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「21世紀の歴史」ジャック・アタリ著 林昌宏訳

株式会社作品社刊 2008年8月 第1刷発行

「21世紀の歴史」ジャック・アタリ著 林昌宏訳(P.156 5……歴史を変える<ユビキタス・ノマド>の登場)
 2030年までには、極度に貧しい者たちをのぞいて、全員がすべての場所で、移動型(HSDPA、WiBro. WiFi. WiMaX)と固定型(光ファイバー)によるすべての高速」ネットワークに接続する。こうして、各人は、ユビキタス・ノマド状態になる。こうした傾向はすでに始まっている。その証左に、グーグルはその本社のあるマウンテンビュー市の住人とサンフランシスコの住人に、無料の高速インターネット接続サービスを開始したところである。現在、韓国の都市全体には、3G方式よりも10倍パフォーマンスの優れたHSDA方式の携帯電話ネットワーク、そして、高速インフラにより、地方公共団体も都市部の安全や交通渋滞を管理しやすくなり、防災にも役立つ。
 各地に分散しているクリエーター階級は、実際に「中心都市」に集結することもなく、ネットウェアでソフトウエア、サービス、製品、生産方式の開発に当たる。コンピューター言語の発達により多くの人がアクセス化できるプログラムを書くこと、また、データとその意味に同時にアクセスできる情報を構築することが可能となる。

 この本は、「世界金融危機を予見した書」として話題になり、NHK放映で緊急インタビューを見て買いました。当たり前のことですが、21世紀とは西暦2001年から西暦2100年までの100年間を指します。この本は21世紀の未来を予測しています。
 P159後ろから2行目に「2030年以前に、ユビキタス・ノマドは、それ以前に産業化されていたサービス全般に行きわたる」とあります。2030年にならなくても、私たちは、すでに「ユビキタス・ノマド」状態になり、産業化されたサービスを受けています。気になったのはこの項のまとめになっている「すべてがネットワークに接続された強力な監視社会体制を生み出す」という結びです。このことを経営の視点で考え、情報共有のためのネットワークは、監視が「目的」になってはならないと気づきました。「目標達成や課題解決のため、どんなやり方をしたらうまくいくのか(重要成功要因)を追及し、成果を上げるためのプロセスを管理する」そのための情報共有が大切です。それがweb軍師の役割です。