今日の1ページ

『「知る」と「できる」は大違い!マーケティングの本質を極める3ステップ』 家弓 正彦 著

株式会社シナプス発行 2019年4月30日 第1版発行 P13~14


 上の図2-1は、基本的なマーケティング戦略策定のプロセス全体を示しています。ここで重要なのはそのプロセスが、大きく分けて三つのステップから成り立っていることです。
 最初のステップは、自社のビジネスをとりまく環境を的確に把握し、分析する「環境分析」、次のステップは、攻略すべきターゲット顧客と自社のポジショニングを決定する「基本戦略構築」、そして最後のステップは、基本戦略を具現化するための「具体的施策設計」です。
 このようにマーケティング戦略構築の流れはとてもシンプルで、わかりやすいものです。しかし、現実のビジネスとなるとこの3ステッが守られていないことが多いようです。具体的施策設計にすぐ飛びついてしまうという誘惑にかられるのです。
 誰もが「こんな商品を出せばヒットするだろう」とか「こんな販促策を打てば、もっと売れるに違いない」といったアクションが頭の中に浮かぶことがあります。本来であれば、環境分析を行い、基本戦略を立てることが先なのですが、具体策は目に見えるわかりやすいものであり、直接結果をもたらすものなので、ついアクションを考えたくなるのです。
 しかし、目的(戦略)があいまいなままアクションに飛びつくことは、ムダ打ちが増え、効率が悪くなるものです。施策を考える前に、その目的となる戦略を明らかにすることが必須です。そして、その戦略を構築するプロセスとして環境分析を行わねばなりません。まずは定石どおりに3ステップの手順に従うことが重要です。
 また、この手順で策定されたマーケティング戦略は、一度立案したらそれで終わりということではなく、施策を実行した結果を踏まえて、環境分析を修正する、戦略を再構築する、施策を練り直すといった取り組みが必要となります。このようにマーケティング戦略は実行を通じて常に磨かれ、より良いものに改善されていくのです。
 みなさんは、これからご自身のビジネスのマーケティング戦略構築に取り組むことになります。そのプロセスの中で、今自分がどのステップにいて、ここでは何を考えなければならないのかを意識しておくことが重要です。道に迷った時には、このオーバービューに立ち返って、自分の立ち位置を確認してください。

 マーケティングと製品市場分析(PMマトリクス)の違い…勉強不足で答えを出せなかったのですが、①日本経営会計専門家学会の研究部会で学んだ市場分析と貢献度、②先日紹介した本にあった変革の三段階、①と②の組み合わせで気づきがありました。加えて、青山先生が提案されている③BIツール…マーケティングに100%の成功はあり得ませんが、①②③で成功する根拠をしっかり整えることによりデジタルとリアルの距離を近づけることができるのではないでしょうか。著者の家弓正彦氏のミーティングファシリテーションを受講したことがあります。BIツールで分析し仮説を作り→実行した営業活動をデータで確認(検証)→立ち位置を確認し次なる仮説を立てる…そういう会議を支援することで勉強不足が解決できると気づきました。


『顧客減少時代のマーケティング』小阪裕司著
BIツールとは、企業が持つ様々なデータを分析し「見える化」するツール
デジタルを活用して行うデータ分析
データ分析で立てた仮説と現実の商品・市場の動き

