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『渋沢栄一とドラッカー 未来創造の方法論』國定 克則 著

株式会社KADOKAWA 2020年11月初版発行


(まえがき)P5 6行目~P6 10行目まで
ビジネスの分野で、本質を理解するために学ぶべきとして挙げられる人の中に、必ずでてくるのがピータードラッカー(1909~2005)だ。ドラッカーはいつも物事の全体像とその本質を示してくれる。
 彼は「マネジメントの発明者」として、マネジメントの全体像とその本質を整理した人だ。世の中にはドラッカーは古い人だと思っている人もいるようだが、彼は「知の巨人」と呼ばれ、社会の生態を見続けた人である。ドラッカーは、マネジメントの本質を理解しただけでなく、変化の本質、未来の本質、そしてその本質から導き出される未来創造の本質についても整理してくれている。
 そして、そのドラッカーがビジネスの本質を理解していた人物として高く評価していたのが、渋沢栄一(1840~1931)である。「資本主義の父」とも呼ばれている。
 この二人には共通点が多い。ビジネスに対する考え方も似ているし、変化の時代に大きな成果をあげたという点でも似ている。共に物事の本質を見極めていた人たちなのだ。
 さらに、ドラッカーは渋沢栄一を高く評価していただけでなく、日本という国に惚れていた。なぜなら、ドラッカーが大切にしていた「本質を見極める」という能力に秀でている民族が日本人だったからだ。
 ドラッカーは、日本という国は他の国とは違う独特な特徴を持っていると言う。その日本が伝統的に持っている特徴の説明は本文に譲るが、その特徴が大きな変化の時代に未来を創っていくための重要な武器になるのだ。
 本書は、大きく3つのテーマに分かれている。この3つはそれぞれに関連している。共通することは「全体像とその本質」である。そして、この3つを理解していただくことが、大きな変化の時代に未来を切り開くための手がかりになると思う。
1.渋沢栄一とドラッカーの未来創造
2.ドラッカーに学ぶ未来創造の考え方と方法論
3.日本人の根底に流れる考え方

 この本は、(まえがき)によれば、新型コロナウイルス感染症が発生する前から書き始めたものです。テーマは「未来創造の方法論」、本の帯には、“正解のない時代にビジネスと向き合った偉大な二人から未来を切り開く方法と心構えを学ぶ“とあります。
著者の國貞克則氏は、米国クレアモント大学、ピーター・ドラッカー経営大学院でMBAを取得しています。ドラッカーの『創造する経営者』にある4つの分析で事業を理解するに出てくる「知識分析」の理解できずいましたが、わかりやすい説明があり助かりました。渋沢栄一が紙幣の顔になることの意味も分かり「希望」が湧いてきました。すばらしい本です。

『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の社会をつくり変える』 富山 和彦 著

2020年6月25日 株式会社文芸春秋社発行


(P211)
CXモデルの萌芽―ラグビー日本代表はなぜ結果をだせたのか
 昨年のラグビーワールドカップで日本代表が一次リーグで優勝候補のアイルランドを破り、決勝トーナメントに進むという大活躍を見せ、チームコンセプトOne Teamという言葉が一つの流行語になった。もともとチームワーク指向の日本人の嗜好に合ったこともあるが、このOne Teamは決して同質的で固定的で調和的な集団ではない。人種、国籍、バックグラウンドそして世代も多様で、当然ながら代表の一員になることも、出場することも、チーム内の役割分担という規律を前提にした厳しい競争原理にさらされ、誰も鉄壁の指定席は持っていない。ヘッドコーチとチームメンバー、そしてチームメンバー同士の軋轢、緊張も相当のものらしい。戦うプロ同士なんだから当然だ。浅薄な調和重視でなあなあでやり過ごすと後で厳しいいしっぺ返しが待っている。
 ちなみにこれは連合総研理事長の古賀伸明さん(前連合会長)が故平尾誠二さんから聞かれた話の受け売りだが、ラグビーの有名な格言 one for all ,all for oneについて「一人は皆のために、皆は一人のために」という後半部分は間違いで、この言葉の原義は、最後のoneはチームとしての勝利を意味していたそうである。ラグビーというスポーツが英国のエリート養成、ほぼすなわち軍人要請期間であるパブリックスクールで発信したことから、言葉の甘っちょろさに違和感があったのだが、古賀さんからその話を伝え聞いて大いに納得である。
 あのチームのすごさはこれだけの多様性とメンバーの流動性を持っていながらも、One Teamとして機能したことである。おそらく人種や国籍の多様性においては、日本代表は出場チームの中でも上の方だったのではないか。そして指揮官もニュージランド人である。当然のことがら、いきなりそんな混成メンバーを世界中から集めてチームを作っても機能するわけはがない。ラグビー界は、長年にわたり高校生ぐらいから外国人を受け入れ、大学、社会人に至るまで多くの外国人が活躍してきた。ラグビー界自身の持続的な内なる国際化、多様性というトランスフォーメーションの努力があったからこそ、多様性とOne Teamが機能したのである。まさにCXの成功モデルここにありなのだ。どんなに敏捷性、勤勉性、チームワークを鍛え上げても、日本代表が典型的な日本人種だけで構成されていたらあんな活躍はあり得ない。圧倒的な対格差は克服不可能だったはずだ。
(中略)

