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「チェンジ・リーダーの条件」P.F.ドラッカー著 上田 惇生 編訳

ダイヤモンド社発行 2009年9月28日第1刷 2017年8月3日第30刷発行

(P185)5章 同族企業のマネジメント
生き残りを左右する原則
 先進国では、企業の大半を同族が所有し、マネジメントしている。同族経営は、中小企業に限らない。世界最大級の企業もある。

 リーバイ・ストラウスは、一世紀手前の創立以来、同族所有であり相続経営
である。デュポンも1902年の創立以来、1970年代半ばまでの170年間、
同族経営だった。そして、世界最大の化学メーカーに成長した。
 200年前、ある無名の両替商が、ヨーロッパのいくつかの主要国の首都に
息子たちを駐在させた。今日、ロスチャイルドの名を残し、同家によってマネ
ジメントされる金融機関は、世界のトップクラスにある。

 ところが、マネジメントについての本や講座のほとんどが、経営のプロによってマネジメントされる上場企業だけを扱っている。同族企業に触れることはほとんどない。同族企業と他の企業との間に研究開発、マーケティング、経理などの仕事で違いがあるわけではない。しかし、同族企業はマネジメントの構成に関して、いくつかの原則を必要とする。それらの原則は厳しくなければならない。さもなければ生き残ることはできず、繁栄など到底できない。
P186~P188
第一の原則:出来の悪いものは働かせるな
第二の原則:トップマネジメントに一族以外からも採用せよ
第三の原則:専門的な地位には一族以外の者も必要
P189
 適切な仲裁人を外部に用意せよ
 この三つの原則を守っていても問題が起こることがある。特に後継者問題をめぐって混乱しやすい。創業者である二人の兄弟が引退を考えるようになったとき、それぞれが、次のCEOに自分の息子を押す。20年間七よく働いてきた二人が敵対関係に陥り、譲歩するぐらいならば持ち株を売り払ったほうがましと考える。創業者の未亡人が、娘のために、並みの才能しかない婿を義弟の後釜に据えようとする。あるいは、ハイテク企業の創業者が、いやがる息子に大学の研究者の経歴を捨てさせて、継がせる。ところが父親が死んで半年後には、その息子が会社をコングロマリットに売ってしまう。
(以下略)

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。事業承継の相談が増えてきたので、年末年始「同族企業(ファミリービジネス)」をテーマに本を読みました。関与先のほとんどが同族企業。事業承継の問題には必ず親子や家族、親族との関係が絡んでいます。うまくいくケースと真逆のケース…ドラッカーが「同族企業」について述べていたことを思い出し、この本を見つけました。P190には「後継者問題が深刻化してから外部の人間を招いても手遅れである」という記載があります。ドラッカーの洞察力はすごい!三つの原則と「適切な仲裁人を外部に用意せよ」というアドバイスはそのまますべてのケースに当てはまります。会計人として、「適切な仲裁人」を目指します。