今日の1ページ

「目標管理の教科書」五十嵐 英憲 著

ダイヤモンド社 2012年5月31日第1刷発行

(P80)
■目標づくりで知っておきたいこと
 ここまで、「目標テーマのピックアップ→達成基準や達成手段を考える」というプロセスを職場目標と個々人目標とのキャッチボールという方法で、リーダーとメンバーみんなでワイワイガヤガヤ話しあいながら展開するという話をしてきた。
 その際の着眼点や留意点を色々と述べたが、もう一つ重要な点が残っている。定性目標の具体化に関することである。
■定性目標は具体化を!
 「夢と働きがいのある職場づくり」、「改善活動提案の徹底」、「コンサルティング営業の推進」、「人事評価システムの構築」等、つかみどころのない雲のような目標が設定されることがある。いずれも、目標もどきのスローガンであり、決して目標と呼べるものではない。
 どうして、そのような事態がおきるのか。それは定性目標の特性のためだ。
 売上高や利益率のように、数値表現できる定量目標とは違い、定性目標は数値化できないものである。そのために、どうしても抽象的な表現になりやすい。
 それを防ぐために、ほとんどの企業の目標管理マニュアルには、「目標はできる限り数値化する事」と記してある。しかし、それは極めて誤解を招きやすい表現だ。
 正しくは、定量目標は「必ず数値化すること」であり、定性目標は「進捗管理や評価に耐えうるように“具体化”すること」でなければならない。
 では、定性目標をどのように具体化するのか、以下の3つの方法が有効である。
■固有名詞を使ってイキイキと記述する
 定性目標の具体化の鉄則は、いきなりの数値目標は避けることである。まず、状態記述を試みる。何が、どのような状態になっていれば、目標達成なのかという、当事者の思いをできる限り具体的にイキイキと記述しようとするものだ。
 たとえば、明るい職場にしたいという当事者の思いを、「毎朝、みんなが笑顔で挨拶している」、「呼ばれたら、感じよく“ハイ”と返事をしている」、「お互いに認め合い、励ましあっている」というように、具体的な状態で表現する。
 こうすると、結果の判定も「◎○△×」の4段階くらいで可能になる。その際に、固有名詞を用いれば、記述場面が限定され、その分だけ進捗管理や評価の精度も高くなる。これが状態記述の基本である。
■数値化可能な代用項目を探し出す
 ➀の状態記述だけでは不安が残る。そのような場合には「代用数値化」も試みる。定性目標の本質に近い数値化可能な“代用項目”を探し出し、それを目標の達成基準として使用する、という方法である。この方法を用いれば、ほとんどの定性目標の数値化が可能になるが、注意すべき点が2つある。
 1つは、目標と因果や相関関係が認められる代用項目を用いること、それを無視すると、「特許の質を高める」という目標を「特許〇件以上」で代用するという類の過ちをおかしてしまう。典型的な質と量との混同、もしくはすりかえである。
 2つは、代用数値が目標の本質からずれないように、複数の、かつ、多面的な代用項目を用意すること。
 たとえば、「接客サービスの向上」という代用項目に、「売上の伸び率」を用意する。よく見られるケースであるが、果たしてそれで十分なのだろうか。
 確かに、接客サービスが向上すれば売上が伸長するという経験則が存在し、それに照らせば成立する図式である。しかし、売上の伸び率は、サービスの向上を証明する1つの要素に過ぎずそれをもって、全てを代替使用とするのは乱暴な話である。「再来店客数の増加数」など、いくつかに代用項目の追加が必要だ。そうしなければ、本来の目標の意味合いを薄めたり、ゆがめてしまう。
■代用項目と状態記述とを組合わす
 ところが、実際に多面的な代用項目を探してみると、そう簡単に代用数値が見つからない。では、どうするか。そのときには、前述の状態記述との組み合わせ使用を試みる。
 まず、実現したい状態を、「全販売員が両手を添えて、お客様に商品を渡している」という具合に書きだし、それに「売上の伸び率」や「再来店の増加数」とをセットにして、トータルで定性目標を具体化する。そえが、経験的には一番有効な方法である。

