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『理念と経営』Vol.177令和2年9号 令和2年8月発行 発行人 田舞 徳太郎

発行所株式会社コスモ教育出版

(P08)
生産性と創造性、両方を向上させるチャンスが来た
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役遠藤 功 取材文:上坂鉄
 コロナショックによって経営を取り巻く環境が大きく変わろうとしている。「ポストコロナ」とはどのような時代なのか、企業も変化を求められる今、この荒波をチャンスに変えるべく、取り組むべき「4つの戦略」をひもといていく。
(中略)
ポストコロナ時代の「SPGH戦略」
 経済成長率を縦軸に、安定性を横軸にグラフを作ってみると、昭和、平成、令和がどんな状況にあるのかが、すぐに見て取れます。忘れてはいけないことは、高成長、高安定の昭和の時代はもう「やってこないということです。そのためにやるべきことがあります。
 では、ポストコロナ時代には、どんな経営がもとめられてくるのか、情が縮小するとなれば、淘汰は避けられません。弱肉強食が起こらざるを得ない。そのためには、「70%エコノミー」を想定した経営を覚悟する必要があります。ここで取り組むべき四つのキーワードを、私は「SPGH戦略」と呼んでいます。
(以下、SPGH戦略の部分についての解説のみ掲載)
■「サバイバル(Survival)戦略」
 需要が縮小しますから、身の丈も縮めるしかありません。人員を適正化、ダウンサイズすることです。コストを変動化し、身軽な経営にする。改めて事業のコアを見直すことも必要です。その上で目先のビジネスでしっかり稼ぐ。何より内容に目を向けることです。
■「生産性(Productivity)戦略」
 今回の危機で改めて露呈したことは、会社がいかに「不要不急」なものだらけだったのか、ということでした。不要な出張、不要な残業、不要な書類……。デジタル化、オンライン化、リモートワークの実現で、それらすべてが不要なものだとわかってしまった。ただし、リモートワークを定借させるには、きちんとしたオンライン環境があり、そのためにはデジタル化が必要だったという事もあきらかになりました。デジタル化なくして、オンラインもリモートもない、ということです。だから今こそ、本格的にデジタル化に踏み出すべきです。昔のような高額な巨大システムはいりません。クラウドとスマホでデジタルデジタル化はすぐ簡単にできる。これをもっと推し進める必要があります。
■「成長(Growth)戦略」
 現行事業でサバイバルしながら、一方で新規事業の探索を強化する。新たな成長エンジンの確立です。平成の時代にうまくいかなかったのは、新規事業を検討しましょうと検討ばかりしていたからです。これからやるべきは、アジャイル方式です。面白いアイデアがあったら、すぐにやってみる。片っ端から新しいものにチャレンジしてみる。社長直轄の組織を作るのもいいでしょう。別会社にするのもいい。駄目ならすぐ畳む。すぐに次に向かう。とにかくどんどんやっていくこと。たくさんトライしてみることです。加えて、M&Aを活用して既存事業を強化したり、新分野への参入も狙う。時間を買うんです。弱肉強食で苦しい会社も出てきますからM&Aのチャンスは拡大します。
■「人材(Human Resource)戦略」
 平成時代の失敗は、誰も新しいレールを敷こうとしなかったことでした。「誰かが敷いたレールの上を走る」人材ばかりになってしまった。企業の規模を問わず、これから必要になってくるのは。「新たなレールを敷くことができる」人材です。この人材が足りない。とくに中小企業では不足しています。だから、外部からの積極登用を進める必要があります。新しい血、異質の人材を入れるということです。そのためには、外部人材を処遇する新たな制度や仕組みを整える必要があるでしょう。中小企業だから、地方の企業だから大企業のより「報酬は低く、などというのは思い込みです。(以下略)

 (株)シナ・コーポレーション遠藤 功氏は、早稲田大学大学院教授です。株式会社良品計画他数社の社外取締役になっています。『コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方』(発行:東洋経済新報社)。という本を出版していることがネットで検索してわかりました。
 ドラッカーの『創造する経営者』を読み、ポストコロナ時代の戦略は、事業の分析から始める必要があることがわかり、会計事務所として「財務データと製品市場分析を組み合わせた経営戦略分析」を関与先への提案に着手しています。この記事の「SPGH戦略」は、『創造する経営者』P18にある現状認識のポイント①第一に「今日の事業の成果をあげる」ことに関し、アンバランスが生じていないかを確認すること、②第二に「明日のために新しい事業を開拓する」タイミングを認識すること。重要なのは、「将来の見通し」の判断。につながります。

