしているのが中小企業です。伸びる市場、伸びている会社との取引を考えることで、自社がカバーすべき事業の領域(事業領域)を再定義することができるのではないでしょうか。

「みんながしらない超優良企業」 田宮寛之(1)

講談社+α新書(2016年7月発行)

「みんながしらない超優良企業」 田宮寛之(1)国内は人口言でも世界は人口増
人口の推移はもちろんのこと、世界経済全体に大きな影響を与える。日本国内は2010年の1億2806万人をピークに減少に転じ、少子高齢化が深刻な問題となりつつある。一方、世界全体では人口が急増している。国連の統計によれば、2012年に70億人だった人口は、2025年に80億人になる。単純に集計すると、毎年一年間で7700万人増加することになる。ドイツの人口が8100万人で恵フランスの人口が6600万人、7700万人というのはヨーロッパの大国一つ分に当たるのだ。そして、2050年には97億人となる見込み。
これだけ人口が増加すれば、様々な問題が生じる。その問題を解決そるところに、または問題を未然にフセグところにビジネスチャンスがある。それでは、人口急増に対応するビジネスを紹介しよう。
(第一章 世界の人口爆発にかつ企業 P16)

 この本は、企業の経営者に対し「勇気」を与えてくれます。
・少子高齢化が進むことにより、市場はシュリンク(ビジネスが縮小)する
・環境変化への対応に大きな課題があり、事業継続や雇用の維持は困難
私もそうですが、多くの経営者はそのように考えています。
 入ってくる情報は、「内閣府は2016年5月、2016年版の高齢化社白書を発表しています。それによると2060年時点では全人口の39.9%が65歳以上となり、2015年時点の26.7%から比率の上で5割増しに増える形になる。より高齢な75歳以上(後期高齢者)に限れば12.9%から26.9%と、2倍以上になる。」という統計結果で、私はそれを受けて、外部環境の変化を考えなければならないという固定観念にとらわれていました。この本を読み認識が大きく変わりました。
 著者は前書きに、「本書はビジネスマンが取引先や提携先を探すときに役立つ。転職を考えているビジネスマンにも読んでいただきたい。有名でなく手も、転職先としてすぐれた企業が見つかるはずだ。」と書いています。私は、これを企業経営者の視点で考え、これから自社の事業領域を考えなおすため(事業領域の再定義)、どんな企業に着目し、どんな取引先とアライアンスを組めばいいのかを考えるヒントがあることに気づきました。何回かに分けて、この本に書いてあることをもとに、考えてみることにします。

「捨てられる銀行」 橋本 卓典著 ②

講談社現代新書(2016年5月刊)

「捨てられる銀行」 橋本 卓典著  村岡は07から08ごろ、森に繰り返し、厳しい提言を続けていた
「日本の銀行マンはどんどんバカになっていますよ。バブル崩壊後、債券回収に忙しくなり、財務情報に基づく評点だけで融資を決めるようになってしまいました。それを助長したのは金融庁検査です。不良債権処理の危機対応字から本質的には何も見直さず、金融検査マニュアルに基づいて検査をしてきました。銀行は検査マニュアルにもとづいて、融資を判断しているに過ぎないんですよ」
 村岡は進むべき方向性を示した。
「金融と事業はいわば車の両輪です。両輪を回すことで自律的に経済、産業は好循環になります。産業あってこその金融です。再編はその一つの手段にすぎません」
 村岡の考え方はこうだ。バランスシート、つまり資産、担保で融資を判断しているが、それは過去の財務諸表の話に過ぎない。多くの地域金融機関で重視されていない、今後の取引先企業の成長可能性を分析すること、それこそが事業性評価だと定義した。
(第1章 金融庁の大転換 P.44 事業性評価)

 上記に、事業性評価の定義が記されている。P51には、事業性評価の浸透度は顧客本位の営業すなわちリレバンをどこまで徹底できたかによって効果を発揮する・・と記載されている。事業性評価を金融機関が加味して判断する、というのは、中小企業の経営者にとって、一歩前進しているかのように感じますが、果たしてそうでしょうか。
 本には、事業性評価の基準として3つのKPI(重要業績評価指標)を掲げています
①金融機関が主力とする企業の経営改善や成長力の強化
②持続可能性に懸念がある企業の抜本的事業再生や早期転換廃業等円滑な新陳代謝の促進
③担保・保証依存の融資姿勢からの転換
そして、その判断の基準(ベンチマーク)として45の大工道具を用意しているとあります。
 先日、ある会計ソフトの会社から次のような説明がありました。「顧問先の了解があれば、会計事務所から金融機関に財務情報を開示してもらい、金融機関はそれをもとに事業性評価をするサービスを始めました・・・」

これでいいのでしょうか。金融庁が事業性評価を金融機関に求めるようになったのは、イノベーションと考えられますが、何度も読み返してみると、金融機関が生き残るための選択肢を変えただけではないでしょうか。それに会計ソフト会社が同調し、関与先の了解を前提に、金融機関へ情報提供する仕組みへと移行する動きが始まっています。

