今日の1ページ

『マーケティング・ジャーニー』神田 昌典 著

日経BP/日本経済新聞社出版部発行 2020年4月8日第1刷 P160


あなたが嫌がっている仕事が、社会を変える P160
 この仕組みを描いたのは、冒頭で紹介した高橋博志さんである。高橋さんは、青森県三沢市でリフォーム用木材の通信販売を手がける株式会社高橋の社長であり、青森県バイオマスエネルギー推進協議会の理事長でもある。
 立ち会がったのは、森林に対する危機感からだ。自身も祖父から森林を相続して、森を守る難しさを痛感していた。このままでは日本の豊かな森林が失われ、安価な輸入木材ばかりが流通することになりかねない。
 その打開策としていきついたのが、間伐材でペレットを作ることだ。これなら森林の荒廃を防ぎながらお金を稼げる。
 ただ、ネックは、間伐する人がいないことだ。プロのきこりに頼むと採算がとれない。
 行き詰った高橋さんは悩んだ末、突破口を見つけ出す。それが、「きこり」講座だ。木こり体験をリクリエーション化すれば、受講者は楽しめるし、こちらも安く間伐できると考えたのである。
 反響は高橋さんに予想以上。2013年に1回目の受講者を募ると、定員20名の枠になんと500人以上が応募してきた。
 その後も「木こり講座」は継続しており、東京や大阪、福岡等全国から人が集まっている。ここで得た技術を生かし、自分の地元の森林を整備する人も出てきている。

 この社会変革は、「時間に合わない」と思われていた低収入の、誰でもできる仕事を、学び化、遊び化したことから、すべてが始まった。
 同様の変革を起こすには、仕事にすると人が嫌がって担い手が集まらない作業をエンターテメント化、遊び化するという視点を持ってみよう。
 前項でも例に挙げたが、例えば介護はどうだろうか。心身共にタフさが必要とされる仕事であり、初心者では1日やり遂げるだけでもしんどいが、1日2時間程度手伝えるように切り分けることで、シニアになってから空いた時間で取り組める。「人に喜ばれる仕事」になる可能性がある。
 介護業務を始めるための入門講座や、自分自身が要介護にならないための健康講座などをセットすれば、事業所側もいくばくかのお金が入るようになるだろう。
 あなたが嫌がっている仕事は、新たな市場を創造するどころか、社会を変える最高の遊びになる可能性がある。

 この本は書店で買いました。著者の神田昌典(かんだまさのり)氏は、経営コンサルタント/作家として活動し、マーケティング界を引っ張る存在として知られています。この本の「おわりに」P218に「実は、この本は次世代を担う中学生、高校生に読んでもらうことを強く意識した、ということだ」と書いてありました。高橋氏の他に、世界で初めて無農薬・無堆肥のリンゴの栽培をした木村秋則氏も紹介されています。読みやすい本です。
 立ち読みして、P19に「ビジネスモデルを構築するまでの自分の成長プロセス」という図に惹かれて買いました。コロナ禍で思考が「壁」にぶつかっていたので、読んで、視点を変えるきっかけになりました。

『渋沢栄一とドラッカー 未来創造の方法論』國定 克則 著

株式会社KADOKAWA 2020年11月初版発行


(まえがき)P5 6行目~P6 10行目まで
ビジネスの分野で、本質を理解するために学ぶべきとして挙げられる人の中に、必ずでてくるのがピータードラッカー(1909~2005)だ。ドラッカーはいつも物事の全体像とその本質を示してくれる。
 彼は「マネジメントの発明者」として、マネジメントの全体像とその本質を整理した人だ。世の中にはドラッカーは古い人だと思っている人もいるようだが、彼は「知の巨人」と呼ばれ、社会の生態を見続けた人である。ドラッカーは、マネジメントの本質を理解しただけでなく、変化の本質、未来の本質、そしてその本質から導き出される未来創造の本質についても整理してくれている。
 そして、そのドラッカーがビジネスの本質を理解していた人物として高く評価していたのが、渋沢栄一(1840~1931)である。「資本主義の父」とも呼ばれている。
 この二人には共通点が多い。ビジネスに対する考え方も似ているし、変化の時代に大きな成果をあげたという点でも似ている。共に物事の本質を見極めていた人たちなのだ。
 さらに、ドラッカーは渋沢栄一を高く評価していただけでなく、日本という国に惚れていた。なぜなら、ドラッカーが大切にしていた「本質を見極める」という能力に秀でている民族が日本人だったからだ。
 ドラッカーは、日本という国は他の国とは違う独特な特徴を持っていると言う。その日本が伝統的に持っている特徴の説明は本文に譲るが、その特徴が大きな変化の時代に未来を創っていくための重要な武器になるのだ。
 本書は、大きく3つのテーマに分かれている。この3つはそれぞれに関連している。共通することは「全体像とその本質」である。そして、この3つを理解していただくことが、大きな変化の時代に未来を切り開くための手がかりになると思う。
1.渋沢栄一とドラッカーの未来創造
2.ドラッカーに学ぶ未来創造の考え方と方法論
3.日本人の根底に流れる考え方

