今日の1ページ

『コトラーのマーケティング講義』フィリップ・コトラー著 監訳者 木村 達也 訳者 有賀裕子

ダイヤモンド社発行 2004年10月第1刷発行

(P214)
病院に行くと、決まった手順に沿って検査をして、健康状態に問題がないかどうか検査してくれますよね。では、企業が自社のマーケティングについて健全性を知りたい場合にはどうすれば良いのでしょうか?

かつてトム・ピーターズは、店舗やオフィスを訪れて15分もそこに居れば、健全性を判断できる。と述べました。私自身は、「マーケティングを成功させるための十戒」を守っているかどうかで、企業を評価しています。この十戒については、詳しくはTen Deadly Sins of Marketing Signs and Solutions (John Wiley & Sons)を参照してください

1、市場セグメンテーションを行って最も望ましいセグメントを選び、核セグメントに強固な地位を得る。
2、顧客のニーズ、考え方、嗜好、行動などを分析したうえで、顧客に奉仕して満足をもたらすように、さまざまな利害関係者に働きかける。
3、どの企業が主な競争相手であるかを見極め、その強みと弱みを知る。
4、社員、仕入先、流通業者など、主な利害関係者を事業パートナーとみなして、厚遇する。
5、事業機会に目を留め、評価を行い、最も魅力的な機械を選び出すための仕組みを設ける。
6、マーケティング・プランニングを管理して、長期、短期の両面で的確なプラン作りができるようにする。
7、製品ミックスやサービス・ミックスの管理を万全にする。
8、費用対効果の面で最も優れたコミニュケーション・ツールやプロモーション・ツールを用いて、強大なブランドを築き上げる。
9、マーケティングに秀でた企業としての地位を築き、部門間のチーム精神を育む。
10、絶えず新しいテクノロジーを取り入れて、市場での競争優位を保つ。

 最近、販売管理システムと会計データを組み合わせることにより「どうしたら、もっと顧客に貢献し、儲かる仕組みを支援することができるか!」という事に興味を持ち取り組んでいます。そして、マーケティングの用語、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングという言葉を思い出し、以前、買ってあるフィリップ・コトラーの本を読みました。戸惑っているのは、市場区分の仕方です。この本を読んで、8、費用対効果の面で最も優れたコミニュケーション・ツールやプロモーション・ツールを用いて、強大な無ブランドを築き上げる。9、マーケティングに秀でた企業としての地位を築き、部門間のチーム精神を育む。という項が参考になりました。試行錯誤を続けてみます。

『社員の力で最高のチームをつくる』ケン・ブランチャード+ジョン・P・カルロス+アラン・ランドルフ 著 星野リゾート代表 星野 佳路 監訳

ダイヤモンド社

(P20) 4 継続的イノベーション
このごろ、どこに行っても、会社「学習する組織」であり続けなくてはならないという意見を聞く。そのためには、全社員が、昨日より今日、今日より明日の不尾がよくなっている企業というビジョンを共有しなくてはならないと言われる。だが、つねに進歩し自らを乗り越えつづける組織をつくる等ということは容易ではない。まして社員の力でイノベーション――仕事の進め方であれ、製品やサービスであれ――を起こし続けることは至難の業といえる。しかしマイケルには、そうしたイノベーションを起こせない会社は死んだも同然だということもわかっていた。

 そこまで考えてきて、マイケルはますます心配になった。確かにコンサルタントの提案は正しい。会社を生き残らせるには、顧客と品質を優先し、収益性とコスト効率を高め、市場変化に迅速かつ柔軟に対応し、イノベーションを継続しなければならない。だが、どうすればそんなことができるというのか?
 そのためには全社員を目標に向かわせる方法を見つけなくてはならない、と何度も聞かされた。社員には、自分がオーナーであるかのような自覚をもって、あるいは起業家の気概をもって、仕事に取り組んでもらうことが大切だというのだ。社員のなかで眠っている創造的エネルギーを解き放ち、それでいて会社をコントロール不能にしてはならない。社員にはスキルと能力をフルに発揮させ、行動し決定する責任を与え、会社が先の4要件を満たすために働いてもらわなければならない、というのである。