『小さな会社こそが実行すべき ドラッカー経営戦略』和田 一男 著

明日香出版社発行 2012年11月21日初版発行

(P56)
12 製品分析の基本④製品分類分析
 製品を分類し対策を考えます。ドラッカーは11種類に分けて、それぞれに特徴、とるべき対策、処方があると説明しています。
最初の5つは対応が容易なものです。
➀今日の主力製品
 現在の主力になっている製品、成長の余地は残されているか、資源を過剰配分していないかを注意する。
➁明日の主力製品
明日の主力となる製品。追加資源の見返りが最も大きな製品で、育てる努力が必要
➂生産的特殊製品
 限定された特殊な市場を持つ製品。市場でリーダーシップを持つ製品別利益の大きい製品。
➃開発製品
 見通しのまだわからない、市場に導入中の製品。潜在成長力は期待されるが、後述する独善的な商品にならぬよう、注意が必要。
➄失敗製品
 明らかな問題製品。痛みは大きいが、廃棄や安売り等対応ははっきりしている。

次の6つ
➅昨日の主力商品
 もはやピークを越えてしまった製品。利益には貢献していない。貢献度や愛着はあるが衰退を防ぐことはできない。早い決断が必要。
➆手直し用製品
 製品に手直しによって、大きな成長、市場のリーダーシップ、見返りが大きいと判断される製品。手直しのための欠陥が明確で、内容も大きな利益と成長が現実に見込まれるもの。手直しの機会は一度限りとしないと、問題がさらに深まっていく可能性が高い。
➇仮の特殊製品
 主力商品となりうるのに、特殊製品として扱ってしまっているもの。個別の顧客だけではなく、市場から見た製品の位置づけや次世代の製品の在り方を考える必要がある。
➈非生産的の特殊製品
 市場において無意味な差別化を行っている製品。経済的機能をはたしていないために、売れない。利益流出の原因ともなる。 
➉独善的製品
 明日は成功すると信じられていて、多額の投資をしているが、明日が来ない製品。成功するまでやり直すなどと固執するケースは極めて危険な状態。
⑪シンデレラ製品、睡眠製品
 チャンスを与えればうまくいくかもしれない製品。機会を生かし、資源や支援を十分与えるべき製品だが、者にの力関係で思いきったシフトが行われていない場合がある。

このように、製品の分類、そして処方を考えることも重要ですが、製品の性格の変化を注意深く捉えなければなりません。なぜなら、時間がたてば①今日の主力製品が➅昨日の主力製品になったり、④開発製品が⑩独善的製品になったりするためです。変化を知るためには、2つの原則があります。

➀予期したものと違う結果が出るようになる
 期待と業績を比較することによって、独善的製品という対価していく傾向や、シンデレラ製品という機会の損失を発見することができます。
➁投資の増分に対して、得られる算出量が得られない
 永久に続く製品はありません。すべての製品にはライフサイクルがあり、製品のステージが変化します。

 変化を的確に捉え、どの製品にどれぐらい投資すればいいかを診断することが明日の予測と予防のための手段へと変わります。

 この本は、ドラッカーの『創造する経営者』上田惇生訳のP61「製品とライフサイクル」をわかりやすく解説したもので、脚注に「これらの分析は市場や流通チャネル(販路)にも行うことができます」と書いてありました。私が今、興味をもっているのは、市場と営業利益の貢献度分析です。製品の貢献度分析は出てくるのですが、市場分析に言及した記載を見つけることができません。営業利益の貢献度が高い市場と低い市場があります。この本に書いてあることを参考に利益貢献度の低い市場と高い市場にとるべき戦略を“営業”の視点から分析してみることにしました。