私は、顧問先の了解があっても、金融機関への情報提供には消極的に対応します。 
現状の財務に課題はあっても。事業の継続と雇用の維持を考え、
独自の戦略に基づく経営計画を作成し、能動的にリスクに挑む企業
ビジョンを実現するための経営計画策定と実行を支援します。

「捨てられる銀行」 橋本 卓典著 ① 

講談社現代新書(2016年5月刊)

「捨てられる銀行」 橋本 卓典著  2001年、この時期に自動車関連対策室が立ち上げられた。地元広島で同じくバブル崩壊が進み、1996年に米フォードの傘下に入ったマツダに部品供給する地元サプライヤーをどう支えるのか、マツダの車作りに必要不可欠なサプライヤーをどう支えるのか、マツダのクリマづくりに必要不可欠なサプライヤーでなければ、フォードによって切られるかもしれない事態に対処しなければならなかった。事業内容や技術力を評価し、支援の判断ができないか。不良債権処理の暴風の真っただ中、対策室は時代の流れに逆らうかのような試練に立ち向かっていた。
 リストラ案の策定という形でしか企画の手腕を発揮できず忸怩たる思いの日下にとって対策室の動きは、強く印象に残った。日下は後に、取引先を財務諸表のみで評価するのではなく、数字に表れない技術や顧客基盤、組織力等で見極める「定性分析」のモデルを開発することになる。その原点はここにあった。
(第2章 改革に燃える3人 P84「バブル崩壊とマツダ」 P89「しまなみサービス設立」)

この本は、ベストセラーになっています。「事業性評価」について金融庁が理解を示した経緯が詳細にかかれています。P47「マツダ復活のカゲに広島銀行の事業性評価」という項がそれではないでしょうか。「不良債権処理に追い立てられていた当時の広島銀行は、財務面でこれらのサプライヤーを評価し、融資の審査を実行していた。しかし、それでは、取引を打ち切らなければならないサプライヤーが生じてしまう事態が発生したのだ。広島銀行としては財務内容を見極めて「正しい」判断をしているつもりが、広島の基幹産業であるマツダを苦しめることになるという本末転倒の自己矛盾に陥てしまっていた」。
金融庁が、地域再生のため大改革を目指している経緯や、すでに取り組んでいる事例として、稚内信用金庫・北国銀行・きらやか銀行・北都銀行がビジネスモデルとして取り上げられていますが、私がこの本で注目したのは、森長官が、広島銀行から金融庁の地域金融企画室長に抜擢された、日下智晴氏(54)です。
日下氏の経歴等は、P82に記載がありますが。地元活性化を志し広島銀行に入り、地域のために取り組んできたことが、金融庁の大改革につながっている。という事実です。イノベーションは「個人的頑張り」から「組織活動へ」という事例ではないでしょうか。

『日本M&Aセンター創業者分林保弘の「仕組み経営で勝つ」』 村田博文 著

財界研究所(2015年11月 発行)

『日本M&Aセンター創業者分林保弘の「仕組み経営で勝つ」』 村田博文 著外部との接点を「組織化」する
日本M&Aセンターは現在、全国の600人の税理士・公認会計士などの会計事務所を理事会員とする「日本M&A協会」という組織を運営している。日本M&A協会はもともと、設立するときに全国の整理し・公認会計士からの出資によってできた会社だ。
組織づくり、そしてその仕組みづくり・・・これが分林のベースになっている。たとえば、企業が特売会やセミナーを開催したとしても、1回限りでは、せっかくそこに集まってくれたお客さんとはもう二度と会うことができない。会社の存続にとって必要なものは「継続性」である。
お客さんとなる人たち、あるいはお客さんを呼んできてくれる人たちとの関係をいかに継続させるか。そのためには、その人たちと「組織」をつくることが重要である。組織することで、その仕事に初めて継続性が生まれる。
これは、日本オリベッティ時代に、コンピューター・システムの営業をしていた時に体得した知恵であり、法則である。(P.160)

日本M&Aセンターは、会社設立から15年後の2006年10月に東証マザーズに上場、そして07年12月には東証1部にスピード上場を果たしています。私も、日本M&A協会の会員になっている関係から、分林会長とは、何度かお話をさせていただきました。今回の書籍は、分林会長の原点になっていることが良くわかり、ますますファンになりました。P4に経営者として最も大事なことが書いてあります。
①企業を上手につくりあげ、事業を構想する力
②そのつくりあげた事業を実行していく力、投資などを展開していくうえでの資金の使い方に関しての適格な判断力。この実行力と判断力は、経営者にとって最も大事な要素である。
③最後に、経営者はいかによいパートナーと仕事をしていくかが重要な要素。世界で成功している会社も同じで、ハーバードビジネススクールでもこのことを最も大事なことと教えている。
構想力、判断力、実行力そして良いパートナーと組む、これが経営者としての成功の条件と教えてもらいました。