 そう考えたとき、「エンパワーメントi 」という言葉が浮かんだ。マイケルにはこれが必要だとアドバイスしてくれた人もいた。しかし、それならマイケルはさんざん試み、ほとんど成果が上がらないという結果も見ていた。

 この本は、書店で見つけました。本の帯にあった、星野佳路のことば「私にとってもっとも大切な教科書だ」という言葉に惹かれて買いました。最近、“業績に連動する従業員満足度のあげ方”をテーマによんでいるのですが、バランス・スコアカード(BSC)に戦略目標やKPIとして表現するところまで到達できません。先日、来社頂いた大学の先生とBSCの活用事例について話し合ったのですが、「活用がうまくいっているのは、人を大事にする会社」というヒントが見つかりました。本の前書きに、監訳者は「今の星野リゾートは、この本がなければ存在しなかった。私の経営者人生で最も影響を受けたのが本書だ」と書いています。ES(従業員満足)とCS(顧客満足)を考えている方にお勧めします。


iエンパワーメント:自律した社員が自らの力で仕事を進めていける環境をつくろうとする取り組み。社員のなかで眠っている能力を引き出し、最大限に活用することを目指す。(本のP001にある説明を引用)

『経営は「実行」―明日から結果を出すための鉄則』ラリー・ポジディ、ラム・チャラン、チャールズ・バーグ 高橋裕子訳

日本経済新聞社発行 2003年2月2日1販1刷 2007年6月14日5刷

(P17) 第1章誰も気づかないギャップ
 ある日の夜遅く、CEOはオフィスの自室で腰かけていた。憔悴しきっている。みずから指揮した戦略が失敗した理由を説明しようとしていたが、よくできた戦略で、どこが悪いのかまるでわからなかった。
 「まったく忌々しい。一年間あらゆる部門から人材を集めて、チームをつくった。保養地で一度会議を開き、ベンチマーキングをやり、指標も集めた。マッキンゼーの助言も受けた。全員がこの戦略に賛成した。内容も素晴らしかったし、市場も好調だった。
 間違いなく業界一の精鋭が集まっていた。わたしは大胆な目標を与えた。権限を委譲し、必要なことは何でもできる自由を与えた。何をすべきかを全員がわかっていた。インセンティブ制度は明快で、どんな賞罰が与えられるか理解されていた。みな一丸となって取り組んだ。ここまでやれば、失敗するはずがない。
 だが、年の終わりになっても、目標を達成できなかった。みなが結果を出してくれると信じていたが、裏切られたのだ。この九か月の間に、四度も業績予想を下げた。これでウォール街の信認を失った。取締役会の信頼も失ったはずだ。どうしていいのかわからないし、どうなるかもわからない。正直言って解任されるかもしれない」
 事実、この数週間後、このCEOは取締役会によって解任された。
 これは事実だが、誰も気づかないギャップを示す典型的な例だ。企業が現在、直面している最大の問題を如実に示している。企業経営者と話をすると、似たような話をたびたび耳にする。マスコミでは、うまくいくはずなのに行き詰っている企業が連日のように取り上げられている。エトナにAT&T、ブリティッシュ・エアウエィズ、キャンベル・スープ、コンパック、ジレット、ヒューレット・パッカード、コダック、ルーセント・テクノロジーズ、モトローラ、ゼロックス等々。数え上げれば切りがない。
 これらはみな優良企業だ。敏腕CEOに有能な社員がいる。心躍るビジョンを掲げ、最高のコンサルタントを招聘している。だが、目標達成には何度も失敗している。そんな企業はほかにも数多くある。目標を達成でできなかったと発表するたびに、株が投げ売りされ、膨大な時価総額が吹き飛ぶ。幹部や従業員の士気は下がる。やがてCEOは取締役会によって解任される。

 この本には付箋がいっぱいついています。久々に再読しました。「はじめに」P13には、「どんな戦略も、具体的な行動に落とし込まなければ、結果を生まないことを示す。業務プロセスは、戦略を実行するために段階を踏んで業務計画を策定する方法を示すものだ。戦略と計画はいずれも人材プロセスと結びついており、業務計画の実行に必要な能力と組織の能力とが一致しているかどうかが問われる。と書いてあります。
 この本では「実行」を、経営環境を想定し、自社の能力を評価し、戦略をや業務や、戦略を実行する人材と結びつけ、様々な職種の人々が協商できるようにし、報酬を結果と結びつけることであると定義づけています。小規模事業者に「実行」をわかりやすく伝える努力を続けます。

