今日の1ページ

『MBAのためのビジネスプランニング』小樽商科大学ビジネススクール[編]

同分社刊 平成24年1月30日改定版発行

『MBAのためのビジネスプランニング』小樽商科大学ビジネススクール[編]優れたビジネスアイデアや適切なビジネスコンセプトを設定できたとしても、事業の成功が約束されるわけではない。ビジネスアイデアやビジネスコンセプトを実現し、事業に安定的な収益をもたらす仕事としての仕組みやシステム、つまり優れたビジネスモデルが業務システムとして構築されなければ何もならない。ヤマト運輸が宅配便を創造することができたのも、金型の通信販売を行うミスミが「購買代理店」というコンセプトを実現できたのも、優れたビジネスモデルを業務システムとして構築できたからにほかならない。ビジネスモデルの構築は、課題や脅威をクリアするための戦略の立案から始まるビジネスプランニングの一連の作業の1つである。優れた戦略を立案するための高い創造力や発想力だけでなく、それを実際のシステムや制度として実現していく実行力が求められる最も困難な作業ともいえる。しかし、これをビジネスプランニングにおける一番の醍醐味であると感じている起業家も多い。(P63第3章ビジネスモデルを構築する)

私にはハードルが高い本です。ジュンク堂で購入したきっかけは、中小企業庁から、28年11月「事業別分野指針」・28年12月「経営力向上計画策定と活用」が発表され、国が事業別にビジネスモデルを示しているのでは・・・という勘違いからでした。国は、事業別分野指針で14業種の現状認識・課題、目標を示し、さらに小規模・中規模・中堅と規模に応じて取り組むべき項目を挙げています。内容を読み込んでみたら、業種別に外部環境の変化まで書いてありました。
 小売業の関与先の経営向上計画を作成するため、卸・小売業の指針を参考に得意のバランススコアカードの視点で戦略を考えてみました。小規模に該当する企業の経営状態の把握という分類に、①店舗毎に損益管理、②PDCAサイクルの徹底という二つのことが示されています。①と②が本でいうビジネスモデルを構築する要素と考えた場合、確かに今取り組むべき課題であり計画にもり込むべきことなのですが、「業務システム」としてまわさなければ実現できません。回すための課題も企業によって違います。
① と②が優れた戦略だとしても、それを実行するためのKPI(業績評価指標)
は個々の企業によって違います。さらに私達には、認定支援機関として「実現していく」実行力を支援する「役割」が求められています。本を読み、ビジネスモデルと業務システムについて考えることができました。

『ハーバード・ビジネスレビュー』2017年2月号

ダイヤモンド社刊

『ハーバード・ビジネスレビュー』2017年2月号P43 努力の質を高めるためにリーダーがすべきこと
「いい努力」はチームを伸ばす
P49 成果の違いを分ける努力の質
 「努力を続けることはよいことだ」と多くの日本人が思っている。そう教えられ、そういう文化の中で生きている。しかし、そこには誤解がある。単に「努力を「続ける」だけでは意味がない。正しくは、「努力を続けて成果を出すことは良いこと」である。努力の継続は、成果を出すというための方法であり、手段である。「努力の継続」自体がよいことと考えるのは、目的と手段を履き違えてしまっている。
 もちろん、多くの場合、成果を得るために努力が必要である。しかし、努力しても、成果を出せる人と、あまり出せない人がいる。この違いは、なんに起因するのだろうか。“能力の差”という面もあるが、もっと大きな要因がある。
(中略)
 成果を出せる人は努力に無駄がなく、成果を出せない人は無駄な努力ばかりしている。前者は「いい努力」を、後者は「悪い努力」をしているのだ。そして日本企業において、努力の質について考える人は少なく、たいがいの人が十分には考えていない。
図表「いい努力の7つのポイント
1、「成果」につながるもの
2.「目的」が明確なもの
3.「時間軸」を適格に意識しているもの
4.「生産性」が高いもの
5.「充実感」を伴うもの
6.「成長」を伴うもの
7.「成功パターン」が得られるもの
(中略)
この七つの項目を見れば、努力をするのであれば「悪い努力」より「いい努力」をしたいと思うだろう。しかし、実際には多くの人がたくさんの「悪い努力」をしているし、多くのリーダーは多くの場面でチームのメンバーに「悪い努力」をさせている。

