今日の1ページ

『自分で考えて動く社員が育つOJT』 中尾 隆一郎 著

フォレスト出版株式会社発行 2020年11月6日初版 P130


「いかだ下り」でキャリアを積んで
「山登り」で専門性を高める

 リクルートワークス研究所の前所長の大久保幸夫さんのキャリア理論で、若手のころは「いかだ下り」敵にキャリアを積み、その後「山登り」敵に専門性を高めるというたとえ話があります。
 いかだ下りは、船に乗って川の急流を下っていくわけです。川の河口がゴールですが、そこに行くことが目的ではありません。
 急流をいかだで下りながら、船頭さんの指示に従い、いかだ上での自分の座る場所を変えたり、岩を棒で突いて方向転換を行います。つまり、チーム―クを学ぶわけです。若い時にこのチームで仕事をする術を学ばないと、その後チームで仕事をする、あるいはチームをけん引する際に、困ってしまうのです。そしてこの「いかだ下り」ができるようになると、次は「山登り」です。「山登り」は「いかだ下り」と異なり、その山に登ることが目的です。山は、それぞれの専門性を表しています。営業、販売、接客、マーケティング、法務、財務、経営、人事、AI、プログラム開発、セキュリティなどです。
 1つの山を選ぶと、その間は他の山に登れません。だから慎重に選ぶ必要があります。低い山であれば単独で登れます。しかし、高い山はチームでないと登れないのです。「速く行きたいのであれば一人で行け、遠くへ行きたいのであれば仲間と行け」ということわざがあります。
 まさにそうですね。
 時間がかかっても良いので、最終的には「人生をかけて実現したいゴール」が書けるようになれば良いと思います。

 著者は29年間リクルートに勤め、管理会計を導入し、いくつかの組織を担当。素晴らしい業績を残して中尾マネジメント研究所を設立しています。本には、「OJTの目的は自律自転する組織を創ること」「自律自転する組織が生まれた背景」とリクルート勤務時の体験が具体的に記載されています。他に『最高の結果を出すKPIマネジメント』『最高の結果を出すKPI実践ノート』があります。
 これまで、「速くいきたいのであれば一人で行け」を優先してきた反省から、人材育成を重要成功要因に掲げ適切なKPIを設定するため、ヒントを探し、書店でこの本と出合い多くの気づきがありました。すでに設定したKPIについて話し合い、従業員みんなで共有することを進めます。

『リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書』「DX(デジタル変革)を推進する人材がいない」白川 克 著 kindle版

日経BP社

(P60)
企業に共通する課題、解決策はただ一つ
リーダー育成とビジネス変革の2兎を追え!
「企業の変革を担う人材がいない」。多くの企業に共通する悩みですが、解決策は一つしかありません。ビジネス変革プロジェクトを推進する中で、変革リーダーとなり得る人材を育てることです。
そんな二兎を追う「育つ変革プロジェクト」の第一人者が、具体的な事例とともにノウハウ・方法論を詳細解説しました。特にデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業の経営層やマネジャー、プロジェクト担当者には必読の一冊です。
今、ビジネスのデジタル化、グローバル化が急速に進んでおり、企業やそこで働くビジネスパーソンはこれまでのビジネスのやり方を変えていかなければ、激しい競争に勝ち残っていくことができません。なかでも、デジタルによるビジネス変革を意味するDXは喫緊の課題です。
ところが多くの企業は「変革プロジェクトを担うリーダーがいない」「変革プロジェクトをやったことがないので、リーダーを育てられない」というジレンマを抱えています。それを一気に解決するのが、育つ変革プロジェクトです。
本書では住友生命保険などの事例を基に、育つ変革プロジェクトとは何かを解説したうえで、プロジェクトの立ち上げ方や推進方法、その中で人材を育成するためのノウハウ、プロジェクトの成果を会社全体に広げるやり方などを詳細に解説します。これらは、著者らが10年以上にわたるコンサルティングの実践で培った方法論です。一読すれば「なるほど! これならできる」と腑に落ちて、即座に実践できるはずです。