『明日を支配するもの』P.F.ドラッカー 著 上田 惇生 訳

ダイヤモンド社発行 1999年3月18日第1刷 2019年3月27日第27刷

経営戦略の前提が変わる P48
 事業の定義を現実の成果に結びつけるものが経営戦略である。経営戦略が望ましい成果を上げないときには、事業の定義を考え直さなければならない。もちろん、経営戦略上予期しなかった成功も、事業の定義を見直すべきことを教える。まったくのとこる、何が機械であるかを決めるものは経営戦略である。経営戦略がなければ、何が成果に結びつき、何が資源の浪費にすぎないかを知る術はない。
 それでは、二十一世紀という急激な変化と不確実性の時代にあって、経営戦略自体が前提とすべきものは何か、組織特に企業が、自らの経営戦略の前提とすべきものは何か、何か確実なものはあるのか。
 これからの時代にあって、確実なものは五つある。いずれも、今日の経営戦略が前提としているものとは異なる。そもそも経済に係わるものではない。社会と政治に係わるものである。
 それは、次の5つである。
 (1)先進国における少子化
 (2)支出配分の変化
 (3)コーポレート・ガバナンスの変化
 (4)グローバル競争の変化
 (5)政治の倫理との乖離

あらゆる情報の基本 P57~58
 企業は、市場シェアには気を使う、売り上げを知ろうとし、その増減を気にする。あらゆる企業が自らの成長の度合いを把握している。ところが、ほとんどの企業が本当に重要な数字を知らない。すなわち顧客の支出のうち、自社が提供するカテゴリーの製品やサービスに使ってもらっている割合についての数字である。この数字の増減を追っている企業は、事実上皆無といってよい。
 支出配分の変化こそ、あらゆる情報の基本である。経営戦略のための基本的な情報である。なぜならば、支出配分は、一度落ち着くならば、長い間そのまま続くからである。一般的にいって、好不況の影響をあまり受けることがあまりない。
 したがって、支出配分の変化ほど、企業にとって重要なものはない。同じように重要なものが、同一カテゴリー内での変化である。
 二十一世紀の初めの数十年間は、この支出配分のカテゴリー間の変化と、カテゴリー内での変化の双方がかなり重要なものになる。ところが、この支出配分の変化に注目している企業やエコノミストはあまりいない。そもそも、彼らはそのような問題があることさえ知らない。

 今、集中して学んでいるのが「財務データと製品市場分析の組み合わせによる経営戦略分析」です。この本を読んで、マーケティングとともに顧客創造に必要なのがイノベーション。Afterコロナの経営戦略、「顧客の支出配分の変化」を知ることがイノベーションに取り組む基本と気づきました。

エッセンシャル版「マネジメント」基本と原則 P.F.ドラッカー 著 上田 惇生 編訳

ダイヤモンド社発行 2001年12月13日第1刷発行 2006年7月13日第17刷発行 P39

戦略計画とは何か
 戦略計画とは何か、それは、➀リスクを伴う起業家的な意思決定を行い、➁その実行に必要な活動を体系的に組織し、➂それらの活動の成果を期待したものと比較測定するという連続したプロセスである。
 まず、あらゆる種類の活動、製品、工程、市場について、「もし今日これを打っていなかったとしても、改めて行おうとするか」を問わなければならない。さらに、「何を、いつ行うか」を問わなければならない。
 たしかに、すでに行っていることをより行えば良いという分野もある。しかし、すでに行っていることだけで、本来のニーズを満たし続けることはできない。
「何を行うか」を問うだけでは、問題の一面を上げたにすぎない。「いつ行うか」との問いも同じように重要である。なぜならば、この問いへの答えこそ、新しい仕事に取り組むべきタイミングを教えてくれるからである。

 「経営計画の実行」が気になり、思い出したのがドラッカーの本に出てくる「戦略計画」。この本を読み直し、リスクという言葉と戦略計画の意味を再確認できました。リスクとは「危険性」ではなく、「不確実性・不確定性」。不確実・不確定なもの(リスク)を実現するのが「戦略計画」。戦略計画とは、本に書いてある➀リスクを伴う意思決定、➁活動を体系的に組織する、➂期待と成果を比較するという➀~➂のプロセスをひたすら繰り返すこと、「どう行動すべきか」を意思決定するための設計図という解釈もできます。

