今日の1ページ

「ワクワク会議」 堀 公俊 著

日本経済新聞社発行 2009年12月16日1版第1刷

(P62 反省しても直らない)
皆さんは、何か大きな仕事やイベントが終わったときに、「振り返り」ってやってますか?
え、そんな面倒なことはやっていない?それはよくありませんね……。今からとっておきの方法をお話しますので、一度やってみてくださいよ。やればその良さが分かりますから。
 プロジェクトマネジメントの定例ミーティングでよく使われる「KPT」(ケプトって呼ぶ人が多いです)という方法を紹介します。わが家で実際にやっている話をもとに。

 私の家には中学生の娘がいます。彼女は、塾が大嫌い。自己流で勉強をやらせるのも不安なので、親や姉が勉強を教えたり、やり方の指導をしたりしています。それが良かったのか悪かったのか、定期テストが終わるたびに、親子でKPTをやって勉強法の改善をしています。
 ホワイトボード(ホームセンターで小さいのを買ってきました)を用意して、真ん中にタテ線を引きます。左側をさらに上下に2分割します。Tの次を時計方向に90度回転させた構図ですね。逆トの字型といったほうが分かりやすいかも。
 左上のスペースにK、左下にK、右にTと、それぞれの隅に書きます。これで準備OK。

まずは、K(Keep)。今学期のテストに向けてやってきたことで、継続すべき良かった点を挙げていきます。
 うまくいったことは変える必要がありません。環境が変わって、うまくいかなくなるまで、続けましょう。
 どんな些細なことでもかまいません。本人は当たり前と思っていても、そこに成功のコツが隠れているかも。「宿題プリントが試験前にきっちり整理できていたよね」とか、「お母さんが夕食を早めにしたので、夜の勉強時間が確保できたよね」とか……。本人以外が指摘して気がつくこともよくあります。
 個人に関することでも、チーム全体の話でもかまいません。できるだけたくさん、ひっぱりだしましょう。「○○○を○○○する」と、文章で具体的に書くようにします。付箋に書き出すのも手です。

 次は、P(Problem)。やってきたことの中で、問題点を挙げていきます。
 うまくいかないことは、何かやり方を変えないと。うまくいかないことを、気合やガンバリズムだけでやろうとするから、少しもよくならないのです。
 やてってみてうまくいかなかったこと、やり方を変えたほうが良さそうな点、新たに発生した問題、将来起こりそうな問題点……、洗いざらい挙げていきましょう。「1週間で30ページのドリルをやろうとした」「単語帳を使って英単語を覚えようとした」といった感じで。
 わが家でもそうなんですが、Pをやっていると「なぜ(Why)、やらなかったの?」と原因探索にいきがちになります。なるべく本人の“責任”を追及するのではなく、「何が(What)マズかったんだろうかね」と“原因”を追求するようにします。
「ヒト」と「コト」を分けるのです。そうしないと、怖くて問題が出てこなくなる。この点は、くれぐれも、気をつけてくださいね。

 そして最後にT(Try)です。次にやってみたいことを挙げていきます。Kの取り組みのさらなる工夫、Pの問題に対する対策、新たなチャレンジ、などなどです。
 挙げたからといって、発案者が絶対やらないといけない、というのではありません。「できる/できない、誰がやるんだ」はさておき、自由にたくさん出していきましょう。「英語の試験の前は、家庭内で日本語禁止!」といった、ムチャもOK。ありとあらゆる可能性、検討していくようにします。
 その上で、実現性や効果を考えて優先順位をつけ、誰が(Who)、いつまで(When)に、何を(What)するか、アクションプラン(「3w」)を確認します。やりたくないことは、やっても効果が出ません。やる気度合いもこの段階で見極めましょう。
 全部終わったら、わが家ではホワイトボードの内容を書き写し、冷蔵庫に貼っています。いつでも眺められるようにしているのですが、娘は目障りだと……。

 「KPT」はやりっぱなしではいけません。次回の振り返りに活かすこと、大切です。次にやるときは、前回のTの内容がKになったのか、Pになったのかを確認するようにします。数回Kになったのは外しても構いません。習慣になったということですね。何度やってもPになるもの、別テーマとして取り出し、議論したほうがいいです。