Kindle版の紹介文をそのまま掲載しました。
経済産業省がデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進しているサイトです。https://www.meti.go.jp/policy/digital_transformation/index.html
2020年8月27日付の情報ですが、「「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」を設置します」という記載があります。研究会の趣旨と背景は
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200827001/20200827001.html
上記にありますが、アフターコロナを前提とした取り組みです。
□企業の変革を担う人材育成
□コロナ禍における企業の事業環境の変化を明らかにし、産業界において戦略
的な展開を進めていくために必要となるDX(経産省記載分引用)

 人材確保が課題の私達中小企業に、このような取り組みができるでしょうか。書店で『いちばんやさしいDXの教本』を買って読みましたが、答えを見つけることができませんでした。
ZOOMを使って実施した、日本経営会計専門家研究学会と共催の「会計データと製品市場分析を組み合わせた経営戦略分析」という研究部会が終わり、次の課題はDX。中小企業に、DXの情報を会計事務所だけで提供することはできません。公的な認定支援機関・中小企業診断士・社会保険労務士等と連携した取り組みが必要な時代になりました。

『実践するドラッカー 事業編 』上田 敦生 監修 佐藤 等 編著

ダイヤモンド社発行 2012年3月8日第1刷発行

(P160)
四つの分析で事業を理解する


 ドラッカー教授は『創造する経営者』で、事業分析のポイントを示しました。「これら四つの分析を総合して使うことによってはじめて、企業のマネジメントは、自社について理解し、方向づけを行うことができるようになる」と言います。
➀→業績をもたらす要因についての分析、利益と資源についての分析
➁→コストセンターとコスト構造についての分析
➂→マーケティング分析
➃→知識分析

 重要なのは、➀➁の診断の後、➂➃の分析で点検することです。たとえば堂々たる主力商品が、実はすでにライフサイクルの末期にあることが判明することもあります。暫定診断の際は、次の点に留意してください。
 第一に、分析の技術の完璧さを求めないことです。残念ながら精緻さを求めれば求めるほど、有用性が低くなる傾向にあります。大切なのは数字そのものでなく、現場で起きていることをイメージできることです。ドラッカー教授は、「複雑で神秘的な手法は無知と傲慢さを隠す煙幕である」と表現しました。
 第二に、意見の対立や判断に関わる問題を明確にすることです。およそ経営に関する重要事項は、事業の集合ではなく、定性的なものや、それゆえ判断が分かれるものが多々あります。
たとえば、製品やサービスの「市場におけるリーダーシップ」や「将来見通し」は、その代表格です。現場担当者は将来見通しを意識しているのに、管理者はまだまだいけると考えているなど、判断に関わる意見の対立は重要な事実を代表しています。
 質問して決めつけないことが重要です。さもなければ間違った問題に対して意思決定を下しかねないからです。教授が言うように、正しい答えを求める姿勢を捨て、正しい問いを用いる努力をこの段階では心がけるべきです。
 質問の対立は、見ている視点の違いでもあります。対立している事実こそが重要な情報であり、そのままトップマネジメントに上げるべきものです。
そしてトップマネジメントは、ありのままの事実をもとに事業の将来を判断します。事実そのものの適否を判断することが重要なのではありません。

 この本は、ドラッカー教授の教えの極意がわかる実践するドラッカーシリーズとして「思考編」「行動編」「チーム編」「事業編」があります。今回は、P160「四つの分析で事業を理解する」をとりあげました。会計専門家として分析し答えをだすまでのことに注力し、それをもとに戦略KPIを考えることが習慣になっていました。この本にある➂マーケティング➃知識分析をすることなく、答えを出していたのです。「正しい答えを求める姿勢を捨て、正しい問いを用いる努力をこの段階では心がけるべきです」という「真」の意味が分かりました。もっと、ドラッカーを勉強します。

