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「吉越式会議」吉越 浩一郎 著

講談社発行 2009年11月30日第一刷

吉越式会議」吉越浩一郎著(P59 プライオリティを個人視点から、会社視点に変える)

 実は会社として取り組んでほしいのは、重要度が高くて、緊急度が低い③であることは、とりわけ経営者や管理者の方々ならお分かりいただけるでしょう。そして、私がこれまでにも触れてきた会社の「課題」や根の深い「問題」も実はここにたくさん眠っています。
 ちなみに、重要度も低く緊急度も低い④は、処理できるに越したことはありませんが、忙しくて仕組みが③によってできてこないうちは、優先的にネグっていい対象です。それ以上忙殺されないよう、意図的に④を捨ててかかるのです。将来③の仕事によって仕組みができ、時間に余裕が生まれてきたら、その時に④の仕事にとりかかればいいのです。
 しかし、社員が自分で仕事のプライオリティを決めるなら、間違いなく緊急度から選んでしまうのです。社員とはそういうものです。忙しい日々を送っている社員は、①②の仕事こそ、優先度の高い仕事、最低でも終わらせておかなければいけない仕事だと思ってしまうのです。
 そのことばかりに頭が行ってしまうということです。そして多くの場合、①②の仕事を終えてから、ようやく③④の仕事をしようとする。ところが、ここでもまたやっかいなことが起こります。
 本来なら、重要度の大きな仕事③から手をつけてほしいにもかかわらず、手をつけられるのは、重要度の低い④からということが多いのです。なぜかと言えば、その方が簡単だから、やりやすいからです。

 P62では「社員に対して、個人のプライオリティではなく、会社のプライオリティでやるべき仕事を選んでもらう。プライオリティを個人視点から、会社視点に変える。これこそが、実は会議の真の目的なのです。」とあります。プライオリティとは、優先権や優先順位という意味。バランススコアカードのテーマは「ビジョンにもとづく戦略の実行」web軍師を使った会議は、吉越式の19年連続して増収増益を達成することができた会議のやり方にもつながっています。