『人生を変える80対20の法則』リチャード・コッチ 著 仁平 和夫 訳

株式会社阪急コミニュケーションズ発行 1998年6月1日初版 2010年4月6日初版第33刷

(P74 どの顧客がドル箱になっているか)
 次に、顧客を考えてみよう。分析のやり方は同じだが、この場合は、顧客別、顧客グループ別に計算する。高い価格を払ってくれるが、サービスのコストがかさむ顧客もいれば、製品を大量に買ってくれるが、値下げを厳しく要求してくる顧客もいる。プラス要因とマイナス要因が相殺される場合もあるが、そうならない場合のほうが多い。先と同じ計器メーカーについて、分析結果をまとめたのが、図表9である

 どういう基準で顧客を分類したかを、以下に説明する。「タイプA」は、販売額は小さいが、直販であり、高い価格を受け入れてくれるため、粗利益率が極めて高い。サービス・コストはかさむが、高い粗利がこれを埋め合わせている。「タイプB」は流通業者であり、大量発注してくれるので、サービス・コストが安くすみ、その上高い価格を受け入れてくれる。「タイプC」は輸出業者で、高価格で買い取ってくれるのはいいが、サービスに大変なコストがかかる。「タイプD」は大手電子キキメーカーで、絶えず値下げ圧力をかけてくるうえ、アフターサービスに対する要求が激しく、特注品も多い。
 図表10は、先のデータをグラフ化したものである(ここでは、図表を加工しています)。これを見ると、59対15、88対25になっていることがわかる。
「タイプA」は売上に占める割合は15%だが、利益に占める割合は59%と高く、「タイプA」と「タイプB」を合わせると売上に占める比率は25%だが、利益に占める比率は88%に達する。これは、収益性の高い製品を買ってくれていることもあるが、サービス・コストが相対的に低いこともある。

 私が調査した計器メーカーは、この分析結果をもとに、「タイプA(直販)」とタイプB(流通業者)」の顧客を増やすキャンペーンに乗り出した。そのキャンペーンには当然コストがかかったが、それ以上の見返りがあった。「タイプC(輸出業者)」については、製品価格を一部引き上げる、サービス・コストを引き下げる方法を見つけた。電話での連絡や商談を増やしたのである。「タイプD(大手の電子機器メーカー)」については、個別に交渉した(9社がタイプDの売上の97%を占めていた)。技術顧問料を別途に請求した場合もあれば、製品の値上げ交渉に成功した場合もあった。交渉が決裂した3社は、ライバル企業に譲り渡す事にした。経営陣は厄介払いができて、ほっとしている(この3社を顧客にしたライバル企業は、採算が悪化するに違いない)。

 「財務データと製品市場分析を組み合わせた経営戦略分析」をテーマに取り組んでいます。
ドラッカー『創造する経営者』のまえがきに、最初の書名案が「事業戦略」だったと書いてありました。そして、P114で「製品や市場や流通チャネルなど業績をもたらす領域についての分析。利益や資源やリーダーシップについての分析、コストセンターやコストポイントについての分析など、事業そのものについての分析は、企業が「いかなる状況にあるか」を教える。」と事業の分析について述べています。
以前紹介した『人生を変える80対20の法則』を読んでいたら、P74「どの顧客がドル箱になっているか」に具体的な分析の方法が書いてありました。私が読んでいる『経営者の条件』は、「訳者あとがき」によると旧約は1964年、この本の著者リチャード・コッチの生まれが1950年。ドラッカーが「何をなすべきか」について書いている『経営者の条件』とつながりました。「財務データと製品市場分析を組み合わせた経営戦略分析」の基本にします。