『社員の力で最高のチームをつくる』ケン・ブランチャード+ジョン・P・カルロス+アラン・ランドルフ 著 星野リゾート代表 星野 佳路 監訳

ダイヤモンド社

(P20) 4 継続的イノベーション
このごろ、どこに行っても、会社「学習する組織」であり続けなくてはならないという意見を聞く。そのためには、全社員が、昨日より今日、今日より明日の不尾がよくなっている企業というビジョンを共有しなくてはならないと言われる。だが、つねに進歩し自らを乗り越えつづける組織をつくる等ということは容易ではない。まして社員の力でイノベーション――仕事の進め方であれ、製品やサービスであれ――を起こし続けることは至難の業といえる。しかしマイケルには、そうしたイノベーションを起こせない会社は死んだも同然だということもわかっていた。

 そこまで考えてきて、マイケルはますます心配になった。確かにコンサルタントの提案は正しい。会社を生き残らせるには、顧客と品質を優先し、収益性とコスト効率を高め、市場変化に迅速かつ柔軟に対応し、イノベーションを継続しなければならない。だが、どうすればそんなことができるというのか?
 そのためには全社員を目標に向かわせる方法を見つけなくてはならない、と何度も聞かされた。社員には、自分がオーナーであるかのような自覚をもって、あるいは起業家の気概をもって、仕事に取り組んでもらうことが大切だというのだ。社員のなかで眠っている創造的エネルギーを解き放ち、それでいて会社をコントロール不能にしてはならない。社員にはスキルと能力をフルに発揮させ、行動し決定する責任を与え、会社が先の4要件を満たすために働いてもらわなければならない、というのである。

 そう考えたとき、「エンパワーメントi 」という言葉が浮かんだ。マイケルにはこれが必要だとアドバイスしてくれた人もいた。しかし、それならマイケルはさんざん試み、ほとんど成果が上がらないという結果も見ていた。

 この本は、書店で見つけました。本の帯にあった、星野佳路のことば「私にとってもっとも大切な教科書だ」という言葉に惹かれて買いました。最近、“業績に連動する従業員満足度のあげ方”をテーマによんでいるのですが、バランス・スコアカード(BSC)に戦略目標やKPIとして表現するところまで到達できません。先日、来社頂いた大学の先生とBSCの活用事例について話し合ったのですが、「活用がうまくいっているのは、人を大事にする会社」というヒントが見つかりました。本の前書きに、監訳者は「今の星野リゾートは、この本がなければ存在しなかった。私の経営者人生で最も影響を受けたのが本書だ」と書いています。ES(従業員満足)とCS(顧客満足)を考えている方にお勧めします。


iエンパワーメント:自律した社員が自らの力で仕事を進めていける環境をつくろうとする取り組み。社員のなかで眠っている能力を引き出し、最大限に活用することを目指す。(本のP001にある説明を引用)