『新・従業員満足度 ES2.0』~業績に連動する従業員満足度の上げ方~ 藤原 清道 著

ビジネス・ベストセラー出版株式会社発行 2019年12月20日第1販第1刷発行

(P51) 2)誰の満足度を上げることをめざすのか
 前項から読み進めてくださっている方は、すでにある程度の創造がついているだろうと思います。誰の満足度を上げるのか。それは、自分の含めた全従業員です。ただ、組織のリーダーである皆さんは、いくらか自分の満足を後回しにして考えて行動していくことをオススメします。
 経営者という仕事、とりわけ創業経営者の仕事は、自分の労働力やり方やリスクに対する報酬が最も割の合わないもの。そのように感じている読者諸氏もおおいのではないかと想像します。しかし、日々そういう意識の中にいると、つい、「私はこれだけ日々の努力をしているのだから、少しぐらい良い思いをさせてもらってもバチは当たらないだろうという」発想になってしまいがちです。
 そこに大きな落とし穴があります。ご自身が、独立して経営者になる前のことを思い出してみてください。経営者として、「少しぐらいはいいだろう……」と思っていることであっても、従業員の立場では、「俺たちはこんなに我慢しているのに、社長だけいい思いをしているよなぁ。でも、そういうことを知るとやる気がなくなっちゃうよな」と思ってしまうものです。

 人間は誰しも、自分がしていることは棚に上げて、他人が良い思いをしていることに対して不満を感じるようにできています。このことを強く意識しておきましょう。そうすれば、「なぜ、自分の満足を後回しに」するのかも、府に落ちるのではないかと思います。
 自分のことを後回しにして、自分以外の全従業員の満足度を上げるということは、ここまで理解することができました。全従業員とひとくくりに言うことは簡単ですが、全従業員とは、一人ひとりの個人の集合体です。性格も違えば、働き方も違います。勤務時間や勤務日数も違うかもしれません。仕事の結果だけでなく、仕事に向かう意味や準備も、人によって違うはずです。いざ、従業員の満足度を上げることを考えたとき、具体的に、何に気を付けて何から着手すればいいのでしょうか。

 従業員満足度を上げるための施策はさまざまありますが、それは全従業員に平等に行っていけば良いのでしょうか。

 全従業員とは、自分も含めた全従業員ですが、もし自分のことを後回しにすることで、自分の満足度が下がってしまうようであれば、それは長期的に見てよいことではありません。ですので、自分自身の満足度が上がるようなマインドセットを形成する訓練を平行して行うことをオススメしています。
 難しいことではありません。「他者の満足こそが自分の満足である」ということを、まず自分の理想に置き、その理想が現実だと強く念じ、その現実とマッチしないことがあれば気持ち悪いと感じ、その気持ちを解消するべく(現実を合わせていくために)努力していくこと。
 誰の満足度を上げることを目指すのか、自分自身のマインドセットが確立されていれば、自分の満足度を上げることを目指しても、結果としてゴールは同じことになります。

 前回と同じ本の1ページを書きました。ES(従業員満足)とCS(顧客満足)の関係をつなぐ業績評価指標(KPI)を考え、「サービスプロフィット・チェーンの仕組み」という図を見つけました。
・従業員満足度(EIS)と顧客満足度(CIS)をつなぐ鍵は「スキルの向上」「サービス力の強化」
・顧客満足度(CIS)と業績(Profit)をつなぐ鍵は「顧客のリピート」「競合優位性の確立
・業績(Profit)と従業員満足度(EIS)をつなぐ鍵は「福利厚生」「教育訓練」「給与/待遇」

「従業員満足度が高まれば、顧客満足度も高まり、企業としての利益も高まっていく」、結果に至るまでのプロセスはわかりますが、業績と従業員満足度をつなぐ「鍵」については腑に落ちません(汗、前回書いたときアドバイスをいただいたホスピタリティとコンタクトパーソネルをもっと学ぶとともに、経営者自身のマインドセットが大事と気づきました。