このレポートの著者はHirokazu Yamanashi氏です。「私は25年間、マッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして働き、大企業を中心にいろいろな人の仕事ぶりを見てきた」と書いてあります。
5Sを徹底しPDCAを回すのにKPTの習慣をつけることに気づいたのですが、メンバーにも努力をさせる必要があります。「努力と能力の差とその要因」は大きなテーマです。今回のレポートは前半で、基本的な思考と行動を押さえ、後半で実践的マネジメントについて述べています。後半の内容は基本的な行動として「目的や課題を明確にして仕事に励む」こと、そして実践的マネジメントは「チーム全員が余裕を持てる手順、準備、訓練」という内容になっています。私にはすごくわかりやすいので、何度か読み直します。

「これだけ5S」川原真也+響城れい著

すばるリンゲージ刊(2013年8月発行)

「これだけ5S」川原真也+響城れい著ビジネスにおいては、「何をやるか」という(外から見える)戦略が重要であることはいうまでもありませんが、「どんな組織でやるか」という(外からは見えない)環境づくりも同じぐらい重要であり、この両輪がそろわなければ、もはや戦えない時代に入ってきています。
そうです。企業間の競争が激しくなり、生き残りをかけて日々厳しい状況の中で戦わなければならない現在は、組織のパフォーマンス(周囲の人と智慧を出し合い、力を合わせることで発揮される行動の質)を求めることも日y津用不可欠な要件なのです。
そこで役立つのが5Sです
5Sがなぜ効果的なのか、少しだけ先取りしてお話しすると、それは、今仕事で求められているスキルが、5Sを通じて培われるから、とい1点に尽きます。
具体的には、風通しのいいコミュニケーション環境、組織の判断基準の共有、基本レベルの向上・・・等組織に欠かせないことばかりです。
ただ、いざ実践するとなると、そこまで成功するイメージが描けないからか、なかなか効果が出るところまで続かないところがほとんどだと思います。
これまでにも「5Sブーム」のようなものが何度かあったものの、多くの会社でまだ5Sが根付いていないという現実がその証拠だと言えるでしょう。

今更ですが、5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」のこと。年末はやり残した仕事、年始は原稿の締め切りが間に合わず正月明けまで伸ばしてもらいやっと終了。そして目についたのがこの本です。社内は、業務改善委員会のメンバー中心に11月後半から計画的に掃除をはじめ、年末にはきれいに掃除が終わりましたが、私の部屋だけきれいにできず、残ってしまいました・・・反省。
 この本の著者川原真也氏は同じシリーズで「これだけPDCA」という本も書いています。私は、PDCAについてこの本で学びました。そしてPDCAを回すには絶対これ!という「これだけKPT」(天野 勝著)を読み、PDCAを回す仕組みづくりを考え、実行してきました。それでも動かないことがいっぱいあります。それで、PDCAを回すために必要なKPT実行(行動を振り返り、良かったこと、問題になっていることを書き出し次に試したいことを決め取り組み、それを習慣にする)の習慣をつけようと取り組んでいます。
 今、なやんでいることは、「なぜやらないか!」です。どんなに仕組みを作ってもモチベーションをあげることができなければ組織は動きだしません。この本を読んで、その「鍵」は5Sに踏み出すことと気づきました。まず、自分の部屋の整理整頓からはじめます。そして、今年は5Sを徹底し、PDCAを回すためにKPTの習慣をつけることにします。継続するという固い決意のもとに・・・気張らず無理なく取り組みます(汗

「増販増客事例集」高橋憲行著

企画塾出版

「増販増客事例集」高橋憲行著しかし、このような世界経済、日本全体のことを考えていても「大変厳しい時代なっている・・・」というだけで、中小企業の経営者にとって、ほとんど意味がありません。
政府の打つ手を待っていたところで、意味のない話なのです。
経済が、ゼロ成長と言っても、日本全国で5000兆円(GDP/国内総生産)というお金が動いているのです。人口最小県で60万人を割っている鳥取県でも1兆7000億円の県民総生産があるのです。その県庁所在地の人口約20万人の鳥取市では、約5000億円以上のお金が動いています。
よく、地方に行くと、こんな小さな町ですから、何もありません。とういう人がいますが、実は、人口5万人の町でも1000億円以上のお金は動いているのです。
小さな市町村でも待ちでも、ちょっと工夫すると一気に成長できるのは、こうした背景があります。ところがほとんどの人がたちが、市町村が小さい、街が小さい・・・だからここでは商売ができない、売り上げが上がらない、という話にしてしまう人が実に多いのですが、そんなことはありません。
つまりは業界が、また小さな街が、ゼロ成長だろうが、自ら成長する手段を持てば、さして問題はないのです。それが売上を上げるマーケッティング手段です。(P20 厳しい時代だからこそ、自力で活性化させる)