『新・従業員満足度 ES2.0』~業績に連動する従業員満足度の上げ方~ 藤原 清道 著

ビジネス・ベストセラー出版株式会社発行 2019年12月20日第1販第1刷発行

(P125) 11)従業員満足度アップのために帰るべきこと
 もし現状で、自社の従業員満足度が高いといえないのであれば、あらゆることを変える覚悟を持つことから始めるべきでしょう。
 つまり、経営者である皆さん自身の「意識」。これこそが、従業員満足度アップのために帰るべきことです。そして、その次が、既存従業員んの「意識」、特に幹部従業員の意識改革を優先してください。
 もし、今まで、従業員満足度よりも、売上利益の数字がさあい優先されてきた組織なのであれば、ある日突然啓江社の意識が、「従業員の満足度こそ企業経営において優先すべきである」と変わったとしても、幹部従業員や現場のスタッフからは、売上や利益が最優先であるという感覚は簡単に抜けず、さらに、幹部従業員による「能書きは売上利益をあげてから言え」という代えがたい空気が組織を支配していると思います。そんな社風を変えることは容易ではありません。
 売り上げや利益を追求することは、今までどおり変えずにいても構いません。しかし、なぜ売上利益を追求するのか、という「なぜ」をお互いに問うことの重要性を認識させるように、リーダーである皆さんが導いていくことが大切です。売上利益も、従業員の幸福度向上のため、そのような意識改革こそが、従業院満足度のための第一歩です。
 働く人が犠牲にならなければ、顧客や社会のためにならないような仕事と組織は、一人ひとりの意識の変化と、AIとロボテックスの進化によって、将来世の中からなくなっていくでしょう。働く人の、疲弊、疲労、苦痛、病の対価として給料や休日があたえられていたのは、もう過去のことです。
 近年、少しずつ、従業員満足度が世間に認知され、働きがい、やりがいのある組織づくりに、注目が集まるようになってきました。大変喜ばしいことです。しかし、まだまだ、目的と手段を逆にしてしまっている、つまり手段が目的化している会社が少なくないのも返上です。
 「なぜ、売上や利益を追求するのか?」
 それは、組織で働く従業員の幸福度向上のためです。そして、その従業員が組織を通じて提供する価値によって、顧客を満足させ、社会をよりよくしていく、これが筆者の価値観です。
 「なぜ、働き甲斐のある会社をつくるのか?」
 それは、売上や利益向上のため。企業のサステナビリティ「持続可能性」を向上させるため。こういう価値観もあります。こちらの価値観を持つ経営者のほうが今は主流だと思います。
 多種多様な価値観がともに認められている社会こそが理想と間上げている私は、どちらも間違いではないと考えています。ただ、組織のリーダーが、どのような価値観をもって企業経営をしているかをハッキリと内外に伝えていくことが重要なのであり、「従業員満足度アップのために」やるべきことなのです。
 そうすることで、働く人は、従業員満足度を目的と考えている会社を能動的に選択することができます。あなたは、どのような考え方をもっているでしょうか。また、どのような考え方を持つ人から選ばれたいでしょうか。

 ES(従業員満足)なくしてCS(顧客満足)なし。ESは、CSと深く関連しています、従業員が万全の健康状態でモチベーション高く仕事に取り組むことで業務の質が上がり、より良いサービスを顧客に届けることができます。
 この本は、ESとCSの関係をつなぐ業績評価指標(KPI)を検索してAmazonで買いました。まだ、答えは見つけていません。2つの指標の相関性を続けて勉強します。

「星野佳路お考えるファミリービジネスの教科書」発行者 伊藤 暢人

日経BP社発行 2019年11月25日初版第1刷発行

(P19)⬜アイデンティティーの確立と、父との衝突
私は、親子の対立を経て、社長に就任しました。
 創業家の長男として生まれ、ずっと「4代目」と呼ばれてきました。幼心に、自分の名前は「佳路」ではなくで「4代目」なのではないかと思うほど、そう呼ばれ続けたのには、周囲の期待があったのかもしれません。慶応義塾大学卒業後は、米国コーネル大学のホテル経営大学院に留学しました。旅館の跡取りとしての修行というわけです。
 実のところ、大学時代の私は、体育会のアイスホッケー部の活動に熱中してあまり勉強はしていませんでした。アイスホッケー選手として上手くなりたい思い努力した「アスリート」でした。だから、大学を卒業し選手生活を終えた途端、自分が何者かわからなくなるアイデンティティー・ロスに陥りました。
 そこから抜け出すきっかけとなったのが、米国への留学でした。
 ホテル大学院で学び、経営戦略やマーケティングの理論に興味を抱き、意欲的に学ぶうちに、「いい経営者になりたい」という新しいアイデンティティーを得ることができました。
「いい経営」の定義はさまざまあると思いますが、私が米国で得た考えは次のようなものです。社員の道ベーションを高く維持し、それが顧客満足、そして高収益につながる仕組みとなり、結果として長期的に持続可能な競争力をつくることができる経営。経営理論を大事にすることで、そんな好循環を生む強いチームをつくり、支援し、リードするのが「いい経営者」である。
 しかし、いざ帰国して知ったのは、父をはじめとする同族中心で経営していた家族の状況が、私の考える「いい経営」と真逆だという事実でした。
 1988年に私が入社した当時、経営が経済的に困窮する状態ではありませんでしたが、採用活動には苦労し、入社した社員の定借率は悪く、日々の運営スタッフの確保に苦労しておりました。収益力も低かったことから建物への投資も遅れ、バブル経済期に誕生した新しいリゾートとの差は歴然でした。結果的に顧客満足は低く、温泉旅館とし手の競争力は少しずつ低下していると感じました。
 私も同族の一員であり、この会社の経営を担当する立場にある以上、自分が目指しているいい経営からかけ離れた状態を放置することはできませんでした。
…以下略します。