 今からでも遅くない、グローバル市場で戦っている企業は、とにかく経営幹部候補の国別、性別、年齢の多様性を実現することに本気で取り組むべし。彼らが日本の労働慣行や給与体系に馴染まないなら、それを変えるべし。日本国内の法制度が邪魔なら、海外で働いてもらうべし。たいていのことはリモートですむことは、今回のコロナショックで実証済みだ。(後略)

 前回掲載した「どんぶり経営病→分ける化→見える化」を進めることが必要でも、これまでのような「財務分析」や「管理会計の活用」だけで課題解決はできない。脱どんぶり経営のstepは、『創造する経営者』(ドラッカー著 P160)に記載があるように、①業績をもたらす領域の分析、利益と資源についての分析、②コストセンターとコスト構造についての分析、③マーケティング分析、④知識分析と進めることが必要です。
 このような取り組みができる人材を中小企業の多くは抱えていません。また、人材育成して取り組むまでの時間はありません。ラグビーチームのような発想で外部(認定支援機関や公的機関)を活用すると、多様性というトランスフォーメーションが可能になります。

『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の社会をつくり変える』 富山 和彦 著

2020年6月25日 株式会社文芸春秋社発行


(P290)
中堅・中小企業の基礎疾患(3)-どんぶり化→分ける化→見える化
 中堅・中小企業は、経済的な組織能力の弱さと、ビジネスモデルの特性上、どんぶり勘定になっている場合が多い。もちろん最低限の帳簿は、主に納税時の申告書類と銀行からの借り入れ時に審査書類とでぃて出す帳簿書類を作るために取っている。しかし、経営上に生かすためのデータとして、経営管理や生産性指標をとるレベルの経営数値把握ができているケースはまれである。
 また、サービス産業は固定費型のビジネスが多く、個々のサービスにかかるコストの多くは把握できず、その配布基準に合わせた業務データをとらないとコストの振り分けができない。最近はIT技術を使えばかなり自動的にエータを取って実作業ベースのコスト(ABC:Activity Based Costing)をとらえられるようになっているが、中堅・中小企業の多くはITリテラシーも低く、結局、どんぶり勘定になってしまうケースが多い。
 一方、製造業はモノにコストを張り付けられるので、なんとなく原価を把握しているような気持ちになりやすい。しかし、多品種生産になってくると、標準原価の基準が雑になりがちな上に、第4章で指摘したように製造業でも共通固定費のマネジメントが実は最終損益を大きく決定づけていて、中小企業に多い下請け的なビジネスモデルではそれが顧客対応で発生しているケースが多い。そうなると営業経費や固定経費を配布して顧客別損益を見ないと、真の姿は見えず経営上の施策は反映できない。一見、製造業に見えてもB2Bの「ものづくり」サービス業という傾向が強いということである。