『経営者に贈る5つの質問』P.F.ドラッカー 著 訳者 上田 惇生

ダイヤモンド社発行 2009年2月19日第1刷発行

(P37)
質問2「われわれの顧客は誰か?」へのいくつかの追加質問
われわれの顧客はだれとだれか?
・顧客リストを作成したか?非営利組織であるならば活動対象としての顧客のリストに加え、パートナーとしての顧客のリストを作成する。(ボランティア、有給スタッフ、会員、寄付者、委託先)
・われわれはそれぞれの顧客にいかなる価値を提供しているか?
・我々の強みと資源は、それらの顧客のニーズにマッチしているか?もしマッチしているとすれば、それはなぜか?マッチしていないとすればそれはなぜか?
われわれの顧客は変化したか?
・われわれの活動対象としての顧客はどのように変化してきたか?(性別、年齢層、家庭環境、薬物禍、災害)
・それらの変化は、われわれの組織にとって、どのような意味をもつか?
顧客を増やすか減らすか?
・現在の顧客のほかにどのような顧客がありうるか?それはなぜか?
・われわれには彼らの役に立つどのような能力があるか?
・顧客のうち、もはや相手にしないでよい顧客は誰か?それはなぜか――彼らのニーズが変化したからか、われわれの資源に限りがあるからか、他の組織のほうが優れた仕事をしているからか?顧客のニーズとわれわれのミッションあるいは能力がマッチしないからか?

 戦略策定にあたって、製品、市場、流通チャネル(販路)の分析をする必要があります。売上高の順に商品ジャンルを並べて売上管理の仕方を決めるABC分析という手法がありますが、最近、これを市場(顧客)分析に使い、A分類:上位2割の顧客、B分類:次の6割の顧客、C分類:下位2割の顧客に区分して、利益貢献分析をしました。やってみて、売上ではなく、粗利益(売上∸原価)をもとに計算したほうがより実態を把握できることがわかりました。
 ➀市場別粗利益金額-(製造変動費+販売変動費)=市場別限界利益
 ➁市場別限界利益-(製造人件費+販売人件費)-(製造固定費+販売固定費)=市場別営業利益
 市場別限界利益や市場別営業利益を計算する過程で、直接経費と間接経費を配布するとき、工夫が必要ですが、この計算をすることにより、とるべき戦略が見えてきます。ドラッカーの「われわれの顧客は誰か?」の追加質問に答えることが可能になります。

『最強の営業戦略』A.T.カーニーパートナー 栗谷 仁 著

東洋経済新報社発行 2008年12月17日第1刷発行 2018年2月16日第10刷発行

(P53)
Section2 営業で使えるセグメンテーション
※セグメンテーションの切り口
 市場規模や攻略ターゲットを決めるためには、同一のニーズを持った顧客単位、すなわち、顧客セグメントに分類することが重要であることは言うまでもない、営業戦略においてポイントとなるのは、営業が理解できるプロファイル・属性にセグメントを分類・整理することである。
 顧客のニーズは感性的な表現になりやすい。たとえば、「簡単操作セグメント」としてセグメントの内容を表現した場合、製品開発を目的とするマーケティング部門や開発部門ではこのセグメントが十分大きければ、開発スタートの判断ができるので、簡単操作セグメントという規定の仕方が有効である。しかし、営業部門が見たらどうだろうか。簡単操作セグメントを攻略せよと言われても、自分の担当顧客のどこを攻めたらよいのか、また、新規先の場合にはどこに行ったらよいのかもわからないだろう。営業活動に反映するためには、一歩進んでこの「簡単操作セグメント」を規定する軸として営業が認識できるプロファイル・属性を見つけることが必要となる。営業活動に反映できるセグメントの規定の仕方が営業戦略におけるセグメンテーションでは求められる。したがって、ある程度ニーズが共通で同様の攻略方法が可能なグループをセグメントとして、営業活動に反映するには、どのようなセグメンテーション軸を考えるべきかを検討することが大変重要である。
 一般的には、規模が異なるとニーズも異なりやすい。また、業種が異なれば明らかにニーズも異なる。最もシンプルなセグメンテーションの捉え方は規模×業種となる。シンプルではあるが、このようンな捉え方で十分営業活動に足るビジネスも多く、まずトライしてみることが重要であろう(図表2-12)。
→紙面の都合で図表は掲載しません。図表2-12では各セグメント評価のポイントとして、次の2点をあげています。
(自社シェア)
・定量化できない場合も多く、その場合、競争環境などから大まかに色分け
・チャネルや営業担当者のインタビューで推定することも多い
(利益)
・定量化できない場合も多く、その場合、競争環境などから大まかに色分け
・自社の利益率から推定する場合も多い