『ドラッカー思考大全』藤屋 伸二 著

発行者 川全正法 株式会社KADOKWA発行 2016年12月15日刷発行 P102


14 戦略は「環境・目的・強み」の3つが重要
 会社全体の方向性を変えるときや、新しいビジネスを立ち上げる時の判断基準は、何でしょうか? あるいは、どのような基本的な条件がそろっていなければいけないのでしょか?
※戦略の前提となる3つの条件
 経営戦略は成り行きではなく、分析にもとづいて決定します。経営戦略を決定する前に、「経営環境」「事業目的」「自社の強み」の3つを確認する必要があります。ドラッカーは「この3つは合致する必要がある」と言っています。
➀経営環境:どのようなチャンスがあるか?
 経営環境とは、ニーズがあり、競争相手がいるところです。チャンスや脅威があるところです。ですから、経営環境の分析をしなければ、会社としてなんの判断もできません。
 会社は、社会に貢献するための仕組みですから、社会が何を求めているかを知ることから、経営戦略の策定をスタートさせなければなりません。
➁事業目的:どれを価値あるチャンスと見るか?
 社会には「さまざまな困った現象」があります。そのなかの「どの困った現象の解消に取り組むのか」を「決める必要があります。それが事業目的です。「人の健康を増進する」でも、「建物の健全な状態を維持・管理する」でも、「中小企業の業務改革にITの面から貢献する」でもよいのです。
 大切なのは、すべてができるように広げすぎず、一方で、ちょっとした変化にも対応できないほど狭めすぎない程度の事業目的を設定することです。たとえば、「総合〇〇企業」では広すぎます。反対に、ガソリンスタンドの事業目的が「給油所」ではエネルギーの変化に対応できないので狭すぎるでしょう。
➂自社の強み:どの分野なら勝つチャンスがあるか?
 「やりたいこと」と「必要とされていること」とは違います。さらに、「必要とされていること」と「自社が上手にできること」も違います。
 市場やお客様があなたの会社に求めているのは、「お客様が必要としていることで、かつ「他社より上手にできること、あなたの会社にしかできないこと」です。逆に考えれば、「どのような商品分野ならば、お客様に必要とされ、かつ競争にも勝てるか」という観点から、対象市場を絞り込んでいきます。

 今日の1ページ久々の更新です。著者の藤屋伸二(ふじやしんじ)氏をネットで検索してみたら「必要なことだけをわかりやすく、おもしろく、実践に役立つ」をモットーに【藤屋式ドラッカー活用法】を伝授するドラッカー活用のスペシャリスト。という紹介がありました。この本は、「ドラッカー」を学び、業績の向上に貢献を目指すビジネスマンに向けて書かれています(「はじめに」参照)。
 昨年後半から、ドラッカーの『創造する経営者』iを読み現状認識(第一に、「今日の事業の成果をあげる」ことに関し、アンバランスが生じていないかを確認すること。第二に、「明日のために新しい事業を開拓する」タイミングを認識すること。重要なのは「将来の見通し」の判断)にこだわった取組みをしてきました。
『創造する経営者』P144に「知識は、本の中にはない。本の中にあるのは情報である」さらに、「知識は、事業の外部すなわち顧客、市場、最終用途に貢献して初めて有効となる」という記載があります。『ドラッカー思考大全』の➀は外部環境分析、➁は事業ドメイン、➂はSWOT分析のことです。


