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『仕事はカネじゃない!』ケビン&ジャッキー・フライバーグ 著 小幡 輝夫 訳

日経BP社発行 2004年4月26日 第1刷発行 P124

経営戦略を共有する
 経営者としての自覚を育てるには、経営者と従業員の間に誠意がなければならない。経営者であれば重大な問題に直面したとき、自信をもって対処することを問われる。そんな場合、経営者の立場を自覚する者は常識を働かせて判断を下す。もちろん全社員が経営戦略を熟知していれば、適切な判断を下しやすくなるだろう。経営戦略を従業員に知らせるのは、まさに適切な判断を下してもらうためなのだ。それを確実にする一つの方法として、何か問題に直面したとき、どういう選択肢を選ぶか質問してみるとよい。会社に独自性を持たせるには何をすべきか、考えてもらうのもいいだろう。当然のことだが選択肢を選ぶ場合、会社の目標や現状、存在意義について理解していれば、適切な判断を下しやすくなる。
 サウスウエスト航空は、この問題についてよい見本を提供してくれる。従業員が指定席を設けるよう提案したときコリーン・パレットは、それは会社の基本戦略に沿ったものかと聞き返した。指定席を設けるのは簡単だが、そうした場合、待機時間が長くなり、定時発着の実績に支障をきたさないだろうか。さらに運賃も10ドルから15ドル値上げすることになり、顧客にとっても望ましくないはずだ。ガッツのあるコリーン・パレットは、会社員に自社の経営戦略を再確認させるチャンスを逃がさなかった。彼女はこの問題について従業員と率直に話し合いサウスウエスト航空の経営戦略を説いたのである。経営者の立場で行動するには、経営戦略を熟知していなければならないからだ。
 パレットは従業員の自主性を奨励すると同時に、従業員が適切な判断をしているかどうか点検する必要があることも心得ている。経営戦略に基づく従業員の自主判断の範囲を想定しているの、サウスウエスト航空の目標やビジョン、価値観なのである。自主判断の範囲が規定されているといっても、それは創造性の制限や無秩序とは全く関係ない。サウスウエスト航空の目標は確かに、ウォルマートと違っている。そして、その違いが重要であることをサウスウエスト航空は自覚いているのだ。 i経営者の立場を自覚する従業員は、次のような質問に答えることができる。わが社はどんな事業に取組んでいるか。我が社は何のために存在いているのか。我が社は他社どう違っているのか。経営戦略を示すことは、従業員の活力抑制はつながらない。それによって、従業員は自主的に行動できるようになるのだ。

 この本は、書棚から探しました。「経営者としての自覚を育てるには、経営者と従業員の間に誠意がなければならない」…奥の深い言葉です。後継者に人事と組織を渡した私にできることはOJT。「お客様の期待に応える取組み」後方支援に徹し、従業員に「仕事を通じて自主的になってもらうこと」に徹します。


iサウスウエスト航空の創業者ハーブ・ケレハーの法律事務所で役員秘書を勤め、社長兼CEOになった人。