 またまた「目標管理の教科書」です。いつも悩んでいる「定性目標」の設定がでてきたので、引用がついつい長くなってしまいました。BSC(バランススコアカード)では、遅行指標と先行指標という区分があります。私は、遅行指標=結果として達成すべき数値→定量目標、先行指標=結果を出すために行動すべき基準→定性目標と理解しています。
 目標設定のとき、数値で表すことが困難な定性的なことの定義と基準は重要です。その行動は結果につながるのか!この本では、定性目標は「進捗管理や評価に耐えうるように“具体化”すること」でなければならない。と定義づけています。

「目標管理の教科書」五十嵐 英憲 著

ダイヤモンド社 2012年5月31日第1刷発行

(P56 ステップ➃)
職場の今期の貢献領域一覧表を作成する
□職場ですべきことを全て洗い出す!
 ステップ➃では、部門の年度目標にたいしてこの職場が貢献すべきことは何なのか?職場ミッションと絡めて考える。次ページのような「職場の貢献領域一覧表」を用意してワイワイガヤガヤやりながら、記入していくといい。
〇戦略業務
 まず、「戦略業務の洗い出し」である。それは、部門の年度戦略目標との連動で、この職場が今期やるべき業務、あるいはやりたい業務の明確化だ。もちろん、中期経営計画をもとに考えた職場ミッションとの合致も必要である。
 例えば、「○○業界に狙いを定めた、新規顧客の獲得」という中期戦略に対応し、「アタック先キーパーソンとの信頼関係の構築」という部門の年度目標が設定されたとする。それを受けて、「顧客への問題解決サービスの提供」という職場ミッションを掲げるこの職場では、「新製品説明会等を企画して、A社キーパーソンの日常業務のわが社に関する関心を喚起する」という具体的な戦略業務に落とし込み、それを職場のやるべき仕事とするのである。
 このような仕事は、将来に関する種まきであり、今年の売上や利益の増減にはほとんど影響を及ぼさない。しかし、中期的な観点では、極めて重要な仕事である。今、地道にコツコツと種をまくから、3年後に刈り取れる。種まきを怠れば、餓死に近い状態が待っている。そういう性格をもった業務であり、決して疎かにできない重要な仕事である。
〇日銭業務
 戦略業務に対して、「部門の日銭業務」はもっと生々しく、現実的である。
 株主や銀行と約束した売上屋利益目標の達成が部門経営には重くのしかかり、その必達要請が現場には飛んでくる。
 製造部門には「コストダウン目標」が、営業部門には「売上目標」が、いやおうなしに天から降ってくる。また、間接部門には、法律改正に伴う「環境変化に対する応急措置」が緊急業務として課されることもまれではない。
 いずれも、職場ミッションに照らせば、この職場の仕事であり、拒否が許されない「必達業務」である。手抜きをすれば、たちまち会社がピンチに立たされる。商法で定められた決算にも支障をきたす。部門の日銭目標と連動した職場の日銭業務も、戦略業務と並ぶ、重要な「日常業務の役割責任業務」なのである。

 前回に続き「目標管理の教科書」です。この本は、MBO-S(目標管理のセルフコントロール)をテーマにしています。戦略マップをBSCで作成し、戦略の実行にフォーカスしてきたので、「戦略業務」と「日銭業務」という区分が新鮮でした。戦略マップで実行する戦略目標とKPIには「戦略業務」と「日銭業務」が混在しています。KPI設定が難しいと感じる理由はここにもあることに気づきました。

