今日の1ページ

「フレームワークの失敗学」 堀 公俊 著

PHPビジネス新書発行 2016年4月1日第1版第1刷発行

「フレームワークの失敗学」 堀 公俊 著(P168 6-5注目される新しいマネジメントのカタチ)
経験から教訓を引きだすには
 繰り返しになりますが、おかれた環境に応じて組織のあり方やマネジメントは変わります。環境は常に変化しますので、変えていかなければ、組織は持ちません。変わり続けることが、組織を存続させる唯一の方法です。P・センゲが「学習する組織」と名付けた考え方です。
 そのための手法が多く提案されています。そんな中、マネジメントのツールとしてお勧めしたいのが「振り返り」(リフレクション)です。チームに定着させると、組織を持続的に発展させるのに大いに効果があります。
 振り返りは反省会でもダメ出しでもありません。成功だろうが、失敗だろうが、実際に起こった出来事から教訓(レッスン)を書きだし、次に向けての改善アクションを立案していくものです。「自分たちの何を変えていけばよいのか?」を、対話を通じて探求していくものであり、仕事に活かせる新たな知識や考え方を探す活動に他なりません。
 例えば、大きな事件や出来事が起こった後で、それを教材にしてチームのあり方やマネジメントを振り返る。半期ごとに職場全員で半期の仕事を振り返って、次期に向けてのチームの変革を考える。毎週のプロジェクト進捗会議といった場で、仕事の進め方を振り返る、といった使い方です。
 必ずしも「やった後」だけではなく、「やっている最中」に振り分けることもできます。長い会議の途中で休憩を入れ、「ここまでの話し合いで感じたこと」を語り合うといったように。これを「リフレクション・イン・アクション」と呼びます。議論の水面下にある心理的な部分をオープンにするだけでも、以降の話し合いが大きく変わってきます。

 堀 公俊氏の本は8月15日にも掲載しています。「振り返り」を習慣にしたい!そのことがいつも頭から離れないので、本には、同じような内容のところに付箋がついています。定期的な打ち合わせで週の初めに、先週の行動を振り返り、今週の優先事項を確認することを徹底します。基本はティ―チング(自分が持っている知識、技術、経験などを相手に伝える)ではなく、コーチング(問いかけて聞く)です。このページを読んでそのことに気づきました。