「チェンジ・リーダーの条件」P.F.ドラッカー著 上田 惇生 編訳

ダイヤモンド社発行 2009年9月28日第1刷 2017年8月3日第30刷発行

(P185)5章 同族企業のマネジメント
生き残りを左右する原則
 先進国では、企業の大半を同族が所有し、マネジメントしている。同族経営は、中小企業に限らない。世界最大級の企業もある。

 リーバイ・ストラウスは、一世紀手前の創立以来、同族所有であり相続経営
である。デュポンも1902年の創立以来、1970年代半ばまでの170年間、
同族経営だった。そして、世界最大の化学メーカーに成長した。
 200年前、ある無名の両替商が、ヨーロッパのいくつかの主要国の首都に
息子たちを駐在させた。今日、ロスチャイルドの名を残し、同家によってマネ
ジメントされる金融機関は、世界のトップクラスにある。

 ところが、マネジメントについての本や講座のほとんどが、経営のプロによってマネジメントされる上場企業だけを扱っている。同族企業に触れることはほとんどない。同族企業と他の企業との間に研究開発、マーケティング、経理などの仕事で違いがあるわけではない。しかし、同族企業はマネジメントの構成に関して、いくつかの原則を必要とする。それらの原則は厳しくなければならない。さもなければ生き残ることはできず、繁栄など到底できない。
P186~P188
第一の原則:出来の悪いものは働かせるな
第二の原則:トップマネジメントに一族以外からも採用せよ
第三の原則:専門的な地位には一族以外の者も必要
P189
 適切な仲裁人を外部に用意せよ
 この三つの原則を守っていても問題が起こることがある。特に後継者問題をめぐって混乱しやすい。創業者である二人の兄弟が引退を考えるようになったとき、それぞれが、次のCEOに自分の息子を押す。20年間七よく働いてきた二人が敵対関係に陥り、譲歩するぐらいならば持ち株を売り払ったほうがましと考える。創業者の未亡人が、娘のために、並みの才能しかない婿を義弟の後釜に据えようとする。あるいは、ハイテク企業の創業者が、いやがる息子に大学の研究者の経歴を捨てさせて、継がせる。ところが父親が死んで半年後には、その息子が会社をコングロマリットに売ってしまう。
(以下略)

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。事業承継の相談が増えてきたので、年末年始「同族企業(ファミリービジネス)」をテーマに本を読みました。関与先のほとんどが同族企業。事業承継の問題には必ず親子や家族、親族との関係が絡んでいます。うまくいくケースと真逆のケース…ドラッカーが「同族企業」について述べていたことを思い出し、この本を見つけました。P190には「後継者問題が深刻化してから外部の人間を招いても手遅れである」という記載があります。ドラッカーの洞察力はすごい!三つの原則と「適切な仲裁人を外部に用意せよ」というアドバイスはそのまますべてのケースに当てはまります。会計人として、「適切な仲裁人」を目指します。

「あたりまえだけどなかなかつくれない-チームのルール」小倉 広 著

明日香出版社発行 008年11月5日初版発行 2016年3月30日第30刷発行

(P52)ビジョンをみんなで描こう
 「俺たちのチームが目指す姿はここだ!競合X社Oなぎ倒してシェア50%を目指すぞ!」リーダーが勢いよく宣言しました。しかし、メンバーの反応は芳しくありません。イエスでもノーでもなくの無反応。
 「お前たち、本当にやる気があるのか?」とチームリーダー。またもや無反応なメンバーたち。
 さて、このチーム、何が問題なのでしょうか?
 無気力なメンバーたちに責を求めるのは簡単なこと。しかしここは違う観点が大切です。つまりビジョンはだれが決めるものなのか、という観点で見てみると、一つの改善策が見つかるのです。
 ビジョンはリーダー個人のものか?と問われればほとんどの人はノーと答えるでしょう。ビジョンはチーム全員のもの。これに異を唱える人はいないはずです。
 しかし不思議なことに、ビジョンはリーダーがつくるものか?と問われればイエスと答える人が多い。つまりビジョンはチーム全員のものであると知っていながらも、つくるのはリーダーの仕事と考えている人が多いのです。
 しかし、これではうまくいかない。みんなのビジョンであるならば、みんなで一緒に作るのが一番。「参加なくして決意なし」の言葉の通り、みんなでビジョンづくりに参加し、みんなでビジョンを実現するのがベストなのです。
 「参加なくして決意なし」。私はこの言葉を逆手にとってこんな言葉を部下に伝えています。「参加したからには決意しろよ!決意できないならばそんなビジョン捨ててしまえ!」と。
 未熟なメンバーたちの多くは、決定されたビジョンに対して不平不満を漏らします。しかも、「では自分で作ってみろ」と言われれば意見が名語りするもの。そうではなく、ビジョンづくりに参加させるからにはその言葉に対して責任を持たせるのは当然のこと。きちんと大人扱いして彼らを尊重し、それと同じだけの責任を求めていく。
 コインの表裏である権利と責任の両方を求めていくことでチームの決意が生まれるのです。