「目標管理の教科書」五十嵐 英憲 著

ダイヤモンド社 2012年5月31日第1刷発行

(P46 ステップ②)
職場と個人のミッションをみんなで確認しょう
□職場のミッションを話し合う
 部門の中期経営計画(ビジョンと戦略)をメンバー全員が確認したら、次にリーダーが仕掛けるのは、「職場のミッションの明確化」の議論である。職場のミッションとは、中長期的に見た職場の役割と担う責任のことだ。
 向こう3~5年間を見渡して、この職場が貢献すべき対象は、いったい「何」なのか、あるいは「どこ」なのか、貢献対象を固有名詞に近い状態で把握して、その貢献対象に中長期にわたって「提供すべき職場の仕事」を、部門の中期経営計画と絡めて生き生きと導き出すこと。
 これが職場ミッションの明確化のストーリーであり、それに則って、リーダーとメンバーが真剣な議論を展開すれば、お互いの想いのこもった職場の根本的な役割の共有化が可能になる。また、役割の実践意欲も刺激されるだろう。
□絶対に外せない顧客への貢献
 職場ミッションについて話し合う際に、絶対外せない貢献対象が2つある。
「お客様」と「適正利益の確保」である。基本的に、どんな職場も、何らかの形で両者に貢献することが求められているからである。
 とりわけ、お客様への貢献は重要だ。お客様が商品を買ってくれなければ、何も始まらない。究極的に会社を支えているのはお客様なのである。
 それを忘れずに、全職場が顧客への貢献を意識する事。それが職場ミッションである。

 この本を読むのは何度目だったか忘れました。表紙には「ノルマ主義に陥らないMBOの正しいやり方」というサブタイトルがあります。今回は「職場ミッション」という言葉が気になり読み直しました。私は、経営の基本要素として、ミッション、ビジョン、ドメインを考え中期経営計画を作成することを進めてきました。先日、幹部合宿で中期経営計画(ビジョンと戦略)を話し合ったのですが、戦略を実行する過程で目標管理は必須であり、その目標管理を「ノルマ管理」にしないために「職場のミッション」さらには「リーダーのミッション」「個人のミッション」が必要ということが良くわかりました。web軍師のスコアカードの赤と黄色を緑にするための「鍵」がここにもありました。この本は何度も読み直します。

最高の結果を出すKPIマネジメント 河合 雅司 著

フォレスト出版株式会社 2018年7月2日初版発行

(P6 そろそろ「なんちゃってKPI」から脱却しませんか?)
 KPIマネジメントとは、次の3点を関係者で共有・実行・改善し続けることです。
➀現在の事業にとっての最重要プロセスを明確にし(=CSF)
➁それをどの程度実行すると(=KPI)
➂事業計画が達成できるのか(=KGI)

本書では、単に数値を見ながら事業を運営する「なんちゃってKPI」とは一線を隔す。徹底した現場主義の使えるKPIマネジメント手法を共有したいと考えています。
この本は、こうした私のリクルート時代の「メディアの学校」講師としての11年間の講座の内容がベースになっています。
毎回、講座の冒頭で、受講者が講座終了後、以下のような感想をもってもらえれば、今回の講座は成功だと伝えていました。

「KPIに興味を持てた」
「自組織のKPIを(知らない人は)確認してみよう」
「自組織のKPIを(知っているけど使っていない人は)活用してみよう」
「実際にKPIを使ってみよう」
「誰かに今日学んだ話をしてみよう」

この本を読み終わったあなたが、同様の感想を持っていただければ、とてもうれしいですし、この本を書いたことは成功だったと思います。

 私は、バランス・スコアカードに取り組み、CSF・KPI・KGIという言葉を知りました。最近、その説明や理解の「壁」を感じていましたがこの本を読んですっきりしました。KPIマネジメントの基礎から実践、レベルアップまで学べます。KPIを理解するには最適な本です。戦略目標、戦略マップ、バランス・スコアカードという言葉は一切出てきませんが、P72には以下の解説がありました。
「青」はこのまま進んで大丈夫。
「黄」は注意する。あるいは停まる。
「赤」は停まる。
この本を熟読して、KPIについての理解を深めます。

