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「まんがでわかるオーナー社長のM&A」日本M&Aセンター 常務理事 大山敬義 著

株式会社すばる舎リンゲージ 2017年2月25日 第1刷発行

まんがでわかる-オーナー社長のMA 日本M&Aセンター 常務理事大山敬義 著(P16 実はM&Aは誤解だらけ)
 皆さんが、M&Aと聞いてまず思い浮かべるのが、「身売り」「乗っ取り」というイメージではないでしょうか。
 では、自分の会社を身売りしたくない、周囲から乗っ取られたくない、というのは誰しもが抱く心境に違いありません。
 でも、安心してください。今どきのM&Aには、身売りや乗っ取りなんてまずありえないのです。
 そもそも身売りというイメージは、経営が苦しくなって、借金も返せない、社員への給料も払えない、ということで仕方なく会社を譲渡していた時代のもの。
 一方乗っ取りというのも、大赤字の会社の立て直しのため、社員のリストラや部門の閉鎖や取引条件の見直しなど、それなりに荒っぽい再建をしなくてはならなかった時代のイメージなのです。
 実は、全く事情が違うのです。
 今どきのM&Aの最大の理由は、経営難ではなく、事業承継のためだということはすでにお話ししましたが、こうした会社は決して財務内容が悪くなって譲るわけではありません。むしろ黒字の会社が多いのです。
 当然ですが、荒っぽいリストラをする必要があるどころか、せっかく利益が出ている会社に余計な手を加えて、業績が落ちては元も子もないという話になってきます。
  その結果、今と昔では、M&Aの手法や性質自体が変わってきたのです。

後継者がいない場合の選択しとして、第三者承継=M&Aを考えるということがだいぶ浸透してきました。課題は経営者の意思決定です。会社が黒字の間に事業の継続と雇用の維持を考え、事業承継計画を作成しその延長線上でM&Aを検討するというストーリーを作りたいのですが、思うように進みません。ほとんどの経営者に「黒字で元気な間はまだ大丈夫」と言われてしまいます。5年後の組織と年齢を考え、事業承継計画に着手するのは面倒ですが、このまま推移すると地域の企業はどんどん減っていきます。
この本は中小企業M&A成功の秘訣が、酒造会社を事例にまんがでわかりやすく書いてあります。第三者承継を考えてもらいたい会社に配ることにしました。