今日の1ページ

『世界の一流36人「仕事の基本」』戸塚将隆著

講談社2017年2月発行

『世界の一流36人「仕事の基本」』戸塚将隆著「継続的に振り返り、自分がやり遂げたことと、これから改善すべきことを考え続けることが、唯一かつ最も大事なことだ」
 自分の日頃の活動を定期的に振り返り、達成事項を確認しつつ、改善点を洗いだすことの大切さを語っています。英語原文にあるfeedbackとは、他人にコメントをもらうことではなく、自分自身で振り返ることを意味しているのです。
2002年に創業したスペースX社は、わずか6年間という短い時間で、ロケットの打ち上げに成功します。しかし同社の6年間は、順風満帆とはほど遠い状態でした。
 予定されていた打ち上げ日を何度も延期せざるを得ず、ようやく実現した第1回の打ち上げは、もろくも失敗。その後も打ち上げるたびに失敗が続きます。宇宙開発はやはり民間企業ではできないという見方が大勢でした。しかし、マスク氏は、打ち上げ失敗のたびにポジティブなメッセージを発信し続けました。
 また、テスラ・モーターズの第1号EV車では、数多くの予約販売を受け付けたにもかかわらず発売予定日に納品をできませんでした。予定日から1年ほど遅れて、かろうじて二十数台の納品を実現しただけです。マスク氏は予約販売分の売上金額を購入者一人一人に個人保証する羽目に陥ります。しかし、このときもマスク氏の口からはポジティブな言葉が発せられました。
 当時の状況からすれば、マスク氏は非現実的な夢を声高に叫ぶホラ吹きと捉えられてもおかしくなかったでしょう。実際、この時期、スペースXもテスラも失敗するだろうという報道が多くなされています。
 ネガティブ思考に陥ってもおかしくなかった状況でも、マスク氏が常にポジティブなメッセージを周囲に発し続けることができたのは、振り返りの習慣を自らに課し、数々の失敗のなかに小さな成功を見いだし、自分を奮い立たせ、改善へのモチベーションを意識的に創りだしていたからではないでしょうか。
(P.76 とても重要なのは振り返りの習慣を持つことです
イ-ロン・マスク(テスラ・モーターズCEO)
P78失敗のなかに小さな成功を見いだす)

 この本は、タイトルと帯に書かれている「イチから学ぶ圧倒的成果の上げ方」をみて、中を読まず買ってしまいました。
 マスク氏は、ウィキペデアによるとオンラインコンテンツ出版ソフトを提供する会社を作り、コンパック社に買収され、3億7千万USドルの現金とストックオプションで3400万ドル(1ドル110円とすると約444億円)を手に入れ、その後次々と事業展開をしています。そのマスク氏の仕事の基本を著者が「継続的に振り返り、自分がやり遂げたことと、これから改善すべきことを考え続けることが、唯一かつ最も大事なことだ」と書いていることに興味を持ちました。(イーロン・マスク氏についての詳細はウィキペデアを参照してください)

『宮大工棟梁西岡常一「口伝」の重み』日経ビジネス文庫

日経ビジネス文庫 2005年4月刊行

『宮大工棟梁西岡常一「口伝」の重み』日経ビジネス文庫 お、この建物は面白い―というのがあると、祖父はすぐそれをスケッチしていた。矢立と帳面をいつも持っていて、サラサラと描く。ある時、堂の絵模様を描いた。それを見て「絵様そのものを描くのでなく、余白が絵様になるように描け」と言われた。全体のバランスを考えよ。ということだったのだろう。しかし、それ以上のことはいわない。祖父の帳面は十冊ぐらいあった。しかし、私にも父にも絶対見せなかった。
 - 体で覚える。優れた仕事を見て、それを盗む。
これが基本だった。
 - 口より先に手。
というのが職人の世界で、理屈であれこれいうのはうまくない。それぞれが、自分で体に仕事をしみこませるしかない。何かを伝えていくのも、そうしたやり方になる。それだけに、
 - 教わる方も、教える方も必死。
ということになる。
 一方で、祖父は褒め方も上手だった。うまく褒めるのも棟梁の腕である。私には言わず。私の母に褒める。本人には決して言わなかった。(第1章 千年先を見通す「口伝」の重み P.30)