 この本は、(まえがき)によれば、新型コロナウイルス感染症が発生する前から書き始めたものです。テーマは「未来創造の方法論」、本の帯には、“正解のない時代にビジネスと向き合った偉大な二人から未来を切り開く方法と心構えを学ぶ“とあります。
著者の國貞克則氏は、米国クレアモント大学、ピーター・ドラッカー経営大学院でMBAを取得しています。ドラッカーの『創造する経営者』にある4つの分析で事業を理解するに出てくる「知識分析」の理解できずいましたが、わかりやすい説明があり助かりました。渋沢栄一が紙幣の顔になることの意味も分かり「希望」が湧いてきました。すばらしい本です。

『BCG戦略コンセプト』水越 豊 著

ダイヤモンド社発行 2003年11月13日第1刷発行 2004年2月13日第5刷発行

(P56)
1……戦略的セグメンテーションとは何か
●……すべての顧客が利益になっているのではない
 日本において特定のセグメントに的を絞った商品開発・マーケティングが脚光を浴び始めたのはここ10年ほどのことである。それまで多くの企業は、「お客様は神様です」という言葉通り「すべての消費者を大事にしなければならない。だから、みんな一緒に平等に扱わなければならない」という理念にもとづいて経営していた。市場がどんどん成長している時代には、むしろこのやり方は理にかなっていた。なぜなら、どんな顧客でも大事に扱っておけば、そのうち大きな利益に結びつく可能性があったからである。仮に社会にでたばかりで1人暮らしのサラリーマンは、現時点では数か月に1度、電球を買うだけの少額の顧客だとしても、5年、10年と年を経るごとに給料も増え豊かな生活を送るようになれば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン……と、次々に商品を購入し、さらにはそれらを買い替える高額の顧客へと成長していく。つまり、このような将来がある程度予測できる時代には、すべての消費者を潜在顧客とみなし、電球1個のお客様を重視することが、ある意味では戦略的であった。
 しかし、右肩上がりの成長がもはや望めず、消費者ニーズが短期間で変化し、かつさまざまに細分化しつつある状況下では、潜在顧客に対して広くまんべんなくサービスすることはコストの増大を招くばかりだ。なぜなら、すべての顧客を平等に扱ったとしても、すべての顧客が平等に利益をもたらしてくれるわけではないからである。また、画一的な商品・サービスではどの顧客も不満という結果になることが多い。
 そこで求められるのが、従来のように消費者や市場を全体として十把一からげに扱い、全消費者に共通したマーケティングを展開するマス・アプローチではなく、市場や消費者をさまざまな軸で分類しそれぞれに異なったマーケティングをしていこうというセグメンテーションのアプローチである。戦略的セグメンテーションは、顧客によってニーズや商品・サービスの価値、経済が異なるという認識を前提とする。平たく言えば、儲かるセグメントと儲からないセグメントをきちんと把握し、それぞれの経済性に応じた合理的対応を考え、実行することである。

 この本は10年ぐらい前に盛岡のジュンク堂で買いました(その時弘前市に店舗はありません)。BSCと戦略参謀にのめりこむきっかけになった本です(笑。
セグメンテーションとは市場を細かく分け、ニーズごとにグループ化すること。販売管理のシステムで様々な分析ができるのですが、ほとんどの会社が請求管理だけに使っています。
 最近、withコロナという言葉をよく聞きますが、withコロナには「守り」と「攻め」があります。「攻め」はこの本にあるように、儲かるセグメントと儲からないセグメントをきちんと把握し、それぞれの経済性に応じた合理的な対応(→売上金額ではなく、限界利益と固定費を差し引いて貢献している市場なのか)を考え、実行することが必要です。これから、具体的なやり方を提案します。