 先週に続いて同じ本です。これまで、ビジョンを示しそれを実現するのが経営計画と考えてきました。最近、若い世代から「われわれの意見も聞いて欲しい」という要望があり、彼らの提案で彼らが作成したアンケートで意見をまとめさせました。結果は、あーして欲しい、こーして欲しいという内容でした。同調して古い世代からは不平不満……「改善」や「革新」につながる提案は全くありません。
 会社は学級委員会ではありません。理念を達成するためのビジョンを決め、ビジョンを実現するためにある組織です。古い世代の不平不満は論外ですが、若い世代とビジョンを共有するためにはビジョンづくりに参加させる必要があることがわかりました。

『戦略マップ』ロバート・S・キャプラン/デビット・P・ノートン著 監訳櫻井道晴・伊藤和憲・長谷川憲一

ランダムハウス講談社2005年12月14日第1刷発行

(P13)はじめに
 バランス・スコアカード(BSC)を実行している経営者は直感的に、戦略にもとづいた測定システムが戦略をどのように伝達し実行すべきかという課題を解決できることを理解していた。BSCを用いている経営者を観察すれば、彼らが戦略を管理するための新たなシステムを構築していることがわかる。
(6行略)
 
 さらに次の4年間、これらのBSC採用企業の業績と、我々がBSC導入を支援した企業及び独力でBSCを導入した企業の業績を追跡した。ここから、これらの企業は、比較的短期間……BSCプロジェクトとその組織変革を始めて2、3年……で飛躍的なパフォーマンスの改善を達成したことがわかった。驚くべき変革をなし遂げた経営者にBSCの役割について尋ねたとき、BSCは2つの単語、すなわち戦略への方向付け(alignment)と集中(focus)にあると彼らはおしなべて答えた。戦略実行に高度に集中するために、組織資源、すなわちエグゼクティブ・チーム、ビジネス・ユニット、支援グループ、IT、雇用と訓練のすべてを戦略に方向づけることをBSCは可能にしてきた。
(5行略)

 この著書では、BSCに成功した企業が「戦略志向」になるために次の5つのマネジメント原則にどのように従っているかを示した。
・戦略を現場の言葉に落とし込むこと
・企業を戦略に方向づけること
・戦略をすべての人の毎日の仕事にすること
・戦略を継続的プロセスにすること
・経営幹部がリーダとなって変革を活性化すること

 われわれは戦略志向になるためのマネジメント原則について学んだだけでなく、経営幹部と従業員にとって非常に重要な測定の仕方についても学ぶことができた。

 この本を監訳された櫻井先生からサインをいただいたのが平成19年10月30日。5つのマネジメント原則が仕組みになっているBSCは中小企業経営に役立つと考え、BSCを追い続けてきました。戦略への方向付けをするツール「戦略ナビcloud」は、京都大学上級経営会計専門家(EMBA)プログラムで、9月の講義(コンサルティングと会計)に使い、完成度が高い仕組みという評価をいただきました。
 集中は実行。なぜ普及がすすまないのか、『戦略マップ』を読み直し、5つのマネジメント原則の実行を習慣にできない「壁」が最大の要因と改めてわかりました。これまでの延長では事業を継続できない、会計事務所として新たな事業領域を創り事業承継を進めたいと考え取り組んで来ました。戦略ナビ導入の効果は導入事例で証明できました。「戦略への方向づけと集中」が持続力を維持する「鍵」です。