 今回は、堀 公俊著{ワクワク会議}です。会議や打ち合わせの基本として、web軍師で「KPT」の活用を進めています。当社は、習慣になってきたのですが「惰性」になりがちで、基本を確認するため、長かったのですが復習の意味で「反省しても直らない」の部分を全部書きました。

「100年企業を作る 親子でM&A」田中 一 著

合同フォレスト株式会社発行 2018年6月20日第1刷発行

(P95 「親子でM&A」の要諦とは)
 一般的なM&Aの全体像について理解したうえで、次に、「親子でM&A」について見ていきましょう。全体の流れとしては、M&Aと同じように4つの段階を経る形となっています。またその中身についてもM&Aと本質的には共通しています。
 まずは、現経営者による「価値の見える化(セルフ・デュー・デリジェンス)・強化」です。事業承継をしようと考えた段階から、会社の価値(経営の仕組み)を見える化し、更にそれを磨き上げて(強化して)いきます。
 次に、現経営者及び後継者による「価値の理解(デューデリジェンス)・共有」を行います。現経営者と後継者がともに会社の価値を理解していないと、事業承継は成功しません。相互理解を目指しつつ、並行して、後継者育成も進めていきます。
 双方が事業承継に合意したら、事業承継計画に従って社長交代・自社株移転等の手続きを進めていきます。事業承継後については、後継者が中心となって、「価値の実現」を図ります。前任の経営者から引き継いだ会社の価値を更に高め、会社の円滑な運営をします。
 最後の段階としては、「価値の変革・進化」があげられます。100年企業を実現するにあたり、事業承継は一代で完結するものではありません。次の世代、また次の世代へと事業承継をしていかなければなりません。そのため、親から引き継いだ事業を守るというだけでなく、承継した事業を自身の事業としてとらえ、変革・進化させることが必要です。そのようにして、プラスの連鎖を生むことが、「親子でM&A」による“100年継続企業戦略”なのです。

 この本は、青森県出身で大学卒業後、国税専門官として税務署に勤務。税理士試験に合格後、東京で事業承継に取り組んでいる田中先生が書いたものです。お世話になっている、MAP経営の方からの紹介で里帰りのついでに当社によってくださいました。親子で事業承継する場合でも、第三者に承継するのと同じように考え、客観的な判断が大事と強調しておられます。P160には、アンゾフの成長マトリクスが示してあります。100年企業を目指すためには、成長戦略が基本と再認識しました。

「戦略参謀の仕事」稲田 将人 著

ダイヤモンド社発行 2018年2月15日第1刷発行

(P338 「PDCAが廻っていない」はマネジメントができていないのと同じ)
 「うちの会社はPDCAが廻っていないので……」
こう言われる社長や企業の完備は実に多いものです。
 実際、PDCAが重要であること自体は理解しているものの、日々の売上づくり等に意識が向き、社内のPDCAが精度高く廻る体制づくりへの取り組みは、残念ながら二の次、三の次になっているようです。
 前述のPDCAが昨日していない例を、もう少し詳細に解説します。
◎「丸投げPDCA」
マネジメント、マネジャーがPDCAを「掛け声」として唱えるものの、あとは現場や担当者に丸投げして。「やっといてね」「どうだった?」だけの状態。
言い換えると、マネジメント、マネジャーが自分たちは「やっとけ」と言えばいい特権階級であると勘違いしている状態。これは、正しいPDCAを徹底していて、すでに組織の能力が高い状態の場合のみ成り立つこと。
そもそも新しいプロジェクトというものは、上長が、健全に機能しているかをしっかりとみて、必要な指示や手助けをすることで、更に磨かれて成功確率が上がっていくもの。それが正しいPDCAの姿だということを、これっぽっちも理解していない困った状態。
◎「どんぶりPDCA」
PとCの精度が低いままに、ただ、PDCAを廻しているつもりになっている状態。例えば、ある商品カテゴリーの売上が悪かった場合に、その仕入れ担当バイヤーを「あいつの仕入れの腕は良くない」とただやみくもに配置転換をしてしまうケース。(以下略)
◎「なーんちゃってPDCA」
フレームワークなども使い、体制を整えて一見「らしく」つくられた、見栄えのする報告資料が大量に積み上げられる。見せたい部分だけをアピールする「自慢合戦」と化した御前会議で発表され、もっとも重要な「読み違い」からの学びには、ほとんど触れられない、形骸化しているPDCA。(以下略)
◎「我流PDCA」
PDCA自体が、なまじわかりやすい概念であるために起きる、自己解釈、我流のPDCAが行われている状態。仕事のできる人の説くPDCAには、確かに有効なノウハウ、というよりはテクニックが編み出されて含まれているものである。(以下略)