i『創造する経営者』P.Fドラッカー 著 上田 惇生 訳 ダイヤモンド社発行 2007年5月17日第1刷発行 2017年5月12日第12刷発行

『マーケティング・ジャーニー』神田 昌典 著

日経BP/日本経済新聞社出版部発行 2020年4月8日第1刷 P160


あなたが嫌がっている仕事が、社会を変える P160
 この仕組みを描いたのは、冒頭で紹介した高橋博志さんである。高橋さんは、青森県三沢市でリフォーム用木材の通信販売を手がける株式会社高橋の社長であり、青森県バイオマスエネルギー推進協議会の理事長でもある。
 立ち会がったのは、森林に対する危機感からだ。自身も祖父から森林を相続して、森を守る難しさを痛感していた。このままでは日本の豊かな森林が失われ、安価な輸入木材ばかりが流通することになりかねない。
 その打開策としていきついたのが、間伐材でペレットを作ることだ。これなら森林の荒廃を防ぎながらお金を稼げる。
 ただ、ネックは、間伐する人がいないことだ。プロのきこりに頼むと採算がとれない。
 行き詰った高橋さんは悩んだ末、突破口を見つけ出す。それが、「きこり」講座だ。木こり体験をリクリエーション化すれば、受講者は楽しめるし、こちらも安く間伐できると考えたのである。
 反響は高橋さんに予想以上。2013年に1回目の受講者を募ると、定員20名の枠になんと500人以上が応募してきた。
 その後も「木こり講座」は継続しており、東京や大阪、福岡等全国から人が集まっている。ここで得た技術を生かし、自分の地元の森林を整備する人も出てきている。

 この社会変革は、「時間に合わない」と思われていた低収入の、誰でもできる仕事を、学び化、遊び化したことから、すべてが始まった。
 同様の変革を起こすには、仕事にすると人が嫌がって担い手が集まらない作業をエンターテメント化、遊び化するという視点を持ってみよう。
 前項でも例に挙げたが、例えば介護はどうだろうか。心身共にタフさが必要とされる仕事であり、初心者では1日やり遂げるだけでもしんどいが、1日2時間程度手伝えるように切り分けることで、シニアになってから空いた時間で取り組める。「人に喜ばれる仕事」になる可能性がある。
 介護業務を始めるための入門講座や、自分自身が要介護にならないための健康講座などをセットすれば、事業所側もいくばくかのお金が入るようになるだろう。
 あなたが嫌がっている仕事は、新たな市場を創造するどころか、社会を変える最高の遊びになる可能性がある。

 この本は書店で買いました。著者の神田昌典(かんだまさのり)氏は、経営コンサルタント/作家として活動し、マーケティング界を引っ張る存在として知られています。この本の「おわりに」P218に「実は、この本は次世代を担う中学生、高校生に読んでもらうことを強く意識した、ということだ」と書いてありました。高橋氏の他に、世界で初めて無農薬・無堆肥のリンゴの栽培をした木村秋則氏も紹介されています。読みやすい本です。
 立ち読みして、P19に「ビジネスモデルを構築するまでの自分の成長プロセス」という図に惹かれて買いました。コロナ禍で思考が「壁」にぶつかっていたので、読んで、視点を変えるきっかけになりました。

