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戦略実行ギャップを埋める

2007年度 バランスト・スコアカード・アジア太平洋サミット「戦略実行の革新」

2007年度 バランスト・スコアカード・アジア太平洋サミット「戦略実行の革新」最近の調査によれば、戦略実行が、今日、企業のトップの最大の関心事となっています。実際、戦略実行を正式に導入している企業は、未導入の企業に比べ、大変良好な業績を達成しています。それでは、戦略実行の中核的能力は、どのように開発、維持すれば良いのでしょうか。Kaplan博士は、そのための必要なプロセスやリソースを通して、戦略を実行に結びつける統合モデルをご紹介します。

キャプラン教授が2005年12月に「戦略マップ」という本を書いた後の論文です。バランス・スコアカードは主に「部門の業績改善」として使われてきたのです。それにもかかわらず、私は最初から「戦略実行のツール」と考え学んできました。そこに認識のずれがあったのです。バランス・スコアカードに関する本に、「バランス・スコアカードは部分最適から全体最適を目指す」という表現が使われています。部分とは部門であり、全体とは全社を意味していたのです。

上記は、キャプラン教授が「アジア太平洋サミット」で発表した内容をHBRのレポート表現している文書です。

→戦略実行の中核能力は、どのように開発、維持すればよいのでしょか?
→そのために必要なプロセスやリソースを通じて、戦略を実行に結びつける統合モデルを紹介します。

という部分に注目しました。
サミットに参加したときのメモを見ると、キャプラン教授は、「社長(CEO)が関心を持って推進リーダーになることが必要」と述べ、

・そこで働いている従業員にが、当該部門の戦略マップを説明できるかと質問し
→理解度を確かめる
・そして、「今やっている作業はこの戦略マップのどの戦略目標か?」
→戦略実行がプロセスやリソースとなっているかを確認

太書きの部分は、メモを確認した上で書きました。サミット参加の時は、理解できなかったのですが、改めて読み直してみると統合モデルの考え方を示しています。

これまでBSCに取り組んできて、戦略実行で最も大事な「肝」は合意形成(意見の一致)
自主性(何をすべきか、やるべきことは決まっていて、それを実行に移そうという判断を自分でする態度)
上記の2点です。
私の経験では「統合モデル」にできません。「統合モデル」があったとしても、それを検証した上でPDCAサイクルが回っていなければ戦略実行は実現できないと思います。PDCAサイクルと戦略のストレッチが経営力強化の「鍵」と改めて感じました。