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「経営者に贈る5つの質問」P・F・ドラッカー 著 上田 惇生 訳

ダイヤモンド社 2009年2月19日第1刷発行

「経営者に贈る5つの質問」P・F・ドラッカー著.jpg(P56 質問4 われわれにとっての成果は何か?)
*成果をはかる二つの評価
 成果の実現は定性的、定量的に評価することができる。この二つの評価は、互いに密接な関係にある。組織が自らの成果として、他の世の中にどれだけの変化をもたらしたかを知るには、いずれも必要である。
 定性的な尺度は、変化の広がりと深さを教える。詳細な観察、パターンの認識、機微にわたる物語が定性的な評価である。それは生きた情報を与える。
 10代の頃、たまたまその美術館で絵を見たために人生が変わり、文字どおり命を助けられたという男の人がいた。若者向けプログラムを構想中の美術館の教育部長が、その話に力づけられて構想を軌道にのせた。
 ある研究所では、研究開発プロジェクトの価値を定量化できないで困っていた。しかし、今では、三年ごとに「世の中を変えるどのような成果をあげたか。
明日に向けて何に焦点を合わせるか」を点検している。
 定性的な変化は、癌患者の気力のように量をもって表すことは不可能である。しかし定性的な変化は、主観的で計測が困難であっても、定量的な変化と同じように現実のものであって、同じように体系的に評価すべきものである。
 これに対し、定量的な評価には客観的な尺度がある。分類と論理の世界にあって客観的な事実を提示する。定量的な評価は測定可能なデータを提供する。

 戦略ナビCloudは、ドラッカーのマネジメントとバランススコアカードがテーマです。この本にある、定性的・定量的という言葉は、バランススコアカードでは「KPI」と表現されています。日本語では「重要業績評価指標」と言い、「目標達成に向けた行動基準を数値化したもの」です。「KPI」がなければ、PDCAサイクルは習慣になりません。P55には、「短期の成果と長期の変化を見る」という文言もありました。短期と長期のバランスはバランススコアカードでは、ビジョンにもとづく戦略策定と捉えています。戦略ナビCloudを使って、成果をあげるための取り組みを始めませんか。