『理念と経営』Vol.177令和2年9号 令和2年8月発行 発行人 田舞 徳太郎

発行所株式会社コスモ教育出版

(P08)
生産性と創造性、両方を向上させるチャンスが来た
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役遠藤 功 取材文:上坂鉄
 コロナショックによって経営を取り巻く環境が大きく変わろうとしている。「ポストコロナ」とはどのような時代なのか、企業も変化を求められる今、この荒波をチャンスに変えるべく、取り組むべき「4つの戦略」をひもといていく。
(中略)
ポストコロナ時代の「SPGH戦略」
 経済成長率を縦軸に、安定性を横軸にグラフを作ってみると、昭和、平成、令和がどんな状況にあるのかが、すぐに見て取れます。忘れてはいけないことは、高成長、高安定の昭和の時代はもう「やってこないということです。そのためにやるべきことがあります。
 では、ポストコロナ時代には、どんな経営がもとめられてくるのか、情が縮小するとなれば、淘汰は避けられません。弱肉強食が起こらざるを得ない。そのためには、「70%エコノミー」を想定した経営を覚悟する必要があります。ここで取り組むべき四つのキーワードを、私は「SPGH戦略」と呼んでいます。
(以下、SPGH戦略の部分についての解説のみ掲載)
■「サバイバル(Survival)戦略」
 需要が縮小しますから、身の丈も縮めるしかありません。人員を適正化、ダウンサイズすることです。コストを変動化し、身軽な経営にする。改めて事業のコアを見直すことも必要です。その上で目先のビジネスでしっかり稼ぐ。何より内容に目を向けることです。
■「生産性(Productivity)戦略」
 今回の危機で改めて露呈したことは、会社がいかに「不要不急」なものだらけだったのか、ということでした。不要な出張、不要な残業、不要な書類……。デジタル化、オンライン化、リモートワークの実現で、それらすべてが不要なものだとわかってしまった。ただし、リモートワークを定借させるには、きちんとしたオンライン環境があり、そのためにはデジタル化が必要だったという事もあきらかになりました。デジタル化なくして、オンラインもリモートもない、ということです。だから今こそ、本格的にデジタル化に踏み出すべきです。昔のような高額な巨大システムはいりません。クラウドとスマホでデジタルデジタル化はすぐ簡単にできる。これをもっと推し進める必要があります。
■「成長(Growth)戦略」
 現行事業でサバイバルしながら、一方で新規事業の探索を強化する。新たな成長エンジンの確立です。平成の時代にうまくいかなかったのは、新規事業を検討しましょうと検討ばかりしていたからです。これからやるべきは、アジャイル方式です。面白いアイデアがあったら、すぐにやってみる。片っ端から新しいものにチャレンジしてみる。社長直轄の組織を作るのもいいでしょう。別会社にするのもいい。駄目ならすぐ畳む。すぐに次に向かう。とにかくどんどんやっていくこと。たくさんトライしてみることです。加えて、M&Aを活用して既存事業を強化したり、新分野への参入も狙う。時間を買うんです。弱肉強食で苦しい会社も出てきますからM&Aのチャンスは拡大します。
■「人材(Human Resource)戦略」
 平成時代の失敗は、誰も新しいレールを敷こうとしなかったことでした。「誰かが敷いたレールの上を走る」人材ばかりになってしまった。企業の規模を問わず、これから必要になってくるのは。「新たなレールを敷くことができる」人材です。この人材が足りない。とくに中小企業では不足しています。だから、外部からの積極登用を進める必要があります。新しい血、異質の人材を入れるということです。そのためには、外部人材を処遇する新たな制度や仕組みを整える必要があるでしょう。中小企業だから、地方の企業だから大企業のより「報酬は低く、などというのは思い込みです。(以下略)

 (株)シナ・コーポレーション遠藤 功氏は、早稲田大学大学院教授です。株式会社良品計画他数社の社外取締役になっています。『コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方』(発行:東洋経済新報社)。という本を出版していることがネットで検索してわかりました。
 ドラッカーの『創造する経営者』を読み、ポストコロナ時代の戦略は、事業の分析から始める必要があることがわかり、会計事務所として「財務データと製品市場分析を組み合わせた経営戦略分析」を関与先への提案に着手しています。この記事の「SPGH戦略」は、『創造する経営者』P18にある現状認識のポイント①第一に「今日の事業の成果をあげる」ことに関し、アンバランスが生じていないかを確認すること、②第二に「明日のために新しい事業を開拓する」タイミングを認識すること。重要なのは、「将来の見通し」の判断。につながります。

『小さな会社こそが実行すべき ドラッカー経営戦略』和田 一男 著

明日香出版社発行 2012年11月21日初版発行

(P56)
12 製品分析の基本④製品分類分析
 製品を分類し対策を考えます。ドラッカーは11種類に分けて、それぞれに特徴、とるべき対策、処方があると説明しています。
最初の5つは対応が容易なものです。
➀今日の主力製品
 現在の主力になっている製品、成長の余地は残されているか、資源を過剰配分していないかを注意する。
➁明日の主力製品
明日の主力となる製品。追加資源の見返りが最も大きな製品で、育てる努力が必要
➂生産的特殊製品
 限定された特殊な市場を持つ製品。市場でリーダーシップを持つ製品別利益の大きい製品。
➃開発製品
 見通しのまだわからない、市場に導入中の製品。潜在成長力は期待されるが、後述する独善的な商品にならぬよう、注意が必要。
➄失敗製品
 明らかな問題製品。痛みは大きいが、廃棄や安売り等対応ははっきりしている。