 ファミリービジネス(同族経営)という言葉が気になり、アマゾンで検索し、この本を見つけました。本の「はじめに」の部分に、日本の企業のおよそ97%がファミリービジネスともいわれます。という記載がありました。
 今日の1ページでで注目したのは「いい経営」の定義。ES(Employee Satisfaction)の意味をビジネス用語集で確認したら「会社を経営するにあたっては、CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)の両面が、ともに均一であることが重要です。どちらかに満足がえられない場合、何らかの形で師匠をきたしてしまいます。ESがキチンと保たれることにより、従業員はやる気を生み、創造をし、行動に変化していきます。それこそが経営を支える要なのです。」と書いてありました。
 ESとは、従業員の一人一人が、職場内においての環境や職種、責任等、あらゆる方面から、満足して仕事に携わることができているか、という、経営面の考え方。指標として注目する必要があります。

「あたりまえだけどなかなかつくれない-チームのルール」小倉 広 著

明日香出版社発行 008年11月5日初版発行 2016年3月30日第30刷発行

(P58)バスに乗るか乗らないを確かめよう
「まず始めに適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後に行き先を決める」。
 大ベストセラーとなったビジネス書「ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則」(日経BP社)で指摘された、卓越した優良企業に共通する組織の運営方法です。ここでいう「バスに乗る人、」とはすなわちビジョンに共感し一緒に頑張る、と決意した人のことを指します。

 我々リーダーは、勝てるチームをつくるために「バスに乗せるか、降ろすか」を先に定めなくてはなりません。最初から「バスに乗る気のない人=ビジョンを実現するつもりのない人」の意見を尊重してもそれは周囲の人にとって迷惑なこと。行き先すなわち戦略やゴールを求める顔ぶれは、あくまでもビジョンに共感した仲間だけに限られるべきなのです。
 しかしえてしてありがちなのが、「バスに乗る気のない人」の雑音にチームが惑わされてしまうこと。はなから同じバスに乗る気がないならば、チームに対して意見をする資格はありません。我々リーダーはまずそこを間違うことのないように注意しなければなりません。

 では、実際に「バスに乗らない人」をどうすればよいでしょうか。
 もしもあなたが会社のトップであるならば、会社を辞めてもらう方法を具体的に検討することができるかもしれませんが、そうではなくチームのリーダーである場合、そうはできません。「バスに乗らない人」を辞めさせないままにバスから降ろす方法を考えなければならないのです。
 一つの方法は、要職から外し、アシスタント的業務へと役割転換をすること。チームにマイナスの影響を及ぼす人を強い影響力のある要職につけたままにしておいてはいけません。できる範囲で「バスから降ろす」ことをすべきなのです。

 ビジョンが明らかになったときにリーダーがすべきことはたくさんあります。明確な基準で揺るぎない判断を行っていかなければならないのです。

 この本は昨年に続いて2回目です。先日、経営方針発表会で3年後の「あるべき姿」を発表しました。ドラッカーの本に次のことが書いてあります。「何かを起こすにはリスクが伴う。しかし、それは合理的な行動である。何も変わらないという居心地のよい仮定に安住したり、ほぼ間違いなく起こることについての予測に従うよりも、リスクは小さい」。試行錯誤の繰り返しでしたが、ビジョンが明確になってきました。「あるべき姿」が目的地、バスはスタートしました。