 とにかく、何が起きているのかを把握できなければ生産性向上のやりようがない。そこでまず手を付けるべきは、「分ける化」「見える化」である。生産性を上げようと思えば、分けて見えるようにしないと思索が出てこないからである。
バス事業であれば、路線側の収支であったり、バスごとの収支であったり、運転手それぞれの生産性だったり…。そのためには指標を設定し、きちんとしたKPIを図れるようにする必要があるわけだが、そうなるとどう測るか、という問題が出てくる。

 この本は第18回RINGS(秋田)未来会計セミナー「コロナ禍における経営のポイント」で主催した武田先生のお話を聞き、購入しました。「コーポレート・トランスフォーメーション(CX)」の意味は…P220に著者が「難しい継続的な改革」と表現していました。見出しは、「中堅・中小企業」となっていますが、私は中小企業を対象に記載していると読みました。
最近、CX、DX(デジタル・トランスフォーメーション)とういう言葉をよく聞きます。これからの経営を考える上で、避けて通れない言葉です。私達、中小企業は、どんぶり化を抜け出す、「分ける化」「見える化」から始めましょう。

『会計事務所の経営支援―経営会計専門家の仕事―』澤邉 紀生・吉永 茂 著

(株)中央経済社 2020年11月1日第1版第1刷発行


はじめに
 今日、我が国の中小企業の多くは、以下の3つの経営課題に直面している。
①円滑な事業承継
②企業の収益向上
③自社に合った経営管理の仕組みづくり
 経営管理の仕組みが構築され、トップの強いリーダーシップの下で全社員が共同体意識をもって日々の業務に励めば、自ずと企業の収益性は向上し、その結果、親族内承継やM&Aも進むことになる。
 しかし、大企業と違って、経営資源に限りのある中小企業がこの取組みを自社だけで完結させるのは容易ではない。経営者の最も身近な専門家である税理士、公認会計士(経営会計専門家)の支援が不可欠である。
 今般の「新型コロナウイルス感染症」の広がりにより、上記3つの経営課題解決の必要性と緊急度は全国的に高まっている。今こそ、すべての経営会計専門家は、「税務」、「監査」といった独占業務の専業から経営支援業務へも軸足を拡張し、地域経済の活性化に貢献すべきである。
 本書は、経営を支援してきた実務家と会計学の研究者による共著である。企業のわかりやすい実例を通じて、自洗的なノウハウだけでなく理論的な考え方の基礎も学んでいただける構成になっている。経営会計専門家だけでなく中小企業のオーナーの方や金融機関の方々等にも読んでいただきたい。
 経営改善に何らかのヒントを与えることができれば、著者としてこれにまさるものはない。

 経営支援を目指す会計事務所待望の書です。実務家会計学の研究者による共著の特徴として、P14に本を読み進めるための基礎知識が解説してあります。顧客企業の経営を理解するための2つのツール(デュポンチャートとROICツリー)と両者の関係性。そしてビジネスモデルを理解するための便利なフレームワークとしてビジネスモデルキャンパスが紹介され、その使い方が解説してあります。
 チャネルと顧客との関係まで俯瞰できる「ビジネスモデルキャンパス」は、私がこれまで学んだことのない知識で、経営上のよくわからない不安を取り除き、ビジネスモデルを見直すためのツールです。この本を読み、会計事務所の所長と職員が対話することにより、経営支援業務の主観的な知識を言語化することができます。会計事務所の教科書です。

『リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書』「DX(デジタル変革)を推進する人材がいない」白川 克 著 kindle版