 この本は、最近青森にできた東北最大規模といわれるブックスモア(MOA)で買いました。ほとんどの企業は、わが社が扱う商品やサービスを提供できるのはどの顧客か?という視点で営業しているのではないでしょうか。商品やサービスではなく、顧客ニーズ優先で考えてみませんか。マーケティングでセグメントという言葉が使われます。簡単に表現すると集団やまとまりを区切った区分のこと。現在の顧客をセグメントしたうえで、「競争で勝てるセグメントか?」「わが社の経営に貢献しているセグメントか?」見直すことが必要です。withコロナの攻めはセグメントから始めましょう。

『BCG戦略コンセプト』水越 豊 著

ダイヤモンド社発行 2003年11月13日第1刷発行 2004年2月13日第5刷発行

(P56)
1……戦略的セグメンテーションとは何か
●……すべての顧客が利益になっているのではない
 日本において特定のセグメントに的を絞った商品開発・マーケティングが脚光を浴び始めたのはここ10年ほどのことである。それまで多くの企業は、「お客様は神様です」という言葉通り「すべての消費者を大事にしなければならない。だから、みんな一緒に平等に扱わなければならない」という理念にもとづいて経営していた。市場がどんどん成長している時代には、むしろこのやり方は理にかなっていた。なぜなら、どんな顧客でも大事に扱っておけば、そのうち大きな利益に結びつく可能性があったからである。仮に社会にでたばかりで1人暮らしのサラリーマンは、現時点では数か月に1度、電球を買うだけの少額の顧客だとしても、5年、10年と年を経るごとに給料も増え豊かな生活を送るようになれば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン……と、次々に商品を購入し、さらにはそれらを買い替える高額の顧客へと成長していく。つまり、このような将来がある程度予測できる時代には、すべての消費者を潜在顧客とみなし、電球1個のお客様を重視することが、ある意味では戦略的であった。
 しかし、右肩上がりの成長がもはや望めず、消費者ニーズが短期間で変化し、かつさまざまに細分化しつつある状況下では、潜在顧客に対して広くまんべんなくサービスすることはコストの増大を招くばかりだ。なぜなら、すべての顧客を平等に扱ったとしても、すべての顧客が平等に利益をもたらしてくれるわけではないからである。また、画一的な商品・サービスではどの顧客も不満という結果になることが多い。
 そこで求められるのが、従来のように消費者や市場を全体として十把一からげに扱い、全消費者に共通したマーケティングを展開するマス・アプローチではなく、市場や消費者をさまざまな軸で分類しそれぞれに異なったマーケティングをしていこうというセグメンテーションのアプローチである。戦略的セグメンテーションは、顧客によってニーズや商品・サービスの価値、経済が異なるという認識を前提とする。平たく言えば、儲かるセグメントと儲からないセグメントをきちんと把握し、それぞれの経済性に応じた合理的対応を考え、実行することである。

 この本は10年ぐらい前に盛岡のジュンク堂で買いました(その時弘前市に店舗はありません)。BSCと戦略参謀にのめりこむきっかけになった本です(笑。
セグメンテーションとは市場を細かく分け、ニーズごとにグループ化すること。販売管理のシステムで様々な分析ができるのですが、ほとんどの会社が請求管理だけに使っています。
 最近、withコロナという言葉をよく聞きますが、withコロナには「守り」と「攻め」があります。「攻め」はこの本にあるように、儲かるセグメントと儲からないセグメントをきちんと把握し、それぞれの経済性に応じた合理的な対応(→売上金額ではなく、限界利益と固定費を差し引いて貢献している市場なのか)を考え、実行することが必要です。これから、具体的なやり方を提案します。

『企業参謀ノート(入門編)』大前 研一 著

株式会社プレジデント社発行 2012年8月5日第1刷発行

(P115)
企業の生き残り!その“天国と地獄”を分ける大事な要素
自社商品のどれを切り捨て、どれを伸ばすか?日々の業務にも生かせる製品ポートフォリオ管理とは?
 1990年代にボストン・コンサルティング・グループが提唱した製品ポートフォリオ管理—いわゆるPPM法(Product Portfolio Management)—は、今日では、世界中の企業で事業戦略立案にために取り入れられている。
 PPM法の2眼目のP、ポートフォリオ(Portfolio)とは、ルーズリーフなどをまとめて持ち歩く平らなケースというのが原義。これから転じて、株式債権類に一覧表や、閣僚の顔ぶれ、芸術家の代表作品等という意味もある。
 だが、経営の現場でポートフォリオと言えば「製品系列のポートフォリオ」のことを示し、「ある会社(又は事業部)が持っている製品系列一覧表」と考えればよい。そして「製品のポートフォリオ管理」というのは要するに、自社製品のラインナップのどれを切り捨て、どれを伸ばすか。あるいはどの商品に金をかけ、どの商品をコストダウンすべきかという企業戦略のための方法論と思って間違いない。
 初期のPPM法では次ページに示したように4つの象限(ゾーン)を使った事業マトリックスによって、市場成長とシェアから商品系列それぞれの戦略を導きだそうというものだった