あけましておめでとうございます。
年初は、企画塾の「増販増客事例集」にしました。
第9章の標題「増販増客のキーワード」の添え書きに、「将棋や囲碁に勝つための定石があります。定石とは、シュミレーションを何度も実行して実践に移し、勝つべくして、勝つ、勝ちパターンです。」とありました。
これまで、何度も「戦略策定の定石」「戦略実行の定石」という言葉を使ってきました。戦略ナビが推奨するシュミレーションの手法は、PDCAとKPTです。今年は、実行を徹底しKPTで振り返り、勝ち方の定石にトライします。戦略ナビを使って、CTPTマーケティングを実践して勝ちパターンを創ることに挑戦です。今年も「今日の1ページ」よろしくお願いします。

「KPIで必ず成果を出す目標達成の技術」大工舎 宏、井田智絵(株式会社アットアットストリーム)著

日本マネジメントセンター刊(2016年1月第2刷)

「KPIで必ず成果を出す目標達成の技術」大工舎 宏、井田智絵(株式会社アットアットストリーム)著最後に、振り返り活動を怠るという点が挙げられます。KPIの設定は、PDCAにおける「P(Plan)」ですから、その後の「DCA」の活動が必要です。「DCA」のうち、アクションアイテムの実行管理は、日常おマネジメント活動として行われます。
日常業務では、当初想定したことができない。思ったような成果・効果が出ない、さらに、見込みが外れてその見直しが必要だというケースもあります。それら一連の活動状況と結果を一定期間ごとに振り返り振り返り、必要な見直しをしなければなりませんが、その活動を怠っているケースは多いものです。
振り返りをしないと、成果KPIの水準の妥当性、重要成功要因やプロセスKPIの妥当性などを見直す機会が持てません。これでは次年度も、そのまま現在の成果KPI・プロセスLPIそのものが実情とかい離したものになり、形骸化への道を進み始めることになります。振り返り活動こそが、KPIマネジメントを形骸化させないための最大の重要成功要因です。(P179 1・4 振り返り活動を行わない)

今年最後の「今日の1ページ」です。振り返って考えると、今年1年、KPIを追いかけてきたような気がします。
□戦略目標は間違っていない、成果KPIが達成できない
→それは、プロセスKPIの設定が違うから(見直す必要がある)
会議で上記に気づくような、振り返りをし、プロセスKPIの見直しをしている会社は何割あるでしょうか?私は、関与先の経営会議に同席し、その重要性に初めて気づきました。目標と実績の確認だけでは、その原因を究明できません。
本では、KPIマネジメントが形骸化するのは次の4つと述べています
① 結果だけを見てしまう
② リーダー・管理者が活用しない
③ アクションレベルへの落とし込みが不十分
④ 振り返り活動を行わない
納得です。そして、上記の4つをカバーするのがKPTと確信しました。
 Keep:よかったこと続けること
 Problem:困ったこと問題点
 Try:今後の活動で試したいこと
来年はKPIを回すため、KPTの達人を目指します(汗

週間ダイヤモンド2016年9月10日号『現代に通じる「不敗の戦略」孫子』

週間ダイヤモンド2016年9月10日号

週間ダイヤモンド2016年9月10日号『現代に通じる「不敗の戦略」孫子』伝統か変化か・・・。名刺や封筒のメーカーとして知られる山櫻の市瀬豊和社長は、「同族企業では変えることと変えないことの線引きが難しい」と本音を漏らす。
そんな市瀬社長が経営判断で迷ったときに参考にするのが孫子の兵法。特に市瀬社長が経営に生かしたのが、孫子の「戦わずして勝つ」という考え方だ。名刺や封筒の業界は紙という製品の特質上、競合との差別化が難しく、価格競争になりがちだ。
そこで市瀬社長は、2012年から山櫻の経営ドメイン変更に踏み切った。「山櫻は名刺や封筒を通して、人と人との“出会い”を提供していた(市瀬社長)ことに気づき、「紙製品の総合メーカー」から「出会ふをカタチに」を経営ドメインとする「出会い創造メーカー」を目指したのだ。
 “出会い”にフォーカスすることで、名刺や封筒以外の製品も多く手掛けることになった。例えば、組み立て式写真立ての「フォカド」。写真を入れて手渡した封筒を組み立てると、メッセージ付き写真立てに変身するという商品で、テレビや雑誌で取り上げられ、業界内で話題になった。
13年には、こうした付加価値の高い紙製品のブランド「+labプラスラボ」を立ち上げ、更なる新規顧客の開拓にまい進。実際、名刺や封筒といった従来のコア事業以外の成長は著しく、15年は09年比で約200%の売上を記録している。既存の事業領域にとらわれることなく、山櫻はこれからも変化し続ける。(P52「山櫻」戦わずして勝つ 新市場開拓で成長持続)