 この本は、先日、青森県主催のITビジネスマッチング交流会で名刺交換し、早速訪問した「材 株式会社」の浄法寺社長に教えていただきました。口伝」についてはWikipediaで次のように解説しています。
「祖父常吉は晩年、一人前となった父楢光と常一に西岡家に伝わる口伝を教えた。これは一度しか口移しで教えることができない日中の教えで、一つずつその意味となる要点を教え、十日後に質問して一語一句違わず意味を理解するまで進まなかった。」

 先週「短期間でどんな人材も即戦力にする方法」というセミナーをうけてきました。チェックリストを使い、仕事を平準化することで「知っている」を「できている」にするのが秘訣。そのために「アニー」というツールを使いましょうという内容でした。「口伝」と「仕事の平準化」は矛盾しているようですが、繰り返しやって覚える、やるべきことをチェックリストにして、絶えず更新することにより、安心して仕事ができる環境を作るという本質はつながっているように思えました。先週書いた、孔子の「聞けば忘れる、見れば覚える、行えば理解する」も同様です。業務の効率化と人材育成について大きな気づきを得ました。忘れないうちに「行い」ます。

「これだけ5S」川原真也+響城れい著

すばるリンゲージ刊(2013年8月発行)

「これだけ5S」川原真也+響城れい著ビジネスにおいては、「何をやるか」という(外から見える)戦略が重要であることはいうまでもありませんが、「どんな組織でやるか」という(外からは見えない)環境づくりも同じぐらい重要であり、この両輪がそろわなければ、もはや戦えない時代に入ってきています。
そうです。企業間の競争が激しくなり、生き残りをかけて日々厳しい状況の中で戦わなければならない現在は、組織のパフォーマンス(周囲の人と智慧を出し合い、力を合わせることで発揮される行動の質)を求めることも日y津用不可欠な要件なのです。
そこで役立つのが5Sです
5Sがなぜ効果的なのか、少しだけ先取りしてお話しすると、それは、今仕事で求められているスキルが、5Sを通じて培われるから、とい1点に尽きます。
具体的には、風通しのいいコミュニケーション環境、組織の判断基準の共有、基本レベルの向上・・・等組織に欠かせないことばかりです。
ただ、いざ実践するとなると、そこまで成功するイメージが描けないからか、なかなか効果が出るところまで続かないところがほとんどだと思います。
これまでにも「5Sブーム」のようなものが何度かあったものの、多くの会社でまだ5Sが根付いていないという現実がその証拠だと言えるでしょう。

今更ですが、5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」のこと。年末はやり残した仕事、年始は原稿の締め切りが間に合わず正月明けまで伸ばしてもらいやっと終了。そして目についたのがこの本です。社内は、業務改善委員会のメンバー中心に11月後半から計画的に掃除をはじめ、年末にはきれいに掃除が終わりましたが、私の部屋だけきれいにできず、残ってしまいました・・・反省。
 この本の著者川原真也氏は同じシリーズで「これだけPDCA」という本も書いています。私は、PDCAについてこの本で学びました。そしてPDCAを回すには絶対これ!という「これだけKPT」(天野 勝著)を読み、PDCAを回す仕組みづくりを考え、実行してきました。それでも動かないことがいっぱいあります。それで、PDCAを回すために必要なKPT実行(行動を振り返り、良かったこと、問題になっていることを書き出し次に試したいことを決め取り組み、それを習慣にする)の習慣をつけようと取り組んでいます。
 今、なやんでいることは、「なぜやらないか!」です。どんなに仕組みを作ってもモチベーションをあげることができなければ組織は動きだしません。この本を読んで、その「鍵」は5Sに踏み出すことと気づきました。まず、自分の部屋の整理整頓からはじめます。そして、今年は5Sを徹底し、PDCAを回すためにKPTの習慣をつけることにします。継続するという固い決意のもとに・・・気張らず無理なく取り組みます(汗