次の6つ
➅昨日の主力商品
 もはやピークを越えてしまった製品。利益には貢献していない。貢献度や愛着はあるが衰退を防ぐことはできない。早い決断が必要。
➆手直し用製品
 製品に手直しによって、大きな成長、市場のリーダーシップ、見返りが大きいと判断される製品。手直しのための欠陥が明確で、内容も大きな利益と成長が現実に見込まれるもの。手直しの機会は一度限りとしないと、問題がさらに深まっていく可能性が高い。
➇仮の特殊製品
 主力商品となりうるのに、特殊製品として扱ってしまっているもの。個別の顧客だけではなく、市場から見た製品の位置づけや次世代の製品の在り方を考える必要がある。
➈非生産的の特殊製品
 市場において無意味な差別化を行っている製品。経済的機能をはたしていないために、売れない。利益流出の原因ともなる。 
➉独善的製品
 明日は成功すると信じられていて、多額の投資をしているが、明日が来ない製品。成功するまでやり直すなどと固執するケースは極めて危険な状態。
⑪シンデレラ製品、睡眠製品
 チャンスを与えればうまくいくかもしれない製品。機会を生かし、資源や支援を十分与えるべき製品だが、者にの力関係で思いきったシフトが行われていない場合がある。

このように、製品の分類、そして処方を考えることも重要ですが、製品の性格の変化を注意深く捉えなければなりません。なぜなら、時間がたてば①今日の主力製品が➅昨日の主力製品になったり、④開発製品が⑩独善的製品になったりするためです。変化を知るためには、2つの原則があります。

➀予期したものと違う結果が出るようになる
 期待と業績を比較することによって、独善的製品という対価していく傾向や、シンデレラ製品という機会の損失を発見することができます。
➁投資の増分に対して、得られる算出量が得られない
 永久に続く製品はありません。すべての製品にはライフサイクルがあり、製品のステージが変化します。

 変化を的確に捉え、どの製品にどれぐらい投資すればいいかを診断することが明日の予測と予防のための手段へと変わります。

 この本は、ドラッカーの『創造する経営者』上田惇生訳のP61「製品とライフサイクル」をわかりやすく解説したもので、脚注に「これらの分析は市場や流通チャネル(販路)にも行うことができます」と書いてありました。私が今、興味をもっているのは、市場と営業利益の貢献度分析です。製品の貢献度分析は出てくるのですが、市場分析に言及した記載を見つけることができません。営業利益の貢献度が高い市場と低い市場があります。この本に書いてあることを参考に利益貢献度の低い市場と高い市場にとるべき戦略を“営業”の視点から分析してみることにしました。

『人生を変える80対20の法則』リチャード・コッチ 著 仁平 和夫 訳

株式会社阪急コミニュケーションズ発行 1998年6月1日初版 2010年4月6日初版第33刷

(P74 どの顧客がドル箱になっているか)
 次に、顧客を考えてみよう。分析のやり方は同じだが、この場合は、顧客別、顧客グループ別に計算する。高い価格を払ってくれるが、サービスのコストがかさむ顧客もいれば、製品を大量に買ってくれるが、値下げを厳しく要求してくる顧客もいる。プラス要因とマイナス要因が相殺される場合もあるが、そうならない場合のほうが多い。先と同じ計器メーカーについて、分析結果をまとめたのが、図表9である