日経BP社

(P60)
企業に共通する課題、解決策はただ一つ
リーダー育成とビジネス変革の2兎を追え!
「企業の変革を担う人材がいない」。多くの企業に共通する悩みですが、解決策は一つしかありません。ビジネス変革プロジェクトを推進する中で、変革リーダーとなり得る人材を育てることです。
そんな二兎を追う「育つ変革プロジェクト」の第一人者が、具体的な事例とともにノウハウ・方法論を詳細解説しました。特にデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業の経営層やマネジャー、プロジェクト担当者には必読の一冊です。
今、ビジネスのデジタル化、グローバル化が急速に進んでおり、企業やそこで働くビジネスパーソンはこれまでのビジネスのやり方を変えていかなければ、激しい競争に勝ち残っていくことができません。なかでも、デジタルによるビジネス変革を意味するDXは喫緊の課題です。
ところが多くの企業は「変革プロジェクトを担うリーダーがいない」「変革プロジェクトをやったことがないので、リーダーを育てられない」というジレンマを抱えています。それを一気に解決するのが、育つ変革プロジェクトです。
本書では住友生命保険などの事例を基に、育つ変革プロジェクトとは何かを解説したうえで、プロジェクトの立ち上げ方や推進方法、その中で人材を育成するためのノウハウ、プロジェクトの成果を会社全体に広げるやり方などを詳細に解説します。これらは、著者らが10年以上にわたるコンサルティングの実践で培った方法論です。一読すれば「なるほど! これならできる」と腑に落ちて、即座に実践できるはずです。

Kindle版の紹介文をそのまま掲載しました。
経済産業省がデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進しているサイトです。https://www.meti.go.jp/policy/digital_transformation/index.html
2020年8月27日付の情報ですが、「「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」を設置します」という記載があります。研究会の趣旨と背景は
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200827001/20200827001.html
上記にありますが、アフターコロナを前提とした取り組みです。
□企業の変革を担う人材育成
□コロナ禍における企業の事業環境の変化を明らかにし、産業界において戦略
的な展開を進めていくために必要となるDX(経産省記載分引用)

 人材確保が課題の私達中小企業に、このような取り組みができるでしょうか。書店で『いちばんやさしいDXの教本』を買って読みましたが、答えを見つけることができませんでした。
ZOOMを使って実施した、日本経営会計専門家研究学会と共催の「会計データと製品市場分析を組み合わせた経営戦略分析」という研究部会が終わり、次の課題はDX。中小企業に、DXの情報を会計事務所だけで提供することはできません。公的な認定支援機関・中小企業診断士・社会保険労務士等と連携した取り組みが必要な時代になりました。

『経営者に贈る5つの質問』P.F.ドラッカー 著 訳者 上田 惇生

ダイヤモンド社発行 2009年2月19日第1刷発行

(P37)
質問2「われわれの顧客は誰か?」へのいくつかの追加質問
われわれの顧客はだれとだれか?
・顧客リストを作成したか?非営利組織であるならば活動対象としての顧客のリストに加え、パートナーとしての顧客のリストを作成する。(ボランティア、有給スタッフ、会員、寄付者、委託先)
・われわれはそれぞれの顧客にいかなる価値を提供しているか?
・我々の強みと資源は、それらの顧客のニーズにマッチしているか?もしマッチしているとすれば、それはなぜか?マッチしていないとすればそれはなぜか?
われわれの顧客は変化したか?
・われわれの活動対象としての顧客はどのように変化してきたか?(性別、年齢層、家庭環境、薬物禍、災害)
・それらの変化は、われわれの組織にとって、どのような意味をもつか?
顧客を増やすか減らすか?
・現在の顧客のほかにどのような顧客がありうるか?それはなぜか?
・われわれには彼らの役に立つどのような能力があるか?
・顧客のうち、もはや相手にしないでよい顧客は誰か?それはなぜか――彼らのニーズが変化したからか、われわれの資源に限りがあるからか、他の組織のほうが優れた仕事をしているからか?顧客のニーズとわれわれのミッションあるいは能力がマッチしないからか?

 戦略策定にあたって、製品、市場、流通チャネル(販路)の分析をする必要があります。売上高の順に商品ジャンルを並べて売上管理の仕方を決めるABC分析という手法がありますが、最近、これを市場(顧客)分析に使い、A分類:上位2割の顧客、B分類:次の6割の顧客、C分類:下位2割の顧客に区分して、利益貢献分析をしました。やってみて、売上ではなく、粗利益(売上∸原価)をもとに計算したほうがより実態を把握できることがわかりました。
 ➀市場別粗利益金額-(製造変動費+販売変動費)=市場別限界利益
 ➁市場別限界利益-(製造人件費+販売人件費)-(製造固定費+販売固定費)=市場別営業利益
 市場別限界利益や市場別営業利益を計算する過程で、直接経費と間接経費を配布するとき、工夫が必要ですが、この計算をすることにより、とるべき戦略が見えてきます。ドラッカーの「われわれの顧客は誰か?」の追加質問に答えることが可能になります。