「KPIで必ず成果を出す目標達成の技術」大工舎 宏、井田智絵(株式会社アットアットストリーム)著

日本マネジメントセンター刊(2016年1月第2刷)

「KPIで必ず成果を出す目標達成の技術」大工舎 宏、井田智絵(株式会社アットアットストリーム)著最後に、振り返り活動を怠るという点が挙げられます。KPIの設定は、PDCAにおける「P(Plan)」ですから、その後の「DCA」の活動が必要です。「DCA」のうち、アクションアイテムの実行管理は、日常おマネジメント活動として行われます。
日常業務では、当初想定したことができない。思ったような成果・効果が出ない、さらに、見込みが外れてその見直しが必要だというケースもあります。それら一連の活動状況と結果を一定期間ごとに振り返り振り返り、必要な見直しをしなければなりませんが、その活動を怠っているケースは多いものです。
振り返りをしないと、成果KPIの水準の妥当性、重要成功要因やプロセスKPIの妥当性などを見直す機会が持てません。これでは次年度も、そのまま現在の成果KPI・プロセスLPIそのものが実情とかい離したものになり、形骸化への道を進み始めることになります。振り返り活動こそが、KPIマネジメントを形骸化させないための最大の重要成功要因です。(P179 1・4 振り返り活動を行わない)

今年最後の「今日の1ページ」です。振り返って考えると、今年1年、KPIを追いかけてきたような気がします。
□戦略目標は間違っていない、成果KPIが達成できない
→それは、プロセスKPIの設定が違うから(見直す必要がある)
会議で上記に気づくような、振り返りをし、プロセスKPIの見直しをしている会社は何割あるでしょうか?私は、関与先の経営会議に同席し、その重要性に初めて気づきました。目標と実績の確認だけでは、その原因を究明できません。
本では、KPIマネジメントが形骸化するのは次の4つと述べています
① 結果だけを見てしまう
② リーダー・管理者が活用しない
③ アクションレベルへの落とし込みが不十分
④ 振り返り活動を行わない
納得です。そして、上記の4つをカバーするのがKPTと確信しました。
 Keep:よかったこと続けること
 Problem:困ったこと問題点
 Try:今後の活動で試したいこと
来年はKPIを回すため、KPTの達人を目指します(汗

「会社を元気にする目標管理の成功手順」串田武則著

中継出版2004年4月初版発行

会社を元気にする目標管理の成功手順 (すぐに使える中経実務Books)達成基準を狭く考えすぎてはいけないピンポイント的発想は不毛の議論になる(P.179)
目標に売上高「1億円」のように達成基準があったとします。厳密に言えば1億円を1円でも下回れば未達成となります。ピンポイント的発想をすればそうなります。「それは極端だ」というならば500万円未達、1000万円未達ならどうでしょうか。達成率では97.5%と95%です。なぜこんな不毛な議論が起きるのでしょう。
達成基準は1年前の環境条件を前提にしているので、その後、状況が変わることもあり、また相手のあることです。精密さを求めると肝心の目標がたてられませんし、評価は数字合わせになってしまいます。
目標管理の本質は方向と室料を定めて組織的に努力することです。達成基準は強い願い、評価は最終的には経営判断と考えるのが正しいのです。
(P.36)

例えば、不良品発生率が5%で、改善目標を3%に設定した場合、3.5%だったら未達成と判断してしまうのではなく、前年よりも改善された(ベストを尽くして3%に近くなった)から良し、という経営判断をするということでしょうか。目標値に対して許容範囲を設定するという考えにつながります。