 どういう基準で顧客を分類したかを、以下に説明する。「タイプA」は、販売額は小さいが、直販であり、高い価格を受け入れてくれるため、粗利益率が極めて高い。サービス・コストはかさむが、高い粗利がこれを埋め合わせている。「タイプB」は流通業者であり、大量発注してくれるので、サービス・コストが安くすみ、その上高い価格を受け入れてくれる。「タイプC」は輸出業者で、高価格で買い取ってくれるのはいいが、サービスに大変なコストがかかる。「タイプD」は大手電子キキメーカーで、絶えず値下げ圧力をかけてくるうえ、アフターサービスに対する要求が激しく、特注品も多い。
 図表10は、先のデータをグラフ化したものである(ここでは、図表を加工しています)。これを見ると、59対15、88対25になっていることがわかる。
「タイプA」は売上に占める割合は15%だが、利益に占める割合は59%と高く、「タイプA」と「タイプB」を合わせると売上に占める比率は25%だが、利益に占める比率は88%に達する。これは、収益性の高い製品を買ってくれていることもあるが、サービス・コストが相対的に低いこともある。

 私が調査した計器メーカーは、この分析結果をもとに、「タイプA(直販)」とタイプB(流通業者)」の顧客を増やすキャンペーンに乗り出した。そのキャンペーンには当然コストがかかったが、それ以上の見返りがあった。「タイプC(輸出業者)」については、製品価格を一部引き上げる、サービス・コストを引き下げる方法を見つけた。電話での連絡や商談を増やしたのである。「タイプD(大手の電子機器メーカー)」については、個別に交渉した(9社がタイプDの売上の97%を占めていた)。技術顧問料を別途に請求した場合もあれば、製品の値上げ交渉に成功した場合もあった。交渉が決裂した3社は、ライバル企業に譲り渡す事にした。経営陣は厄介払いができて、ほっとしている(この3社を顧客にしたライバル企業は、採算が悪化するに違いない)。

 「財務データと製品市場分析を組み合わせた経営戦略分析」をテーマに取り組んでいます。
ドラッカー『創造する経営者』のまえがきに、最初の書名案が「事業戦略」だったと書いてありました。そして、P114で「製品や市場や流通チャネルなど業績をもたらす領域についての分析。利益や資源やリーダーシップについての分析、コストセンターやコストポイントについての分析など、事業そのものについての分析は、企業が「いかなる状況にあるか」を教える。」と事業の分析について述べています。
以前紹介した『人生を変える80対20の法則』を読んでいたら、P74「どの顧客がドル箱になっているか」に具体的な分析の方法が書いてありました。私が読んでいる『経営者の条件』は、「訳者あとがき」によると旧約は1964年、この本の著者リチャード・コッチの生まれが1950年。ドラッカーが「何をなすべきか」について書いている『経営者の条件』とつながりました。「財務データと製品市場分析を組み合わせた経営戦略分析」の基本にします。

『経営者に贈る5つの質問』P.F.ドラッカー 著 訳者 上田 惇生

ダイヤモンド社発行 2009年2月19日第1刷発行

(P37)
質問2「われわれの顧客は誰か?」へのいくつかの追加質問
われわれの顧客はだれとだれか?
・顧客リストを作成したか?非営利組織であるならば活動対象としての顧客のリストに加え、パートナーとしての顧客のリストを作成する。(ボランティア、有給スタッフ、会員、寄付者、委託先)
・われわれはそれぞれの顧客にいかなる価値を提供しているか?
・我々の強みと資源は、それらの顧客のニーズにマッチしているか?もしマッチしているとすれば、それはなぜか?マッチしていないとすればそれはなぜか?
われわれの顧客は変化したか?
・われわれの活動対象としての顧客はどのように変化してきたか?(性別、年齢層、家庭環境、薬物禍、災害)
・それらの変化は、われわれの組織にとって、どのような意味をもつか?
顧客を増やすか減らすか?
・現在の顧客のほかにどのような顧客がありうるか?それはなぜか?
・われわれには彼らの役に立つどのような能力があるか?
・顧客のうち、もはや相手にしないでよい顧客は誰か?それはなぜか――彼らのニーズが変化したからか、われわれの資源に限りがあるからか、他の組織のほうが優れた仕事をしているからか?顧客のニーズとわれわれのミッションあるいは能力がマッチしないからか?