本ではなく雑誌です。さらに、孫子ではなく事業ドメインです。
事業ドメインのことがもっと知りたくて本を読んでいます。最近読んだのは、日本の経営学者榊原清則氏の「企業ドメインの戦略論~構想の大きな会社とは~」です。2013年に発行された本ですが、電子書籍よりありませんでした。
これまで読んだ本の中では、私にとってわかりやすく事例も多く記載してあるのですが、大企業の事例が中心なので、以前読んだ、週刊ダイヤモンドの記事を思い出し書きました。
「山櫻」はHPを見ると、1931年銀座(木挽町)に市瀬商店を創業。名刺・はがき・挨拶状など台紙紙類の販売をする会社でした。創業80周年のサイトをみると2008年からインターネット通販を始めています。
会計事務所の顧客である、小規模事業の経営者に事業ドメインをわかりやすく伝えたいと考え、関連する本はこれからも読み続けます。ドメインの定義をしてからビジョン→経営戦略→経営計画と進むのが、定石です。

「事業性評価融資(最強の貸出増強策)」中村中著

ビジネス教育社(2016年9月発行)

「決定版バランス・スコアカード」吉川武男著⑥ローカルベンチマークによる金融機関の立場を理解できる税理士の選定
 このローカルベンチマークの特徴は、第一段階で「地域の経済・産業の現状と見通しの把握であり、金融機関が重点的に取り組むべき企業の選定」をすることになっています。そのために、経済産業省では、「ローカルベンチマークにおけるRESAS(地域経済分析システム)の活用について」の小冊子を作成しています。
(4行省略)
 地域金融機関はこのRESASを活用して、「地域の経済・産業の見通しの把握」や「重点的に取り組むべき企業の選定」をすることになります。
 同時に、各地域金融機関とともに、半期又は通期ごとに開始だし増加目標や事業性評価融資の残高目標を設定すると思います。金融機関によっては、各支店ごとの目標にしたり、本部が選んだ「重点的に取り組むべき企業の特定」先に対する目標設定を行い融資残高の増加策を図ると思います。当然ながら、この目標設定時点では、個別の企業の第2段階の財務情報や非財務情報の詳細はわかりませんから、金融機関としてはこの目標達成に向けて、核企業ごと、その支援者である税理士や認定支援機関等にローカルベンチマークの作成や対話を求めることになると思います。(P.220)

中村 中先生のお話は、9月21日福島の㈱ビジョンナビゲート主催の「金融対策セミナー」で初めて聞きました。銀行マン「半沢直樹」のテレビドラマを事例に、金融機関の融資に対する姿勢を熱く語り、事業性評価の必要性を訴えておられました。(三菱銀行出身で、現在は資金コンサルタント・中小企業診断士をしておられます)
 ローカルベンチマークに着目して、事業性評価の重要性を知り、2017年度は「経営力向上計画」に取り組むことに決め、事業別分野指針から非財務情報を得意のバランス・スコアカードで表現してみました。「経営力向上計画」には3~5年の事業分野別の目標指数(定量目標)と取り組むべき項目(定性目標)が
示されています。定性目標を実現するにはバランス・スコアカードしかないと改めてわかりました。レジュメができ次第、「軍師の会」のメンバーにも配り一緒に、金融機関に選ばれる認定支援機関を目指します。
*RESAS(地域経済分析システム)https://resas.go.jp/#/13/13101
 →ビックデータの活用はすでに始まっています。

「決定版バランス・スコアカード」吉川武男著

生産性出版刊(2016年1月 第2刷)