シンプルに生きる『老子』 監修 愛知教育大学名誉教授・皇学館大学名誉教授 野村 茂夫

リベラル社発行 2016年10月27日初版 2018年6月14日再版

(P34)人に力を発揮させる社会は活性化する
 天下に忌諱(きき)多くして、民弥(いよ)いよ貧(ひん)に、民に利器(りき)多くして国家ますます昏(くら)し(第57章)

 生まれながらにして、人は自由です。自由があるということは、他のものに邪魔をされず、自分の気持ちのまま行動することができるということ。そして、人は自由であれば、創造することを本能的に好み、誰に言われるまでもなく工夫をし、世の中に小さなプラスを生み出そうとします。実際に、そのようにしてこの世の中を発達させてきた歴史があるのです。
 それを「あれも禁止、これも禁止」と禁令ばかり出していれば、人の創造性は失われ、意欲も徐々になくなっていきます。人に本来備わっている創造性を削ぐことなく、能力を存分に発揮させることが、社会に活力を生むのです。

 新型コロナウイルスという未曽有の体験。「緊急事態宣言を25日全面解除の諮問」という、久々の明るい話題が聞かれます。「あれも禁止、これも禁止」という状態が続き、新しい何かを考えだそうとする「創造性」を失ってしまった人が多いのではないでしょうか。旺盛な意欲があったから事業を始めたはずです。今一番必要なのは創業当時のことを思い起こし、これから始めるという強い気持ちを持つことではないでしょうか。老子(ろうし)は、中国春秋時代の哲学者と言われていますが、確かなことはわかりません。私は、難しい書物を読む知識がないのでリベラル社のシリーズを机のそばに置いています。
コロナの後の取組みとして、販売管理データに着目しました。これまで「どこに何を売ってきたのか」そしてこれから「どこに何を売るのか」会計データと販売管理データを分析し、「現状」から「あるべき姿」を考えるべき「時」です。

「業種別AI活用地図」本橋 洋介 著

株式会社翔泳社発行 2019年11月6日初版第1刷発行

(P2) はじめに
 さまざまな用途のAIが研究・開発されています。このように多様な用途のAIが実現されていることから、AIのビジネス活用や実社会への適用についても、多数の取り組みが行われています。設備メンテナンス、在庫管理、広告最適化といった以前から行われていたことが進化するだけでなく、自動運転や信用スコアなど、AIによって新しい活用例も増えています。しかし、AIの活用は思うように進まないことがあるのも現状です。PoC(仮説検証)と呼ばれるトライアルを実施したが想定した制度が出ない、投資対効果が見込まれないなどの理由から途中で停滞してしまうプロジェクトもおおくあります。
 これは、AIやそのもとになるデータ活用についての企画の段階で、自社や組織の中の課題に対して俯瞰的に考え、どのデータを蓄積し、どの業務を改善するAIを開発していくのかのロードマップが適切に作られていないことが原因の一つであると筆者は考えます。また、データの収集・蓄積と、その可視化や基本的な設計などで業務を改善していくことが最初のステップであるにもかかわらず、これらを行わずに難しいAIを開発しようとすることも、うまくいかない原因のひとつです。
 そこで、本書では、業界・業種別に、どのようなデータ活用・AI活用が考えられるのかをマップ形式で整理しました。また、業種別にどのような活用事例があるのか示しています。さらに、一部の活用例においては詳細な方法や開発時のノウハウについて解説しています。

 最近、5Gについての報道がBS放送であり、HUAWEI(ファーウエイ)の戦略を初めて知りました。私は、5Gとは何か?導入によって何が変わるのか?全く知識がありません。ネットで確認すると「4Gが「スマートフォンのためのモバイルネットワーク技術」だとするならば、5Gは「社会を支えるモバイルネットワーク技術」といわれています。あらゆるものがインターネットに繋がるIoT時代を迎え、幅広いユースケースが想定されるためです。」という説明がありました。
 AI活用でこれから仕事のやり方は大きく変わる。どんな業種でどんなことがおきるのか?それを知りたくてこの本を書店で見つけました。AIは、内部環境を変革するためにどのように活用するか、という視点でとらえ、4月から導入が予定されている5Gは、外部環境の変化への対応を要求しています。
 この本にあるように、AIで難しいことを開発するのではなく、「データの収集・蓄積と、その可視化や基本的な設計などで業務を改善していくこと」を最初のステップと考え、進めるのが大事です。8業界36業種のAI導入事例があります。