「あたりまえだけどなかなかつくれない チームのルール」小倉 広 著

明日香出版社発行 2008年11月5日初版発行 2016年3月30日第30刷発行

(P24)信頼の法則をチームのルールにしよう
 リンゴを手から離すと自然と落下していく万有引力の法則のように、人と人との信頼関係にも自然の法則が働いています。昔も今もそして未来も。北海道でも九州でも。変わらず作用するこの自然の法則をチームのルールとして共有するのは、とても有意義なことなのです。「信頼の基本法則」。シンプルだがパワフルなこの法則をぜひ皆さんのチームでも共有していただきたいと思います。
 この法則は大きく分けて次の三つから成り立っています。
 一つ目は「相手を大切にする」ということ。
 自分の都合を優先するのではなく、目の前の相手の立場を優先する。そうすることで信頼を獲得することができ、逆に言えば信頼を失うというわかりやすい法則です。
 二つ目の法則は「自分を指さす」というもの。
 問題の原因を自分以外に求め相手を変えることで問題を解決しようとするアプローチを「相手を指さす」といいます。そしてその逆である問題の原因を自分の中に求め自分を変えることで問題を解決しょうとするアプローチを「自分を指さす」といいます。「自分を指さす」人は相手から信頼され、「相手を指さす人は相手から信頼を失っていくのです。
 三つ目の法則は「誠実である」というもの。
 自分を飾らず虚偽のない状態が「誠実である」ということ。言行一致で嘘をつかない。約束を守り自慢やひけらかしをしない人は相手から信頼され、その逆ばかりを行っている人は信頼を失うというものです。

 「信頼の基本法則」の内容は聞けば誰もが納得し、そんなことは知っているよ、というものばかり。しかし、言うとやるとは大違い。単純だが行うのは難しいこの心理を信じて日々行いを正していけば、間違いなく信頼される人になることができるのです。
 私たちフェイスグループが「フェイス~信頼の基本法則~」と呼ぶこの法則を皆で学び共有することで互いに信頼しあう強いチームを作ることができます。
 皆さんのチームでもこれを合言葉にしてはいかがでしょうか。

 私は古い人間なのでチームの基本を野球で考えていました。この本は、社内でいろいろな課題があり思い通りにならないことが多かったので、熱かったラグビーのワールドカップを思い出し、ラグビーのチームにしよう!と書店に行き、見つけました。
チームを持つという事は、「思い通りにならない他人を通じて目標を達成する」ということ。という言葉が前書きにあり、悩んでいることにピッタリでした。信頼の基本法則の第二「自分を指さす」を何度も読みなおしました。最近あった、「話し合ってもかみ合わなかったこと」それはすべて「相手を指さす」発言が原因でした。この本もお勧めです。

「確率思考の戦略論」森岡 毅/今西 聖貴 著

株式会社KADOKAWA発行 2016年5月31日初版発行 2019年8月10日16版発行

(P228)4⃣組織運営について私が信じていること
●そもそも完璧な組織なんてない
 まず大前提として「完璧な組織はない」と私は考えています。組織(人間やシステム)は最重要な経営資源ではありますが、必ず多くの制約があるので、人員は常に不足してシステムは不整備な状態がずっと続きます。会社が成長軌道に乗ったとしても、人的資源の質的あるいは量的な補充は現実の要求には追いつかないので、組織が満ち足りた状態にはなりません。攻撃にも防御にも同時に優れた組織というのは難しいものです。攻守のバランスがとれた組織は作れるのですが、それは両方中途半端な組織である可能性が大きい。完璧な組織などそもそもあり得ないのです。

 ちょうど11人しか出場できないサッカーチームがバランス型の4-4-2のシステムを組むのか、中盤の厚みを重視して3-5-2にするのか、超攻撃型の3-4-3でいくのか、それらを選ぶようなものです。どのような選択をしても「特徴」が生まれ、文脈によって必ず強みと弱みが生まれます。すべての組織も同様に、完璧な組織などあり得ないことをわかった上で、組織の目的と戦略と合致した組織構造を選ぶのです。それは、自分の組織が置かれた文脈の中で勝ち残っていくために必要な「強み」をどこかに選ぶことです。しかし、選んで実行した瞬間に、その強みの裏側に弱点を抱えることになります。組織構築を選択するということは、分かった上でその組織の弱点をどこに作るのかという意図的な選択だとも言えます。