 戦略策定にあたって、製品、市場、流通チャネル(販路)の分析をする必要があります。売上高の順に商品ジャンルを並べて売上管理の仕方を決めるABC分析という手法がありますが、最近、これを市場(顧客)分析に使い、A分類:上位2割の顧客、B分類:次の6割の顧客、C分類:下位2割の顧客に区分して、利益貢献分析をしました。やってみて、売上ではなく、粗利益(売上∸原価)をもとに計算したほうがより実態を把握できることがわかりました。
 ➀市場別粗利益金額-(製造変動費+販売変動費)=市場別限界利益
 ➁市場別限界利益-(製造人件費+販売人件費)-(製造固定費+販売固定費)=市場別営業利益
 市場別限界利益や市場別営業利益を計算する過程で、直接経費と間接経費を配布するとき、工夫が必要ですが、この計算をすることにより、とるべき戦略が見えてきます。ドラッカーの「われわれの顧客は誰か?」の追加質問に答えることが可能になります。

『最強の営業戦略』A.T.カーニーパートナー 栗谷 仁 著

東洋経済新報社発行 2008年12月17日第1刷発行 2018年2月16日第10刷発行

(P53)
Section2 営業で使えるセグメンテーション
※セグメンテーションの切り口
 市場規模や攻略ターゲットを決めるためには、同一のニーズを持った顧客単位、すなわち、顧客セグメントに分類することが重要であることは言うまでもない、営業戦略においてポイントとなるのは、営業が理解できるプロファイル・属性にセグメントを分類・整理することである。
 顧客のニーズは感性的な表現になりやすい。たとえば、「簡単操作セグメント」としてセグメントの内容を表現した場合、製品開発を目的とするマーケティング部門や開発部門ではこのセグメントが十分大きければ、開発スタートの判断ができるので、簡単操作セグメントという規定の仕方が有効である。しかし、営業部門が見たらどうだろうか。簡単操作セグメントを攻略せよと言われても、自分の担当顧客のどこを攻めたらよいのか、また、新規先の場合にはどこに行ったらよいのかもわからないだろう。営業活動に反映するためには、一歩進んでこの「簡単操作セグメント」を規定する軸として営業が認識できるプロファイル・属性を見つけることが必要となる。営業活動に反映できるセグメントの規定の仕方が営業戦略におけるセグメンテーションでは求められる。したがって、ある程度ニーズが共通で同様の攻略方法が可能なグループをセグメントとして、営業活動に反映するには、どのようなセグメンテーション軸を考えるべきかを検討することが大変重要である。
 一般的には、規模が異なるとニーズも異なりやすい。また、業種が異なれば明らかにニーズも異なる。最もシンプルなセグメンテーションの捉え方は規模×業種となる。シンプルではあるが、このようンな捉え方で十分営業活動に足るビジネスも多く、まずトライしてみることが重要であろう(図表2-12)。
→紙面の都合で図表は掲載しません。図表2-12では各セグメント評価のポイントとして、次の2点をあげています。
(自社シェア)
・定量化できない場合も多く、その場合、競争環境などから大まかに色分け
・チャネルや営業担当者のインタビューで推定することも多い
(利益)
・定量化できない場合も多く、その場合、競争環境などから大まかに色分け
・自社の利益率から推定する場合も多い

 この本は、最近青森にできた東北最大規模といわれるブックスモア(MOA)で買いました。ほとんどの企業は、わが社が扱う商品やサービスを提供できるのはどの顧客か?という視点で営業しているのではないでしょうか。商品やサービスではなく、顧客ニーズ優先で考えてみませんか。マーケティングでセグメントという言葉が使われます。簡単に表現すると集団やまとまりを区切った区分のこと。現在の顧客をセグメントしたうえで、「競争で勝てるセグメントか?」「わが社の経営に貢献しているセグメントか?」見直すことが必要です。withコロナの攻めはセグメントから始めましょう。