 新型コロナウィルスの影響で、事業継続を断念するという報道が多くなってきました。この本は、同じ著者の『企業参謀』という本と一緒に買いました。ドラッカーの5つの質問に、我々の事業は何か?我々の顧客は誰か?という問いがあります。「企業の生き残り!その“天国と地獄”を分ける大事な要素」という言葉の答えは、事業を再定義し目標設定した上で、これまで扱ってきた商品(製品)と市場を見直すことです。売上も大事ですが、商品(製品)と市場区分ごとの粗利だけではなく、変動費と固定費を差し引いた営業利益を確認し、どの商品(市場)・どの市場がわが社に貢献しているのか!見極めたうえで、売上重視から利益重視の戦略に変更することが必要。この本を読み確認できました。

シンプルに生きる『老子』 監修 愛知教育大学名誉教授・皇学館大学名誉教授 野村 茂夫

リベラル社発行 2016年10月27日初版 2018年6月14日再版

(P34)人に力を発揮させる社会は活性化する
 天下に忌諱(きき)多くして、民弥(いよ)いよ貧(ひん)に、民に利器(りき)多くして国家ますます昏(くら)し(第57章)

 生まれながらにして、人は自由です。自由があるということは、他のものに邪魔をされず、自分の気持ちのまま行動することができるということ。そして、人は自由であれば、創造することを本能的に好み、誰に言われるまでもなく工夫をし、世の中に小さなプラスを生み出そうとします。実際に、そのようにしてこの世の中を発達させてきた歴史があるのです。
 それを「あれも禁止、これも禁止」と禁令ばかり出していれば、人の創造性は失われ、意欲も徐々になくなっていきます。人に本来備わっている創造性を削ぐことなく、能力を存分に発揮させることが、社会に活力を生むのです。

 新型コロナウイルスという未曽有の体験。「緊急事態宣言を25日全面解除の諮問」という、久々の明るい話題が聞かれます。「あれも禁止、これも禁止」という状態が続き、新しい何かを考えだそうとする「創造性」を失ってしまった人が多いのではないでしょうか。旺盛な意欲があったから事業を始めたはずです。今一番必要なのは創業当時のことを思い起こし、これから始めるという強い気持ちを持つことではないでしょうか。老子(ろうし)は、中国春秋時代の哲学者と言われていますが、確かなことはわかりません。私は、難しい書物を読む知識がないのでリベラル社のシリーズを机のそばに置いています。
コロナの後の取組みとして、販売管理データに着目しました。これまで「どこに何を売ってきたのか」そしてこれから「どこに何を売るのか」会計データと販売管理データを分析し、「現状」から「あるべき姿」を考えるべき「時」です。