●「仏の部分」を見つけ、現場力で勝つ
 会社全体もそうですし、多くの部門やチームがよく口にする嘆きがあります。「部下の能力が低くて困っている」というものです。能力が足らない、経験が足らない、ヤル気が足らない。様々なケースがありますが、自分の抱えているチームの中に人材の質と量が足りないことを嘆く声は大きいかと。達成しなければならない高い目的に対して、人的資源が足りない。そういう重いストレスを抱えるのは、中間管理職には共通の悩みとして上位にランクされるのではないでしょうか。

 私自身もそのような経験は痛いほど身に覚えがあります。しかし、実際に多くの葛藤を抱えてきた中で、私の認識あまりのストレスによってある限界に達しました。それは「結局、現行戦力で勝つしかない」というあきらめでもあり、悟りでもあり、極めてどうしようもない現実を受け入れることにしたときに起こった変化でした。会社にお願いして戦力増強を中長期では実現できたとしても、短期での大局は変わらず、嘆いても、ぼやいても、今の状況は変わりません。まして、部下に失望し、イライラで接したり、不必要なプレッシャーをかけたりしても、彼らのパフォーマンスは下がることはあっても上がることはないのです。

 この本の著者は、P&Gを退社後USJ(ユニバーサルジャパン)で圧倒的な結果をたたき出した最強のマーケター&アナリストです。商品市場の現状分析をもとに、外部環境の変化を考え需要予測をし、経営戦略を考える…という仮説をたて本を読みだしたのですが消化不良でした。年末年始の休みに再挑戦します。今回は、組織運営について参考になった部分を掲載しました。

「社員第一、顧客第二主義 ―サウスウエスト航空の奇跡―」伊集院 憲弘 著

毎日新聞社発行 1999年1月30日第2刷

(P103)
 この“社員第一、顧客第二”というスローガンは決して“お客様はどうでもいい、大切なのは社員なんだ”という意味ではないことをはっきりしている。
 社員が、心からお客様第一に徹してくれるには、まず、社員全員が“自分たちは会社から大切に取り扱われている”という実感を持てるように努めるというのが、ケレハー社長以下の経営の姿勢であることを具体的に表しているのだ。
 ケレハー社長は、口に出したことは必ず守り、実行する人だということは社員誰もが知っている。ケレハー社長の“社員第一、顧客第二主義”を自らが実践している例として次のようなことが挙げられる。
 サウスウエスト航空の型破りなサービスに対して、全ての利用客が歓迎しているわけではない。乗客の中には、いろいろと難癖をつけてくる人も当然いる。ある日、一人の利用客のクレームレター(苦情の手紙)がケレハー社長のところにまわってきた。苦情の内容は“客室乗務員のサービスぶりについて少しばかりおふざけが度を越しているのではないか”というものであった。
 この手紙に目を通したケレハー社長は自らペンをとり、次のような返事を書き、サインしてその手紙の送り主に送ったという。
 「私どもは、客室常務員に対してユーモアのセンスを持って、みずからも楽しみながらサービスをするように言っております。もし、あなたが私たちの乗務員のサービスがお気に召さなければ、どうぞ次回からは別の航空会社をご利用ください。私どもは今のやり方を変えるつもりは毛頭ございませんので、さようなら」。CEO(最高責任者)で会長兼務社長がここまでやる企業が他にあるだろうか?
 “社員第一”が実は“顧客第一”と表裏一体であることは、サウスウエスト航空のひとりひとりの社員が十分に理解しているのである。
逆にケレハー社長以下のマネジメントたちは、そのことがわかっているので、社員たちのおふざけがあくまでユーモアセンスを活用した許容範囲内であるということを重々承知し、信頼しているのであろう。

 サウスウエスト航空は、アメリカテキサス州ダラス市を根拠地としている格安航空会社。運航開始までの法定での争い、運航開始後のライバルとの闘いを経て、格安航空会社の雛形になっています。家族的な社風と独特の企業文化でも有名です。今日の1ページは、ビジョンを現実にするには、ビジョン実現のプロセスが最も大事。その鍵はこの1ページにあると気づきました。対応を間違えると、顧客のクレーム(わがまま)を重視し、ビジョン実行の風土を自らこわしてしまうことになります。