『コトラーのマーケティング講義』フィリップ・コトラー著 監訳者 木村 達也 訳者 有賀裕子

ダイヤモンド社発行 2004年10月第1刷発行

(P214)
病院に行くと、決まった手順に沿って検査をして、健康状態に問題がないかどうか検査してくれますよね。では、企業が自社のマーケティングについて健全性を知りたい場合にはどうすれば良いのでしょうか?

かつてトム・ピーターズは、店舗やオフィスを訪れて15分もそこに居れば、健全性を判断できる。と述べました。私自身は、「マーケティングを成功させるための十戒」を守っているかどうかで、企業を評価しています。この十戒については、詳しくはTen Deadly Sins of Marketing Signs and Solutions (John Wiley & Sons)を参照してください

1、市場セグメンテーションを行って最も望ましいセグメントを選び、核セグメントに強固な地位を得る。
2、顧客のニーズ、考え方、嗜好、行動などを分析したうえで、顧客に奉仕して満足をもたらすように、さまざまな利害関係者に働きかける。
3、どの企業が主な競争相手であるかを見極め、その強みと弱みを知る。
4、社員、仕入先、流通業者など、主な利害関係者を事業パートナーとみなして、厚遇する。
5、事業機会に目を留め、評価を行い、最も魅力的な機械を選び出すための仕組みを設ける。
6、マーケティング・プランニングを管理して、長期、短期の両面で的確なプラン作りができるようにする。
7、製品ミックスやサービス・ミックスの管理を万全にする。
8、費用対効果の面で最も優れたコミニュケーション・ツールやプロモーション・ツールを用いて、強大なブランドを築き上げる。
9、マーケティングに秀でた企業としての地位を築き、部門間のチーム精神を育む。
10、絶えず新しいテクノロジーを取り入れて、市場での競争優位を保つ。

 最近、販売管理システムと会計データを組み合わせることにより「どうしたら、もっと顧客に貢献し、儲かる仕組みを支援することができるか!」という事に興味を持ち取り組んでいます。そして、マーケティングの用語、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングという言葉を思い出し、以前、買ってあるフィリップ・コトラーの本を読みました。戸惑っているのは、市場区分の仕方です。この本を読んで、8、費用対効果の面で最も優れたコミニュケーション・ツールやプロモーション・ツールを用いて、強大な無ブランドを築き上げる。9、マーケティングに秀でた企業としての地位を築き、部門間のチーム精神を育む。という項が参考になりました。試行錯誤を続けてみます。

『社員の力で最高のチームをつくる』ケン・ブランチャード+ジョン・P・カルロス+アラン・ランドルフ 著 星野リゾート代表 星野 佳路 監訳

ダイヤモンド社

(P20) 4 継続的イノベーション
このごろ、どこに行っても、会社「学習する組織」であり続けなくてはならないという意見を聞く。そのためには、全社員が、昨日より今日、今日より明日の不尾がよくなっている企業というビジョンを共有しなくてはならないと言われる。だが、つねに進歩し自らを乗り越えつづける組織をつくる等ということは容易ではない。まして社員の力でイノベーション――仕事の進め方であれ、製品やサービスであれ――を起こし続けることは至難の業といえる。しかしマイケルには、そうしたイノベーションを起こせない会社は死んだも同然だということもわかっていた。

 そこまで考えてきて、マイケルはますます心配になった。確かにコンサルタントの提案は正しい。会社を生き残らせるには、顧客と品質を優先し、収益性とコスト効率を高め、市場変化に迅速かつ柔軟に対応し、イノベーションを継続しなければならない。だが、どうすればそんなことができるというのか?
 そのためには全社員を目標に向かわせる方法を見つけなくてはならない、と何度も聞かされた。社員には、自分がオーナーであるかのような自覚をもって、あるいは起業家の気概をもって、仕事に取り組んでもらうことが大切だというのだ。社員のなかで眠っている創造的エネルギーを解き放ち、それでいて会社をコントロール不能にしてはならない。社員にはスキルと能力をフルに発揮させ、行動し決定する責任を与え、会社が先の4要件を満たすために働いてもらわなければならない、というのである。