「未来の年表」人口減少日本でこれから起こること 河合 雅司 著

株式会社講談社発行 2018年7月13日第30刷発行

(P89 2030年百貨店の銀行も老人ホームも地方から消える)
(前文略P907行目から)
 国土交通省の「国土のグランドデザイン2050」(2016年)が、三大都市を除いた地域において主なサービスごとに立地に必要な需要規模を、「存在確立50%」と「存在確率80%」という形で計算している。「存在確率50%」とは、その人口規模を下回ると廃業や撤退するところが出てくるラインだ。逆に「存在確率80%」とされる人口規模であれば、ほぼ存在し得る。
 次ページの図をご覧いただきたい。例えば、食料品の小売店や郵便局、一般診療所の存在確立80%は、500人だから、その人数規模の集落であればこうした事業は成り立つ。一方介護老人福祉施設では4500人の人口規模なら存在確立は80%だが、500人では50%。銀行は9500人の人口規模の自治体であれば存在するが、6500人になると撤退を始める。一般病院は2万7500人規模の自治体ならほぼ存在するが、5500人になるとあったりなかったりする。
 このように、「存在確立80%」を見ていくと、訪問介護事業は2万7500人、相当の知識と経験を持つ医師が常時診療し、設備もしっかりした救急告示病院は3万7500人、優良老人ホームは12万5000人、大学や映画館は17万5000人。公認会計士事務所は27万5000人だ。これらを大きく下回ると、立地が苦しくなり始める。
 (以下略)

 この本は、盛岡市にある智創税理士法人盛岡事務所から献本いただきました。献本は、逝去された楢山直樹先生からご子息の代表社員税理士楢山直孝氏に引き継がれ、48回目です。発送状には「決してネガティブにとらえすぎず、チャンスととらえていただけるよう、先見の明をもって経営していただきたいと思います」と書いてありました。ただ、ただ敬服いたしました。
 2030年といえば12年後、私は81歳になっています。住んでいる青森市の推計人口は23万9000人。公認会計士事務所の存在確立は危うくなり、銀行の数も減っているのではないでしょうか。人口減少を「重要な経営課題」ととらえましょう。

「ワクワク会議」 堀 公俊 著

日本経済新聞社発行 2009年12月16日1版第1刷

(P62 反省しても直らない)
皆さんは、何か大きな仕事やイベントが終わったときに、「振り返り」ってやってますか?
え、そんな面倒なことはやっていない?それはよくありませんね……。今からとっておきの方法をお話しますので、一度やってみてくださいよ。やればその良さが分かりますから。
 プロジェクトマネジメントの定例ミーティングでよく使われる「KPT」(ケプトって呼ぶ人が多いです)という方法を紹介します。わが家で実際にやっている話をもとに。

 私の家には中学生の娘がいます。彼女は、塾が大嫌い。自己流で勉強をやらせるのも不安なので、親や姉が勉強を教えたり、やり方の指導をしたりしています。それが良かったのか悪かったのか、定期テストが終わるたびに、親子でKPTをやって勉強法の改善をしています。
 ホワイトボード(ホームセンターで小さいのを買ってきました)を用意して、真ん中にタテ線を引きます。左側をさらに上下に2分割します。Tの次を時計方向に90度回転させた構図ですね。逆トの字型といったほうが分かりやすいかも。
 左上のスペースにK、左下にK、右にTと、それぞれの隅に書きます。これで準備OK。

まずは、K(Keep)。今学期のテストに向けてやってきたことで、継続すべき良かった点を挙げていきます。
 うまくいったことは変える必要がありません。環境が変わって、うまくいかなくなるまで、続けましょう。
 どんな些細なことでもかまいません。本人は当たり前と思っていても、そこに成功のコツが隠れているかも。「宿題プリントが試験前にきっちり整理できていたよね」とか、「お母さんが夕食を早めにしたので、夜の勉強時間が確保できたよね」とか……。本人以外が指摘して気がつくこともよくあります。
 個人に関することでも、チーム全体の話でもかまいません。できるだけたくさん、ひっぱりだしましょう。「○○○を○○○する」と、文章で具体的に書くようにします。付箋に書き出すのも手です。