「なんのために勝つのか」廣瀬 俊郎 著

株式会社東洋館出版社発行 2015年12月24日初版発行 2016年2月12日第4刷発行

(P55)逃げたら、同じ壁
 人生において、なかなかうまくいかないことがある。そんなとき、ぼくはある言葉を思い出す。
 「逃げたら同じ壁」
 人は何かをするとき、必ず壁にぶつかる。その時に、どうするか。壁の高さに気をくじかれて諦めてしまうか、とりあえず迂回する道を探ってしまうか…
 僕はまず、いったん落ち着いて考える。ここで諦めてしまっても、いつかまた同じ壁にぶつかるかもしれない。だとするならば、今回で乗り越えてしまったほうがいい。そして覚悟を決めて真正面から挑戦する道を選択する。
 壁を乗り越えた時の新しい世界を見たい。きっとの伊超えても、また次の高い壁が現れるだろう。でも、またそこにチャレンジできる自分が好きだ。その壁を越え、さらにレベルアップした自分に出会えると思うと、ワクワクしてくるのだ。
 壁の乗り越え方は人それぞれだと思う。正解はない。僕の場合は、ただ忍耐強くやるだけである。ひたすら考えて、行動して、自分を信じて続ける。糸口すら見えないことも多いけど、自分ができることはすべてやる。
 あとは、信頼できる人に客観的な意見を求めることもある。逆にいい加減な人の意見には耳を貸さない。変に流されてしまいかねないから。

 著者はラグビーの日本代表平成12年にはキャプテンとして推薦されています。久々にジュンク堂に行き、見つけた本です。ラグビーワールドカップ2019日本大会は熱い想いで観戦しました。諦めない、ワクワクする気持ちで壁に挑む!年を重ねるごとに忘れていました。「壁」にぶつかって今日の1ページ休んでいたのですが勇気をもらいました。
 まだ12月はじめ、年末までしぶとく頑張ります。戦略ナビの新たなテーマをキャプランの「戦略を現場のことばにする」と決めました。OUTPUTを実践します。

「儲かる会社の方程式MQ会計×TOCで会社が劇的に変わる」相馬 裕晃 著  監修 西 順一郎

ダイヤモンド社発行 2019年8月21日

(P103)
 MQ会計とは、付加価値を重視した経営の指標であり、TOCは、付加価値を増やすための具体的な思考方法なのです。
 MQ会計でボトルネックになっている要素(売価、販売数量、変動費、固定費、在庫)を特定して、TOCの考え方を使って、そのボトルネックが解消され、企業の業績が劇的に改善していくという仕組みです。
 本書の舞台となっている千葉精密は架空の会社ですが、本文中のストーリーはすべて筆者のMQ会計×TOCを活用したコンサルティングの実体験をもとに創作したものです。
 実際に、製造業だけでなく、建設業、小売業、卸売業、飲食業、運輸業等、業種を問わず、企業規模も売上規模2億円の中小企業から4兆円を越す大企業まで、多くのクライアントがこれにより業績を向上させる仕組みができています。
 MQ会計×TOCの効果は実証済みです。MQ会計とTOCの2つが揃うことで、会社経営の車の両輪として相乗効果を発揮し、業績が向上していくのです。
 つまり、MQ会計×TOCi =「儲かる会社の方程式」ということができます。
 MQ会計×TOCという手法を学ぶことで、皆さんが現場のリーダーやイノベーターとして、業務改善や経営改革をリードしていただくことを願ってやみません。
 また、マネジメントゲームやTOCセミナーを受講した経験がある読者にとっては、本書によって、MQ会計やTOCの理解をより一層深められるでしょう。

 「あとがき」の一部だけの紹介です。本の内容は「経営者失格」の烙印を押された27歳の女性社長が、会計とTOCを学んで1年で黒字化に挑むストーリーで書いてあるので、読みやすく一気に読んでしまいました。読み終わって、ビジネスの共通言語は「会計」であること、制度会計には不都合な真実(見せかけの利益)があること、コストを下げることは、必ずしも利益やキャッシュを増やすことには繋がりません(P129)にある「原因」と「結果」の追求例…等、目からウロコの連続でした。これまでBSCの仕組みを戦略ナビcloudにしてきた取組を論文にする必要があり、やってきたことをまとめ終えた、いいタイミングでこの本に出合うことができました。MQ会計+TOC+BSC=「儲かる経営」がこれからのテーマになりました。


iTOCは、業績を阻害している原因(ボトルネック)を集中的に改善することによって、業績を「劇的に改善することのできる経営理論」です。(本のP292に記載)