「ザ・ビジョン」ケン・ブラチャード&ジェシー・ストナー 著

ダイヤモンド社2004年1月8日発行

(P29)「ビジョン」とは何か
 木曜日の朝も、ジムと私は「二人の専用テーブル」でコーヒーを飲んでいた。「私のメッセージに対するきみの質問に考えていたんだが、確かに、メールメッセージには、ある意味のインパクトがあった。でも昨日も言ったように、私が望むような、もっと大きな変化は起きていない気がする。
父の時代は、会社全体が「全速前進!」だった。全員が、何を、何のためにやっているのか、きちんと意識していた。何があろうと、決してひるまなかった。自分たちは、社会に貢献する企業を動かしているのだと信じていた。まるで家族のように喜びを分かち合い、助け合っていた。父の影響力は大変なものだった。父のそばにいると、自分は誰かの役に立っていると確信できた。あのころは、会社全体に喜びがあふれていた。私はそれを再現しようとしたが、同じようにできなかった。時代が違うし、父の時代にうまくいった方法が、必ずしも今うまくいくわけじゃないんだ」
当時は全てが「全速前進!」だったというジムの言葉が妙に気になった。『全速前進!』ってどういう意味」と私は尋ねた。
「これはな、蒸気船が走っていた時代の言葉なんだ。エンジンを全開にして、全速力で進んでいるということさ」
「確かに戦争でも使われる言葉じゃなかったかしら?「機雷なんかくそくらえ、全速前進」っていうふうに」
ジムはにっこり笑った。「そこまで言われたら、だまっているわけにはいかないね。こう見えても歴史マニアなんだ。この言葉は、南北戦争の時に海軍のファラガット将軍が言った言葉だ。君の言うとおり、たとえ機雷がしかけてあろうが「機雷なんてくそくらえ」と言って対局を拒んだのがさ、それにしてもどうしてそんなことを思い出したの?」
「『全速前進!』という言葉に、向う見ずに危険に飛び込んでいくというニュアンスがあるのじゃないかと思って」
「いや、その反対だ、むしろはっきりした目的を持ち、その実現に一生懸命取組、きっと実現できると信じる……つまり「ビジョン」を持つことによってどんな障害があろうと断固として前進していくという意味だよ」
ジムは一瞬間をおいてから言った。「それこそまさに、父のやっていたことだ」

 先日、ある会社の経営計画をみせていただいたら、ビジョンに「一人で100歩より100人の1歩の会社になる」という言葉がありました。ビジョン実現のため、環境変化に対応し新たな取組をするにあたり、先行して仕組みをつくり、「この方法で大丈夫、一緒にやろう!」とトライしてきたのですが、順番が間違っていたことに気づきました。久々にこの本を再読、「前進」の仕方について考えました。

「儲かる会社の方程式MQ会計×TOCで会社が劇的に変わる」相馬 裕晃 著  監修 西 順一郎

ダイヤモンド社発行 2019年8月21日

(P103)
 MQ会計とは、付加価値を重視した経営の指標であり、TOCは、付加価値を増やすための具体的な思考方法なのです。
 MQ会計でボトルネックになっている要素(売価、販売数量、変動費、固定費、在庫)を特定して、TOCの考え方を使って、そのボトルネックが解消され、企業の業績が劇的に改善していくという仕組みです。
 本書の舞台となっている千葉精密は架空の会社ですが、本文中のストーリーはすべて筆者のMQ会計×TOCを活用したコンサルティングの実体験をもとに創作したものです。
 実際に、製造業だけでなく、建設業、小売業、卸売業、飲食業、運輸業等、業種を問わず、企業規模も売上規模2億円の中小企業から4兆円を越す大企業まで、多くのクライアントがこれにより業績を向上させる仕組みができています。
 MQ会計×TOCの効果は実証済みです。MQ会計とTOCの2つが揃うことで、会社経営の車の両輪として相乗効果を発揮し、業績が向上していくのです。
 つまり、MQ会計×TOCi =「儲かる会社の方程式」ということができます。
 MQ会計×TOCという手法を学ぶことで、皆さんが現場のリーダーやイノベーターとして、業務改善や経営改革をリードしていただくことを願ってやみません。
 また、マネジメントゲームやTOCセミナーを受講した経験がある読者にとっては、本書によって、MQ会計やTOCの理解をより一層深められるでしょう。