 次は、P(Problem)。やってきたことの中で、問題点を挙げていきます。
 うまくいかないことは、何かやり方を変えないと。うまくいかないことを、気合やガンバリズムだけでやろうとするから、少しもよくならないのです。
 やてってみてうまくいかなかったこと、やり方を変えたほうが良さそうな点、新たに発生した問題、将来起こりそうな問題点……、洗いざらい挙げていきましょう。「1週間で30ページのドリルをやろうとした」「単語帳を使って英単語を覚えようとした」といった感じで。
 わが家でもそうなんですが、Pをやっていると「なぜ(Why)、やらなかったの?」と原因探索にいきがちになります。なるべく本人の“責任”を追及するのではなく、「何が(What)マズかったんだろうかね」と“原因”を追求するようにします。
「ヒト」と「コト」を分けるのです。そうしないと、怖くて問題が出てこなくなる。この点は、くれぐれも、気をつけてくださいね。

 そして最後にT(Try)です。次にやってみたいことを挙げていきます。Kの取り組みのさらなる工夫、Pの問題に対する対策、新たなチャレンジ、などなどです。
 挙げたからといって、発案者が絶対やらないといけない、というのではありません。「できる/できない、誰がやるんだ」はさておき、自由にたくさん出していきましょう。「英語の試験の前は、家庭内で日本語禁止!」といった、ムチャもOK。ありとあらゆる可能性、検討していくようにします。
 その上で、実現性や効果を考えて優先順位をつけ、誰が(Who)、いつまで(When)に、何を(What)するか、アクションプラン(「3w」)を確認します。やりたくないことは、やっても効果が出ません。やる気度合いもこの段階で見極めましょう。
 全部終わったら、わが家ではホワイトボードの内容を書き写し、冷蔵庫に貼っています。いつでも眺められるようにしているのですが、娘は目障りだと……。

 「KPT」はやりっぱなしではいけません。次回の振り返りに活かすこと、大切です。次にやるときは、前回のTの内容がKになったのか、Pになったのかを確認するようにします。数回Kになったのは外しても構いません。習慣になったということですね。何度やってもPになるもの、別テーマとして取り出し、議論したほうがいいです。

 今回は、堀 公俊著{ワクワク会議}です。会議や打ち合わせの基本として、web軍師で「KPT」の活用を進めています。当社は、習慣になってきたのですが「惰性」になりがちで、基本を確認するため、長かったのですが復習の意味で「反省しても直らない」の部分を全部書きました。

「100年企業を作る 親子でM&A」田中 一 著

合同フォレスト株式会社発行 2018年6月20日第1刷発行

(P95 「親子でM&A」の要諦とは)
 一般的なM&Aの全体像について理解したうえで、次に、「親子でM&A」について見ていきましょう。全体の流れとしては、M&Aと同じように4つの段階を経る形となっています。またその中身についてもM&Aと本質的には共通しています。
 まずは、現経営者による「価値の見える化(セルフ・デュー・デリジェンス)・強化」です。事業承継をしようと考えた段階から、会社の価値(経営の仕組み)を見える化し、更にそれを磨き上げて(強化して)いきます。
 次に、現経営者及び後継者による「価値の理解(デューデリジェンス)・共有」を行います。現経営者と後継者がともに会社の価値を理解していないと、事業承継は成功しません。相互理解を目指しつつ、並行して、後継者育成も進めていきます。
 双方が事業承継に合意したら、事業承継計画に従って社長交代・自社株移転等の手続きを進めていきます。事業承継後については、後継者が中心となって、「価値の実現」を図ります。前任の経営者から引き継いだ会社の価値を更に高め、会社の円滑な運営をします。
 最後の段階としては、「価値の変革・進化」があげられます。100年企業を実現するにあたり、事業承継は一代で完結するものではありません。次の世代、また次の世代へと事業承継をしていかなければなりません。そのため、親から引き継いだ事業を守るというだけでなく、承継した事業を自身の事業としてとらえ、変革・進化させることが必要です。そのようにして、プラスの連鎖を生むことが、「親子でM&A」による“100年継続企業戦略”なのです。