「社員第一、顧客第二主義 ―サウスウエスト航空の奇跡―」伊集院 憲弘 著

毎日新聞社発行 1999年1月30日第2刷

(P103)
 この“社員第一、顧客第二”というスローガンは決して“お客様はどうでもいい、大切なのは社員なんだ”という意味ではないことをはっきりしている。
 社員が、心からお客様第一に徹してくれるには、まず、社員全員が“自分たちは会社から大切に取り扱われている”という実感を持てるように努めるというのが、ケレハー社長以下の経営の姿勢であることを具体的に表しているのだ。
 ケレハー社長は、口に出したことは必ず守り、実行する人だということは社員誰もが知っている。ケレハー社長の“社員第一、顧客第二主義”を自らが実践している例として次のようなことが挙げられる。
 サウスウエスト航空の型破りなサービスに対して、全ての利用客が歓迎しているわけではない。乗客の中には、いろいろと難癖をつけてくる人も当然いる。ある日、一人の利用客のクレームレター(苦情の手紙)がケレハー社長のところにまわってきた。苦情の内容は“客室乗務員のサービスぶりについて少しばかりおふざけが度を越しているのではないか”というものであった。
 この手紙に目を通したケレハー社長は自らペンをとり、次のような返事を書き、サインしてその手紙の送り主に送ったという。
 「私どもは、客室常務員に対してユーモアのセンスを持って、みずからも楽しみながらサービスをするように言っております。もし、あなたが私たちの乗務員のサービスがお気に召さなければ、どうぞ次回からは別の航空会社をご利用ください。私どもは今のやり方を変えるつもりは毛頭ございませんので、さようなら」。CEO(最高責任者)で会長兼務社長がここまでやる企業が他にあるだろうか?
 “社員第一”が実は“顧客第一”と表裏一体であることは、サウスウエスト航空のひとりひとりの社員が十分に理解しているのである。
逆にケレハー社長以下のマネジメントたちは、そのことがわかっているので、社員たちのおふざけがあくまでユーモアセンスを活用した許容範囲内であるということを重々承知し、信頼しているのであろう。

 サウスウエスト航空は、アメリカテキサス州ダラス市を根拠地としている格安航空会社。運航開始までの法定での争い、運航開始後のライバルとの闘いを経て、格安航空会社の雛形になっています。家族的な社風と独特の企業文化でも有名です。今日の1ページは、ビジョンを現実にするには、ビジョン実現のプロセスが最も大事。その鍵はこの1ページにあると気づきました。対応を間違えると、顧客のクレーム(わがまま)を重視し、ビジョン実行の風土を自らこわしてしまうことになります。

「無印良品のPDCA」良品計画前会長 松井 忠三 著

角川書店発行 2013年8月30日3版発行

(P003)
はじめに
 「社内に仕組がない」「組織に実行力がない」
 年間100回を超す全国の講演先で、経営者や経営幹部、管理職の皆さんから寄せられる悩みの多くは、つきつめるとこの2つに集約されます。
 たとえば、会社や店舗に仕組みやマニュアルがなく、それぞれがばらばらのやり方、レベルで仕事をしているような現況はどこでも決して珍しくありません。そこに異動で新しい店長、支店長、マネジメント層が着任したらどうなるか?当然、それまでのやり方はガラット変えられて新しい責任者のやり方で一からのスタートを強いられます。そのあおりを食うのはいつでも現場の部下やスタッフたち……。こんな状況では、組織の成長など望むべくもないでしょう。経営幹部や管理職の方々から現場にいたるまで、それに気づいているからこそ冒頭のような「悩み」が生まれるのですが、かといってそれを打破する実行力もない。今、多くの組織はこんな状況に陥っているように見えます。
 ならば、まずは手っ取り早く他社の優れた仕組みやマニュアルに倣って同様の仕組みを社内で展開すればよいのではないか。そう思うかもしれません。実際に、「いくら払ってもいいから無印良品のマニュアルをもらってこいと社長に言われて来ました」と言われて驚いたこともあります。マニュアルに対する理解が根本から違うのです。他社の取り組みを自社仕様につくり変え。“血の流れるレベル”までにものにできる会社は100社に2社もないのです。なぜなら、「仕組み」にしてもマニュアルにしても、一度つくれば未来永劫効果を発揮するようなものではなく、絶えず手をかけて、ようやく根付き、現場で機能するものだからです。無印良品のマニュアル「MUJIGRAM(ムジグラム)」も同じで、いまも社員の自発性に基づいて日々改良を続け、現場で「使える」状態にアップデートされ続けています。この仕組みを組織全体でやりきるには、実行力とそれを支える風土「社員の意識」が必要なのです。
 残念ながら、それらを促進するための妙薬などありません。ただひたすら当たり前のことを当たり前に続けたことが結果に結びついたにすぎません。