 前回と同じく、元マッキンゼーのコンサルが書いた本です。著者が経営改革に携わった主な企業は、日本コカ・コーラ、三城、ワールドなどの大企業や中堅中小企業です。その戦略参謀として組織でPDCAが廻っていない事例をもとに述べています。この本を読んで、小規模企業がPDCAを廻す基本は、会議や打ち合わせが基本で、これまで「成り行き学習」だったことを改め、「継続学習」に変えることが大切と改めてわかりました。戦略ナビはそれを実行するためのツールです。

「戦略参謀の仕事」稲田 将人 著

ダイヤモンド社発行 2010年5月30日第1刷発行

(P251 ある会社のⅤ字回復のためのシナリオ作り)
 他人が策定した戦略を渡されて「ではあとは、御社で実践してください」というのは、確かに言われた当人からすれば、酷な話です。たとえてみれば、トランペットやサックス、ギター等を初めて手にした人に、音の出し方、譜面の読み方、やっていいこと、悪いことを座学で教えたうえで、楽器を持たせて、いきなりステージに立たせる状態に近いと思います。
 かつて、ある会社のV時回復のためのシナリオ作りを依頼された際に、社長から、
「うちは実行力がありますから、戦略だけあれば絶対大丈夫です」
と強く言われ、戦略立案の指導だけを請け負ったことがあります。しかし、その後、一部の側近幹部の「思惑」が働き、本筋とは関係のないところでの抵抗が起き、改革はスタートさえしませんでした。以来、研修の目的以外では、戦略立案だけの前提で請け負うことは、原則的にしないようにしています。
 戦略立案が必要なほとんどの企業は、PDCAを適切に回す実践力の方に問題があります。「楽器の効果的な演奏の仕方、ステージでの立ち居振る舞い、顧客とのやり取りの仕方」までのディレクションを請け負い、改革の起動と初めの段階での舵取りを共に行う……。
 このようなプロジェクトの請け負い方をするようにしています。

 著者は、元マッキンゼーのコンサルタント。「戦略参謀」「経営参謀」「PDCAプロフェッショナル」等の著書があります、P77に、「参謀とは、会社の将来も見据えたうえで、事業最適化を進める視点で自ら考え、自ら動いて社長業をカバーする役割」という定義が書いてありました。
 これまで、「戦略参謀」というAccessの商品を作り普及してきましたが、「フレームワークをつなぎ合わせることにより課題解決ができるという提案」をしているのではありません。全面Cloudになって、商品名も「戦略ナビCloud」に変えました。「戦略ナビCloud」はPDCAを適切に回す実践的なツールです。ユーザー会「軍師の会」の皆さんと、現場力を培います。