 この本は、青森県出身で大学卒業後、国税専門官として税務署に勤務。税理士試験に合格後、東京で事業承継に取り組んでいる田中先生が書いたものです。お世話になっている、MAP経営の方からの紹介で里帰りのついでに当社によってくださいました。親子で事業承継する場合でも、第三者に承継するのと同じように考え、客観的な判断が大事と強調しておられます。P160には、アンゾフの成長マトリクスが示してあります。100年企業を目指すためには、成長戦略が基本と再認識しました。

「戦略参謀の仕事」稲田 将人 著

ダイヤモンド社発行 2010年5月30日第1刷発行

(P251 ある会社のⅤ字回復のためのシナリオ作り)
 他人が策定した戦略を渡されて「ではあとは、御社で実践してください」というのは、確かに言われた当人からすれば、酷な話です。たとえてみれば、トランペットやサックス、ギター等を初めて手にした人に、音の出し方、譜面の読み方、やっていいこと、悪いことを座学で教えたうえで、楽器を持たせて、いきなりステージに立たせる状態に近いと思います。
 かつて、ある会社のV時回復のためのシナリオ作りを依頼された際に、社長から、
「うちは実行力がありますから、戦略だけあれば絶対大丈夫です」
と強く言われ、戦略立案の指導だけを請け負ったことがあります。しかし、その後、一部の側近幹部の「思惑」が働き、本筋とは関係のないところでの抵抗が起き、改革はスタートさえしませんでした。以来、研修の目的以外では、戦略立案だけの前提で請け負うことは、原則的にしないようにしています。
 戦略立案が必要なほとんどの企業は、PDCAを適切に回す実践力の方に問題があります。「楽器の効果的な演奏の仕方、ステージでの立ち居振る舞い、顧客とのやり取りの仕方」までのディレクションを請け負い、改革の起動と初めの段階での舵取りを共に行う……。
 このようなプロジェクトの請け負い方をするようにしています。

 著者は、元マッキンゼーのコンサルタント。「戦略参謀」「経営参謀」「PDCAプロフェッショナル」等の著書があります、P77に、「参謀とは、会社の将来も見据えたうえで、事業最適化を進める視点で自ら考え、自ら動いて社長業をカバーする役割」という定義が書いてありました。
 これまで、「戦略参謀」というAccessの商品を作り普及してきましたが、「フレームワークをつなぎ合わせることにより課題解決ができるという提案」をしているのではありません。全面Cloudになって、商品名も「戦略ナビCloud」に変えました。「戦略ナビCloud」はPDCAを適切に回す実践的なツールです。ユーザー会「軍師の会」の皆さんと、現場力を培います。

「チーム・ファシリテーション 最強の組織をつくる12のステップ」堀 公俊著

朝日新聞出版 2010年5月30日第1刷発行

(P172 学習のサイクルを回そう)
 あわせて、「やれやれ終わった……」とやりっぱなしにせずに、自分たちの行動を振り返ることが大切です。それも、なるべく間をおかず、鉄が熱いうちに。
 活性化されたチームには、自律的な問題解決だけでなく、自律的な学習が求められます。経験を学習に結びつけてこそ、持続的に成長できるチームになります。振り返りはそのために欠かせないステージで有り、あらかじめその時間や場所をチーム活動の中に組み込んで置かなければいけません。
 「甲子園で優勝するのは一番強いチームではなく、試合の度に成長していくチームだ」と言われています。まったくその通りで、チームが最初から強いわけでも素晴らしい能力を備えているわけでもありません。悪戦苦闘の中から、新たなスキルを身につけ、互いの能力を高め合い、段々強くなっていくのです。その鍵を握るのが振り返りと言う訳です。
 やり方はいろいろあります。例えば、プラス/デルタ(良い点と悪い点を出すやり方)や、KPT(Keep Problem Tryを挙げていく方法)等がポピュラーなところです。ところが、これはあくまでも簡便な方法であり、下手をすると単なるダメ出しや反省会になる恐れがあります。
 せっかく苦労して活動を進めてきたのですから、少し時間をかけてでも、本当の振り返りをして、深い学習を導き出しましょう。そのために、体験学習の循環家庭を紹介しておきます(津村俊充/石田裕久編「ファシリテーター・トレーニング」ナカニシヤ出版)
➀体験する
チームが結成されてから成果を得るまで、その間に起こったことはすべて体験です。中でもみんなで困難な場をくぐり抜けた共同体験は、学習のための格好の材料を提供してくれます。
➁指摘する(会話)
体験を振り返って、何があったか、気づいたことや感じたことを各自で出し合っていきます。自己開示とフィードバックを使って学習の素材を集めていくわけです。
➂分析する(対話)
その素材を元に、「なぜ、そうなったのか」「なぜ、そう感じたのか」。原因やメカニズムをみんなで分析していきます。そうして、そこでおこったことの意味を見つけていきます。
➃仮説(概念)化する(議論)
最後は、分析から得たものから、「こういうときは、こうすれば良い」と言った行動原理、成功法則、教訓などの仮説を発見します。それを次の体験に生かしていく訳です。