 「あとがき」の一部だけの紹介です。本の内容は「経営者失格」の烙印を押された27歳の女性社長が、会計とTOCを学んで1年で黒字化に挑むストーリーで書いてあるので、読みやすく一気に読んでしまいました。読み終わって、ビジネスの共通言語は「会計」であること、制度会計には不都合な真実(見せかけの利益)があること、コストを下げることは、必ずしも利益やキャッシュを増やすことには繋がりません(P129)にある「原因」と「結果」の追求例…等、目からウロコの連続でした。これまでBSCの仕組みを戦略ナビcloudにしてきた取組を論文にする必要があり、やってきたことをまとめ終えた、いいタイミングでこの本に出合うことができました。MQ会計+TOC+BSC=「儲かる経営」がこれからのテーマになりました。


iTOCは、業績を阻害している原因(ボトルネック)を集中的に改善することによって、業績を「劇的に改善することのできる経営理論」です。(本のP292に記載)

「無印良品は仕組みが9割」良品計画会長 松井 忠三 著

角川書店発行 2013年8月30日3版発行

(P2)
■なぜ今「仕組み」を公開するのか
 私はいま、無印良品を運営する良品計画の会長を務めています。そんな私が、あえて無印良品に秘密を公開して、仕組みの大切さを説く理由は大きく二つあります。

 一つは、やや大げさな言い方になりますが、日本の経済を元気にするために、一緒に頑張っていきたいという思いがあるからです。
 いまの日本には、経済状況が厳しいなかでも、努力に努力を重ねているビジネス・パーソンがたくさんいます。しかし、そのような「努力」が、正しく「成果」に結びついていないケースが多いように感じています。
 ではどうすればいいのか、
 そのヒントが「かつて不振にあえいだ無印良品」にあると思ったのです。

 おかげさまで無印良品は、国民的ブランドとして成長しました。今では海外でも「MUJI」と呼ばれ、日本初のブランドとして知れ渡っています。
 しかし、かつては業績が悪化し、「無印良品はもう終わりじゃないか」と業界内で囁かれていた時期がありました。私は、そのような“谷底に落ちていた時期”に社長に就任しています。
 そこで最初に取組んだのは、賃金カットでもなく、リストラでもなく、事業の縮小でもなく、仕組みづくりでした。
 簡単に言うと、それは「努力を成果に結びつける仕組み」「経験と勘を蓄積する仕組み」「ムダを徹底的に省く仕組み」。これが、無印良品の復活の原動力になったのです。
 仕組みとは、組織の根幹にあたるものです。これがしっかり築けていないと、いくらリストラをしたところで、不振の根本原因は取り除けず、企業は衰退します。
 何事も「基本」がなければ「応用」がないのと同じように。「会社の仕組み」がなければ、そこから「知恵」も、ひいては「売上げ」も生まれません。
 逆に、
 ・シンプルに仕事ができる仕組みがあれば、ムダな作業がなくなります。
 ・情報を共有する仕組みがあれば、仕事にスピードが生まれます。
 ・経験と勘を蓄積する仕組みがあれば、人材を流動的に活用できます。
 ・残業が許されない仕組みがあれば、自然と生産性が上がります。
 このような無印良品の「仕組み」はあらゆる業務に及んでいます。
 神は細部に宿る……これは、ドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残したと言われる有名な言葉です。
 この言葉の意味についてはさまざまな解釈がありますが、ディテールにこだわることが作品の本質を決める、という意味ではないかと私は考えています。企業の力を決定づけるのも、やはりディテールであり、それが仕組みなのです。

 この本は、発行されたときに買い、内容をもとに「戦略マップ」をつくりました。本の最後P221に書いてあることば、「リーダーは自分が率先して、頑張ってするのがすべてではないはずです。部下が率先して行動するような仕組みづくり、部下の意識を変えていくのがリーダーに課せられた使命です」をみて、どっきり!この本を読み直し、当時作った「戦略マップ」を確認し、わが社の習慣化している業務をみなおすことにしました。