「チーム・ファシリテーション 最強の組織をつくる12のステップ」堀 公俊著

朝日新聞出版 2010年5月30日第1刷発行

(P172 学習のサイクルを回そう)
 あわせて、「やれやれ終わった……」とやりっぱなしにせずに、自分たちの行動を振り返ることが大切です。それも、なるべく間をおかず、鉄が熱いうちに。
 活性化されたチームには、自律的な問題解決だけでなく、自律的な学習が求められます。経験を学習に結びつけてこそ、持続的に成長できるチームになります。振り返りはそのために欠かせないステージで有り、あらかじめその時間や場所をチーム活動の中に組み込んで置かなければいけません。
 「甲子園で優勝するのは一番強いチームではなく、試合の度に成長していくチームだ」と言われています。まったくその通りで、チームが最初から強いわけでも素晴らしい能力を備えているわけでもありません。悪戦苦闘の中から、新たなスキルを身につけ、互いの能力を高め合い、段々強くなっていくのです。その鍵を握るのが振り返りと言う訳です。
 やり方はいろいろあります。例えば、プラス/デルタ(良い点と悪い点を出すやり方)や、KPT(Keep Problem Tryを挙げていく方法)等がポピュラーなところです。ところが、これはあくまでも簡便な方法であり、下手をすると単なるダメ出しや反省会になる恐れがあります。
 せっかく苦労して活動を進めてきたのですから、少し時間をかけてでも、本当の振り返りをして、深い学習を導き出しましょう。そのために、体験学習の循環家庭を紹介しておきます(津村俊充/石田裕久編「ファシリテーター・トレーニング」ナカニシヤ出版)
➀体験する
チームが結成されてから成果を得るまで、その間に起こったことはすべて体験です。中でもみんなで困難な場をくぐり抜けた共同体験は、学習のための格好の材料を提供してくれます。
➁指摘する(会話)
体験を振り返って、何があったか、気づいたことや感じたことを各自で出し合っていきます。自己開示とフィードバックを使って学習の素材を集めていくわけです。
➂分析する(対話)
その素材を元に、「なぜ、そうなったのか」「なぜ、そう感じたのか」。原因やメカニズムをみんなで分析していきます。そうして、そこでおこったことの意味を見つけていきます。
➃仮説(概念)化する(議論)
最後は、分析から得たものから、「こういうときは、こうすれば良い」と言った行動原理、成功法則、教訓などの仮説を発見します。それを次の体験に生かしていく訳です。

 振り返りは、この順番でやっていかないと良い学びが得られません。私達(特に大人)はとすると何か体験した後ですぐに「分かった、次はこうすればいいんだ」と安易に結論を出しがちです。①から④へと一足飛びに飛んでしまうのです。

 この本は、何度か読み返し付箋がいっぱいついています。今回は、本の帯にある「たかが話し合い、されど話し合い。毎週のチーム会議で組織力を飛躍的にアップさせる」という言葉にひかれ、また読みました。今日の1ページには何度か登場しています。PDCAを加速するのはKPT、書きこまれた内容を確認し、深い議論もせず「こうすればいい」と決めつけていました。変わるためには、体験→会話→対話→議論が必要と改めてわかりました。

「吉越式会議」吉越 浩一郎 著

講談社発行 2009年11月30日第一刷

吉越式会議」吉越浩一郎著(P59 プライオリティを個人視点から、会社視点に変える)

 実は会社として取り組んでほしいのは、重要度が高くて、緊急度が低い③であることは、とりわけ経営者や管理者の方々ならお分かりいただけるでしょう。そして、私がこれまでにも触れてきた会社の「課題」や根の深い「問題」も実はここにたくさん眠っています。
 ちなみに、重要度も低く緊急度も低い④は、処理できるに越したことはありませんが、忙しくて仕組みが③によってできてこないうちは、優先的にネグっていい対象です。それ以上忙殺されないよう、意図的に④を捨ててかかるのです。将来③の仕事によって仕組みができ、時間に余裕が生まれてきたら、その時に④の仕事にとりかかればいいのです。
 しかし、社員が自分で仕事のプライオリティを決めるなら、間違いなく緊急度から選んでしまうのです。社員とはそういうものです。忙しい日々を送っている社員は、①②の仕事こそ、優先度の高い仕事、最低でも終わらせておかなければいけない仕事だと思ってしまうのです。
 そのことばかりに頭が行ってしまうということです。そして多くの場合、①②の仕事を終えてから、ようやく③④の仕事をしようとする。ところが、ここでもまたやっかいなことが起こります。
 本来なら、重要度の大きな仕事③から手をつけてほしいにもかかわらず、手をつけられるのは、重要度の低い④からということが多いのです。なぜかと言えば、その方が簡単だから、やりやすいからです。

 P62では「社員に対して、個人のプライオリティではなく、会社のプライオリティでやるべき仕事を選んでもらう。プライオリティを個人視点から、会社視点に変える。これこそが、実は会議の真の目的なのです。」とあります。プライオリティとは、優先権や優先順位という意味。バランススコアカードのテーマは「ビジョンにもとづく戦略の実行」web軍師を使った会議は、吉越式の19年連続して増収増益を達成することができた会議のやり方にもつながっています。