 そう考えたとき、「エンパワーメントi 」という言葉が浮かんだ。マイケルにはこれが必要だとアドバイスしてくれた人もいた。しかし、それならマイケルはさんざん試み、ほとんど成果が上がらないという結果も見ていた。

 この本は、書店で見つけました。本の帯にあった、星野佳路のことば「私にとってもっとも大切な教科書だ」という言葉に惹かれて買いました。最近、“業績に連動する従業員満足度のあげ方”をテーマによんでいるのですが、バランス・スコアカード(BSC)に戦略目標やKPIとして表現するところまで到達できません。先日、来社頂いた大学の先生とBSCの活用事例について話し合ったのですが、「活用がうまくいっているのは、人を大事にする会社」というヒントが見つかりました。本の前書きに、監訳者は「今の星野リゾートは、この本がなければ存在しなかった。私の経営者人生で最も影響を受けたのが本書だ」と書いています。ES(従業員満足)とCS(顧客満足)を考えている方にお勧めします。


iエンパワーメント:自律した社員が自らの力で仕事を進めていける環境をつくろうとする取り組み。社員のなかで眠っている能力を引き出し、最大限に活用することを目指す。(本のP001にある説明を引用)

『新・従業員満足度 ES2.0』~業績に連動する従業員満足度の上げ方~ 藤原 清道 著

ビジネス・ベストセラー出版株式会社発行 2019年12月20日第1販第1刷発行

(P125) 11)従業員満足度アップのために帰るべきこと
 もし現状で、自社の従業員満足度が高いといえないのであれば、あらゆることを変える覚悟を持つことから始めるべきでしょう。
 つまり、経営者である皆さん自身の「意識」。これこそが、従業員満足度アップのために帰るべきことです。そして、その次が、既存従業員んの「意識」、特に幹部従業員の意識改革を優先してください。
 もし、今まで、従業員満足度よりも、売上利益の数字がさあい優先されてきた組織なのであれば、ある日突然啓江社の意識が、「従業員の満足度こそ企業経営において優先すべきである」と変わったとしても、幹部従業員や現場のスタッフからは、売上や利益が最優先であるという感覚は簡単に抜けず、さらに、幹部従業員による「能書きは売上利益をあげてから言え」という代えがたい空気が組織を支配していると思います。そんな社風を変えることは容易ではありません。
 売り上げや利益を追求することは、今までどおり変えずにいても構いません。しかし、なぜ売上利益を追求するのか、という「なぜ」をお互いに問うことの重要性を認識させるように、リーダーである皆さんが導いていくことが大切です。売上利益も、従業員の幸福度向上のため、そのような意識改革こそが、従業院満足度のための第一歩です。
 働く人が犠牲にならなければ、顧客や社会のためにならないような仕事と組織は、一人ひとりの意識の変化と、AIとロボテックスの進化によって、将来世の中からなくなっていくでしょう。働く人の、疲弊、疲労、苦痛、病の対価として給料や休日があたえられていたのは、もう過去のことです。
 近年、少しずつ、従業員満足度が世間に認知され、働きがい、やりがいのある組織づくりに、注目が集まるようになってきました。大変喜ばしいことです。しかし、まだまだ、目的と手段を逆にしてしまっている、つまり手段が目的化している会社が少なくないのも返上です。
 「なぜ、売上や利益を追求するのか?」
 それは、組織で働く従業員の幸福度向上のためです。そして、その従業員が組織を通じて提供する価値によって、顧客を満足させ、社会をよりよくしていく、これが筆者の価値観です。
 「なぜ、働き甲斐のある会社をつくるのか?」
 それは、売上や利益向上のため。企業のサステナビリティ「持続可能性」を向上させるため。こういう価値観もあります。こちらの価値観を持つ経営者のほうが今は主流だと思います。
 多種多様な価値観がともに認められている社会こそが理想と間上げている私は、どちらも間違いではないと考えています。ただ、組織のリーダーが、どのような価値観をもって企業経営をしているかをハッキリと内外に伝えていくことが重要なのであり、「従業員満足度アップのために」やるべきことなのです。
 そうすることで、働く人は、従業員満足度を目的と考えている会社を能動的に選択することができます。あなたは、どのような考え方をもっているでしょうか。また、どのような考え方を持つ人から選ばれたいでしょうか。