 振り返りは、この順番でやっていかないと良い学びが得られません。私達(特に大人)はとすると何か体験した後ですぐに「分かった、次はこうすればいいんだ」と安易に結論を出しがちです。①から④へと一足飛びに飛んでしまうのです。

 この本は、何度か読み返し付箋がいっぱいついています。今回は、本の帯にある「たかが話し合い、されど話し合い。毎週のチーム会議で組織力を飛躍的にアップさせる」という言葉にひかれ、また読みました。今日の1ページには何度か登場しています。PDCAを加速するのはKPT、書きこまれた内容を確認し、深い議論もせず「こうすればいい」と決めつけていました。変わるためには、体験→会話→対話→議論が必要と改めてわかりました。

「ストーリーブランド戦略」ドナルド・ミラー著 力丸 洋子=訳

ダイヤモンド社 2018年4月26日第1版第1刷発行

「ストーリーブランド戦略」ドナルド・ミラー著(P18 人間の脳はわかりやすさを好み、混乱を嫌う)
 多くの企業は、「何を伝えるか」をはっきり理解した後で、2倍、3倍さらには4倍以上の収益を上げるようになっている。
 個人経営の事業であれ、大企業であれ「ストーリーブランド・フレームワーク」は同じように効果を発揮する。米国企業だろうと、日本やアフリカの企業だろうと、民族を問わず、影響力は変わらない。人間の脳はわかりやすさを好み、混乱を嫌うからだ。
 実のところ、私たちは単に商品を市場に出す競争をしているのではない。“自社の商品が消費者にとって必要である理由を伝える競争をしている”のだ、最高の商品を扱っていたとしても、競合他社のほうがわかりやすく情報を伝えたとすれば、質の劣る商品に負けることがある。
 あなたが伝えるべきことは何だろう?すぐ口にできるだろうか。簡潔で相手の関心を引く、何度も繰り返せるメッセージだろうか。従業員全員がそれを知っていて、効果的な伝え方をしているだろうか。親友社員が入ってきたときに、見込み客に対して会社の商品とそれを購入すべき理由を説明する方法を教えているだろうか。
 消費者がウェブサイトを開いてから5秒以内に会社の強みがわからないために、何件の売上を逃しているだろう。

 私は、「社長のためのビジネス洋書」をダイレクト出版から定期購読しています。この本に書いてあることは全て心当たりがあるので、一気に読み、「ストーリーブランド・フレームワークと7つの要素」の要点をまとめました。これから本を参考にして「成功する結末」を考え、課題その1(P198)「会社の紹介文を作る」にとりかかります。chapter13(P176)に、「綱領(ミッションステートメント)」は企業にとって見果てぬ夢のようなものだ…使命を物語に変えるには、綱領では役不足だと書いてあります。「成功する結末」を考え、「会社の一言紹介文」を作ることで見果てぬ夢は現実の行動とつながります。戦略ナビCloudをわかりやすい商品にすることを目指してがんばります。