 「PDCAの本」何冊も読んでいますが、この本は「アナログ手帳とPDCAの切れない関係」という序章から始まっています。著者が、Check(評価)に前年の手帳を使い、100%実行されるまで手帳で追いかけ、PDCAをともなったスケジュール管理を実行してきた「やり方」が書いてあります。「計画5%、実行95%の組織が強い、計画は、あくまでも実行するための実行計画であるべきだ」。良品計画の本を集中して読み、頭が無印になりそうです…(笑。戦略ナビ活用の意義がまた一つわかりました。ツールは定石!それを使い続けて勝ち続ける仕組みをつくること!

「4倍速で結果を出すチームリーダーの仕事術」株式会社あしたのチーム 代表取締役会長 高橋 恭介 著

㈱PHP研究所 2019年3月19日第1版第1刷発行

(P26)
◆なぜPDCAがうまく回らないのか?
 チームリーダーが、4倍速でマネジメントサイクルを回していく際に基本となるのが、PDCAです。PDCAは言うまでもなく「Plan」「Do」「Check」「Action」
の頭文字をとったものであり、ビジネスを行う際の基本ですが、うまく回すことができていない企業や組織が多いと感じています。
 本書では、第3章から第6章までの四つの章で、「4倍速のチームリーダーになるために、PDCAのそれぞれを段階で行うべきこと」を解説していきますが、ここ(序章)ではPDCA全体に対する私の考え方を簡単に述べておきたいと思います。
 PDCAをうまく回すことができていない企業を見ていると、そもそもPDCAを1周回すことができていないケースがほとんどです。
 たとえば、Planとして目標や計画を立てても、その目標や計画が適正かどうかの議論や検証に終始してしまい、Doが行われていないケースが散見されます。いわば、PCPCの連続で、大事なDoがないのです。これは、大企業に多いケースなのかもしれません。
 これに対して、中小企業でよく見かけるのが、PDPDの連続でCheckがないケースです。Cがないために、目標や計画に対しての実行度合の評価や検証が行われていません。これでは、目標が高すぎたり低すぎたりしても、それに気づくことができないだけでなく、実行段階のやり方の何が良く、何が悪かったのかもわかりません。
 Cがなければ、Actionとしての改善もありませんから、いわゆる「やりっぱなし」になってしまうためレベルが上がっていかないのです。PDPDでは同じところを行ったり来たりしているだけです。
 同様にPDCAを形式上は回せていても、それがレベルアップにつながっていないケースあります。これは、CAが形ばかりで質が悪いのです。これでは、せっかくPDCAを回しても意味がありません。PDCAは本来、らせん階段を上るように回転すればするほど上へ上へと上がっていくべきものなのです。

 「あしたのチーム」人事評価で良く聞く名前です。前回の武蔵野小山社長の本と同じくおすすめの本です。私が今、興味を持っているのは、スピード感のあるPDCA。4倍速のPDCAとは、1年を4半期にわけ3ヶ月単位でPDCAを回すという意味でした。詳細は、本で確認してください。PDCAを回す前にリーダーとしてどうあるべきか、という事もわかりやすく書いてあります。高橋会長の本は以前「人事評価制度だけで利益が3倍上がる!」を読んでいます。この本も勉強になったのですが、以前から学んでいる成長支援制度と似ているので同じような考えだな…という程度に理解しただけだったのですが、「4倍速で成果を出す…」を読んで違いが良くわかりました。「明日の人事評価」の前提には会社が成果を出すための仕組みがあります。読んで実践する価値があります。いい本に出会えました。