 ES(従業員満足)なくしてCS(顧客満足)なし。ESは、CSと深く関連しています、従業員が万全の健康状態でモチベーション高く仕事に取り組むことで業務の質が上がり、より良いサービスを顧客に届けることができます。
 この本は、ESとCSの関係をつなぐ業績評価指標(KPI)を検索してAmazonで買いました。まだ、答えは見つけていません。2つの指標の相関性を続けて勉強します。

「星野佳路お考えるファミリービジネスの教科書」発行者 伊藤 暢人

日経BP社発行 2019年11月25日初版第1刷発行

(P19)⬜アイデンティティーの確立と、父との衝突
私は、親子の対立を経て、社長に就任しました。
 創業家の長男として生まれ、ずっと「4代目」と呼ばれてきました。幼心に、自分の名前は「佳路」ではなくで「4代目」なのではないかと思うほど、そう呼ばれ続けたのには、周囲の期待があったのかもしれません。慶応義塾大学卒業後は、米国コーネル大学のホテル経営大学院に留学しました。旅館の跡取りとしての修行というわけです。
 実のところ、大学時代の私は、体育会のアイスホッケー部の活動に熱中してあまり勉強はしていませんでした。アイスホッケー選手として上手くなりたい思い努力した「アスリート」でした。だから、大学を卒業し選手生活を終えた途端、自分が何者かわからなくなるアイデンティティー・ロスに陥りました。
 そこから抜け出すきっかけとなったのが、米国への留学でした。
 ホテル大学院で学び、経営戦略やマーケティングの理論に興味を抱き、意欲的に学ぶうちに、「いい経営者になりたい」という新しいアイデンティティーを得ることができました。
「いい経営」の定義はさまざまあると思いますが、私が米国で得た考えは次のようなものです。社員の道ベーションを高く維持し、それが顧客満足、そして高収益につながる仕組みとなり、結果として長期的に持続可能な競争力をつくることができる経営。経営理論を大事にすることで、そんな好循環を生む強いチームをつくり、支援し、リードするのが「いい経営者」である。
 しかし、いざ帰国して知ったのは、父をはじめとする同族中心で経営していた家族の状況が、私の考える「いい経営」と真逆だという事実でした。
 1988年に私が入社した当時、経営が経済的に困窮する状態ではありませんでしたが、採用活動には苦労し、入社した社員の定借率は悪く、日々の運営スタッフの確保に苦労しておりました。収益力も低かったことから建物への投資も遅れ、バブル経済期に誕生した新しいリゾートとの差は歴然でした。結果的に顧客満足は低く、温泉旅館とし手の競争力は少しずつ低下していると感じました。
 私も同族の一員であり、この会社の経営を担当する立場にある以上、自分が目指しているいい経営からかけ離れた状態を放置することはできませんでした。
…以下略します。

 ファミリービジネス(同族経営)という言葉が気になり、アマゾンで検索し、この本を見つけました。本の「はじめに」の部分に、日本の企業のおよそ97%がファミリービジネスともいわれます。という記載がありました。
 今日の1ページでで注目したのは「いい経営」の定義。ES(Employee Satisfaction)の意味をビジネス用語集で確認したら「会社を経営するにあたっては、CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)の両面が、ともに均一であることが重要です。どちらかに満足がえられない場合、何らかの形で師匠をきたしてしまいます。ESがキチンと保たれることにより、従業員はやる気を生み、創造をし、行動に変化していきます。それこそが経営を支える要なのです。」と書いてありました。
 ESとは、従業員の一人一人が、職場内においての環境や職種、責任等、あらゆる方面から、満足して仕事に携わることができているか、という、経営面の考え方。指標として注目する必要があります。