「ストーリーブランド戦略」ドナルド・ミラー著 力丸 洋子=訳

ダイヤモンド社 2018年4月26日第1版第1刷発行

「ストーリーブランド戦略」ドナルド・ミラー著(P18 人間の脳はわかりやすさを好み、混乱を嫌う)
 多くの企業は、「何を伝えるか」をはっきり理解した後で、2倍、3倍さらには4倍以上の収益を上げるようになっている。
 個人経営の事業であれ、大企業であれ「ストーリーブランド・フレームワーク」は同じように効果を発揮する。米国企業だろうと、日本やアフリカの企業だろうと、民族を問わず、影響力は変わらない。人間の脳はわかりやすさを好み、混乱を嫌うからだ。
 実のところ、私たちは単に商品を市場に出す競争をしているのではない。“自社の商品が消費者にとって必要である理由を伝える競争をしている”のだ、最高の商品を扱っていたとしても、競合他社のほうがわかりやすく情報を伝えたとすれば、質の劣る商品に負けることがある。
 あなたが伝えるべきことは何だろう?すぐ口にできるだろうか。簡潔で相手の関心を引く、何度も繰り返せるメッセージだろうか。従業員全員がそれを知っていて、効果的な伝え方をしているだろうか。親友社員が入ってきたときに、見込み客に対して会社の商品とそれを購入すべき理由を説明する方法を教えているだろうか。
 消費者がウェブサイトを開いてから5秒以内に会社の強みがわからないために、何件の売上を逃しているだろう。

 私は、「社長のためのビジネス洋書」をダイレクト出版から定期購読しています。この本に書いてあることは全て心当たりがあるので、一気に読み、「ストーリーブランド・フレームワークと7つの要素」の要点をまとめました。これから本を参考にして「成功する結末」を考え、課題その1(P198)「会社の紹介文を作る」にとりかかります。chapter13(P176)に、「綱領(ミッションステートメント)」は企業にとって見果てぬ夢のようなものだ…使命を物語に変えるには、綱領では役不足だと書いてあります。「成功する結末」を考え、「会社の一言紹介文」を作ることで見果てぬ夢は現実の行動とつながります。戦略ナビCloudをわかりやすい商品にすることを目指してがんばります。

「経営者に贈る5つの質問」P・F・ドラッカー 著 上田 惇生 訳

ダイヤモンド社 2009年2月19日第1刷発行

「経営者に贈る5つの質問」P・F・ドラッカー著.jpg(P56 質問4 われわれにとっての成果は何か?)
*成果をはかる二つの評価
 成果の実現は定性的、定量的に評価することができる。この二つの評価は、互いに密接な関係にある。組織が自らの成果として、他の世の中にどれだけの変化をもたらしたかを知るには、いずれも必要である。
 定性的な尺度は、変化の広がりと深さを教える。詳細な観察、パターンの認識、機微にわたる物語が定性的な評価である。それは生きた情報を与える。
 10代の頃、たまたまその美術館で絵を見たために人生が変わり、文字どおり命を助けられたという男の人がいた。若者向けプログラムを構想中の美術館の教育部長が、その話に力づけられて構想を軌道にのせた。
 ある研究所では、研究開発プロジェクトの価値を定量化できないで困っていた。しかし、今では、三年ごとに「世の中を変えるどのような成果をあげたか。
明日に向けて何に焦点を合わせるか」を点検している。
 定性的な変化は、癌患者の気力のように量をもって表すことは不可能である。しかし定性的な変化は、主観的で計測が困難であっても、定量的な変化と同じように現実のものであって、同じように体系的に評価すべきものである。
 これに対し、定量的な評価には客観的な尺度がある。分類と論理の世界にあって客観的な事実を提示する。定量的な評価は測定可能なデータを提供する。

 戦略ナビCloudは、ドラッカーのマネジメントとバランススコアカードがテーマです。この本にある、定性的・定量的という言葉は、バランススコアカードでは「KPI」と表現されています。日本語では「重要業績評価指標」と言い、「目標達成に向けた行動基準を数値化したもの」です。「KPI」がなければ、PDCAサイクルは習慣になりません。P55には、「短期の成果と長期の変化を見る」という文言もありました。短期と長期のバランスはバランススコアカードでは、ビジョンにもとづく戦略策定と捉えています。戦略ナビCloudを使って、成果をあげるための取り組みを始めませんか。