「AI失業」前夜、これから5年職場で起きること 鈴木 貴博 著

PHPビジネス新書 2018年7月2日 第1版第1刷発行


第7章10年後でも生き残れる「3つの人材」
―この先、どのような仕事を選ぶべきか
人工知能がこれからの10年間に「できない」仕事を目指す (P222)
 さて、これからの10年間で生き残れる仕事という観点では事業開発以外の2番目の切り口も有望だ。それは汎用型人工知能が登場しない限りは人工知能にはできないことに強くなるという発想である。つまり当面の間、人間にしかできない能力において誰よりも強みを持つ事を目指すという考え方だ。
 そして、これから先の10年で人口知能がどうしても人間には勝てないのがコミュニケーション能力である。
 他人から共感を得る。他人の心をゆさぶる。他人と心を通わせる。他人を動かす。こういった人間の心に働きかける仕事は、これから10年間、人口知能に奪われることはない。そして、どの職業や職種につくかという解決策ではなく、どのようなスキルを社会人としてのコンピタンス(強み)として磨くかという観点での解決策になる。
 コミュニケーション力をコンピタンスにするということは言い換えると、若いうちは職場の中で「理解の早い部下」「先回りして行動できる部下」という評判を勝ち取ることであり、キャリアが進むうちに「若手社員のインフルエンサー」「リーダーシップのある上司」「多くの人間を組織化して求めることができる貴重な部門長」というようにその立場を段階的に高めていくことになる。
 そしてこのようなコンピタンスを持つ人材こそが、今、最も多くの企業においてのどから手が出るほど欲しい人材、言い換えると不足している幹部人材なのである。
 そうなってきた最大の原因は、実は過去30年間起きてきた従業員の非正規労働化にある。

 この本は、ジュンク堂で見つけました。AI失業は金融と運輸から始まる…P43を読みそのことも良くわかりました。5年などたいした変化は起きないのでは…先行き不透明なので、外部環境の変化は、現在の状況から推測される範囲で考えようと思っていましたが大きな間違いでした。自動車がすべてを人工知能で完全に運転できるようになれば、世界の運輸市場と物流市場は革命がおきます。それが、2022年から始まります。会計事務所の業界もこれから大きく変わります。戦略ナビCloudはどうなるのでしょうか?この本を読み、組織のコミュニケーション力を高めるツールとして、活用事例を積み上げていきたいと思いました。

「ポジショニング戦略」[新版] アル・ライズ、ジャック・トラウト著 川上純子訳

有限会社海と月社発行 2008年4月 初版第1刷発行

「BCG戦略コンセプト」競争優位の原則 水越豊著 (P27 03-頭の中に忍びこむ)
頭の中に入り込む簡単な方法
 消費者の頭の中に入り込む簡単な方法は、一番乗りすることだ。一番乗り(早い者勝ち)の法則の有効性は、難なく証明できる。
 世界で最初に北大西洋の単独飛行に成功したのはチャールズ・リンドバーグだが、二番目に単独飛行したのは?簡単には答えられない。
 世界で最初に月面を歩いたのはニール・アームストロング。では、二番目に月面歩行した人は?
 世界で一番高い山といえばヒマラヤのエベレスト。では、二番目に高い山は?
 初体験の相手の名前は覚えているものだ。では、二番目の相手の名前は?
 一番の人、一番の山、一番の会社……。何であれ、「一番目」は人の頭の中に確固たるポジションを築く。これを崩すのは恐ろしく困難だ。写真といえばコダック、ティシュといえばクリネックス、コピーといえばゼロックス、レンタカーといえばハーツ、コーラといえばコカ・コーラ、電化製品といえばGEなのである。
「消費者の頭の中に、消えないメッセージを刻みこむ」ために最初に考えるべきことは、メッセージの内容ではない。消費者の頭の中の状態だ。まっさらな心、他のブランドに汚されていない未踏の心が望ましい。
(中略)
 ビジネスでも、重要なのは、人の頭の中に「最初に」入っていくことである。
 人は、配偶者に誠意を尽くすのと同じように、スーパーマーケットでもお気に入りのブランドに誠意を尽くして、それを購入する。まず、一番乗りを果たすこと。そして、相手に心変わりのきっかけを与えないようにすることが肝心だ。

この本は、マーケッティングの勉強を始めポジショニングについて理解を深めたいと思い、書店で「世界中で30年間読み継がれる、マーケターのバイブル」という見出しにひかれて買いました。今はAmazonで本を買うのが日常になっていますが、10年ほど前は出張の時、東京の丸善に寄るのが楽しみでした。本屋では思わぬ出会いがあります。
 最近、公的な機関の「事業引き継ぎ支援センター」統括責任者という辞令をもらいました。新たなチャレンジにワクワクしながら、緊張の連続です。いつか「経営支援と言えば若山経営」と言われるようになりたいと考え行動してきました。そのきっかけはこの本です。そして、それを認めていただけたのではないかと勝手に考えています。「戦略ナビ」の普及には影響がないよう、組織体制の強化を図りながら取り組んでいます。私の“志”は、事業の継続と雇用の維持です。