「SWOT分析による経営改善計画作成マニュアル」 嶋田 利広 株式会社アールイー経営代表取締役他 著

マネジメント社 2011年1月10日初版第1刷発行

「SWOT分析による経営改善計画作成マニュアル」-嶋田-利広-株式会社アールイー経営代表取締役他-著(P25 中小企業だからこそSWOT分析が適している)
 SWOT分析の歴史は結構古く1960年~1970年代にアメリカのスタンフォード大学のアルバート・ハンフリー教授によって開発されたということだ。日本ではSWOT分析はバランススコアカードのシステムの一環として理解されている人も多い。バランススコアカードとは「ビジョンや戦略を実現するための視点を4つに分類(財務の視点、顧客の視点、内部業務プロセスの視点、学習成長の視点)し、それに重要な目標を、バランスを見ながら定め、それをスコアリング(評価)していくマネジメントシステム」である。この過程で各戦略目標を実現するための「重要成功要因」(CSF)や、実行度を指標で目標化した「重要業績評価指標」(KPI)が設定され、ターゲットの選定やアクションプランが策定される。
 本来ならSWOT分析からこのバランススコアカードに沿って展開されるべきだろうが、如何せん中小企業で、このシステムをトータルに使いこなすのはかなりハードルが高い。そこでSWOT分析から戦略が生まれたら、そのまま中期収支やロードマップ、アクションプランへ展開される本書のシステムの方が中小企業に向いていると考えるのである。

 戦略ナビCloudはバランススコアカードのトータルシステムです。アンダーラインの部分を読み、ショックでした(汗。4つの視点は目的と手段でつながるストーリーになっている必要があり、それを確認するのが「戦略マップ」です。この本にある会計事務所の事例で戦略マップを作って「だからわかりやすく伝える必要がある!」と分かりました。働き方改革は、目的ではなく手段。戦略ナビは、今の時代に必要なツールです。

100分で名著「マネジメント ドラッカー」上田 敦生 著

NHK出版 2011年6月発行

「100分で名著「マネジメント ドラッカー」上田 敦生 著(P79~80)
 以前、建築家の方から、ヒノキだけを使って育てた家よりも、スギやマツなど、種類の違う木を色々組み合わせて建てた家の方が頑丈である……という話を聞いたことがありますが、起業もそれと同じです。いろんな得意分野を持った人が集まることで、企業はより強い力を発揮することになるわけです。
セルフマネジメントによって、自分の強みを伸ばすことが大切だし、組織のマネージャーが各自の強みに注目してその部分を引き上げることが大切です。「強みを生かす」ことは、成果を上げる組織をつくる……ということになるし、さらには働く人間の「生きがい」や「自己実現」にも繋がっていきます。

【セルフマネジメントの3つの視点】
1.自らの強み「明日を支配するもの」(1999)
 何かをすることに決めたら、何を期待するかを書きとめる。9か月後、1年後に結果と照合する。私自身これを50年続けている。そのたびに動かされる。誰もが驚かされる。こうして自らの強みが明らかになる。自らについて知りうることのうち、この強みこそ最も重要である。
2.自らのやり方「明日を支配するもの」
 仕事の個性は、仕事につくはるか前に形成されている。仕事のやり方は、強みと同じように与件である。修正できても変更はできない。ちょうど強みを発揮できる仕事で成果を上げるように、人間は得意なやり方で仕事の成果を上げる。
3.自らの価値観「明日を支配するもの」
 組織において成果を上げるには、自らの価値観が組織の価値観になじまなければならない。同じである必要はない。だが、共存できなければならない。さもなければ心楽しまず、成果もあがらない。

 セルフマネジメント(自分自身をマネジメントして成果を上げる方法)については、「経営者の条件」(ダイヤモンド社2006年11月9日第1刷)に幅広く書かれていますが、100分で名著「マネジメント ドラッカー」上田敦生著に記載されていることがわかりやすかったので掲載しました。
昨日、ゴルフの日本プロ選手権で最年長(50歳92日)で優勝した谷口徹の「プロをやめるのは簡単。やめても何も変わらない。やり続けるしかない!」という言葉に感動しました。継続の基本はセルフマネジメント、戦略ナビをツールとして使います。