「決定版バランス・スコアカード」吉川武男著バランス・スコアカードの8大効果 10行目
 バランス・スコアカードは、伝統的なAnthony教授のマネジメント・コントロールシステムと、Jhon F. Rockart教授の重要成功要因分析、また欧米の合理的経営と、日本的経営のメリットをうまく統合した戦略的マネジメント・システムないし行政システムで、すくなくとも次のような効果を持っている。
①ビジョンと戦略を明確な意思再構築し、これを企業や行政や病院のトップから従業員や職員一人ひとりに至るまで周知徹底させるコミュニケーション機能を備え、将来の競争優位を欠くときし、ビジョンを戦略の実行を通して確実に実現することができる。
②ビジョンを戦略の実行を通して実現に向け、戦略志向の企業ないし行政組織や病院組織を構築し、企業経営や行政や病院経営におけるナビゲーターとドライビング・フォース(牽引車)の役割を果たす。
③全従業員や職員が一丸となって全員参加の企業経営ないし行政や業イン経営を創り、ビジョンを戦略の実行を通して実現のために果敢に挑戦させることができる。
④従業員や職員1人ひとりの責任と権限を明確にし、合理的な企業経営ないし行政や病院経営を行うことができる。
⑤事業計画や予算をビジョンと戦略にリンクさせることができる。
⑥各種の経営管理プロジェクトを、核視点の戦略目標を実現するためのアクションプラン(実行施策)として位置づけ、企業経営や行政や病院経営における成果を確実にすることができる。
⑦ITにより、企業経営や行政や病院経営におけるナビゲーターの役割を果たし、スピーディーな問題発見と万代解決のためのアクションをとることができる。
⑧ビジョンや戦略の見直しと学習のために、単なるフィード・バックだけではなく、メリハリの利いたフィード・フォワードに近づく戦略志向のナビゲーション経営や行政や病院経営ができる。(P.47)

私は、なぜバランス・スコアカードに固執してきたのか・・・
その考えを紐解くために、軍師の会運営にご協力いただいている吉川武男先生の本を読みなおしました。

ドラッカーのマネジメントをBSCの手法で実践する!という試みが「戦略参謀」というツールになり、5年前から3年間会計事務所向けに「経営戦略塾」を実施しました(2015年から経営戦略塾は開催していません)。そして、多くの皆さんに支えられ、研鑽してきました。吉川先生の本にある、バランス・スコアカードの8大効果!行政や病院はわかりませんが、企業で6~7年実践し、その実感を新たにしています。

2016年3月、経済産業省は「会社が病気になる前に」というふれこみで、ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)を公表しました。その後、
2016年7月「中小企業等経営強化法」が施行
2016年10月 金融庁「地域金融機関による事業性評価について」発表
→その前段階として「金融モニタリング基本方針」2016年9月公表
2016年12月 中小企業庁から、~中小企業等経営強化法~「経営力向上計
画策定・活用の手引き」発表
上記の一連の流れは、ロカベンに始まっているように考えられます。ロカベンの分析シートの「肝」である「非財務項目」を実践する仕組みは、バランス・スコアカードでなければできません。
 グットタイミングで、商工会議所から経営指導員対象のセミナーを2時間×5回受注しました。ロカベンに始まる一連の流れをレジュメにして「お助けツール」と一緒に、現場にぶっつけてみます。軍師の会の皆様には、1月ぐらいから提供を始めます。

吉川先生ご推薦の「戦略ナビ」で日本の企業を元気にする取組みは第二ステージに入ります。

「人生を勝ち抜く孫子の兵法」 野村茂夫著

リベラル社刊(2016年10月)

「人生を勝ち抜く孫子の兵法」 野村茂夫著情報収集に手を尽くすことが、大きな利益につながる
爵禄(しょくろく)・百金(ひゃっきん)を愛(おし)んで敵の情を知らざるものは、不仁の至りなり(用間編)
事業活動のための管理手法として「PDCA」というものがありますが、その最初のプラン(計画)を行う前に必要なのが、情報収集です。利益というのはすぐに生じるものではないので、計画段階で情報収集に予算を欠けることには抵抗があるかもしれません。しかし、ビジネスにおいて情報は不可欠なもの。情報がなければ適切に計画を立てることもできず。その後のサイクルも不完全なものになってしまう。十分勝算の見込めるプロジェクトなら、情報収集のための手間やコストを惜しまず。制度を高めていきましょう。

孫子の本は、書棚に何冊かありました。
「最高の戦略教科書 孫子」日本経済新聞社
「孫子とクラウゼヴィッツ」 マイケル・I・ハンデル著 日本経済新聞社
「世界最古の兵法書 孫子」 中谷孝雄著 ㈱ニュートンプレス
残念ながら、どれも完読していません(汗 
最近新聞に「こども孫子の兵法」という本が紹介され、書店でみました。著者の斉藤氏は、子供に強くしなやかなこころで生き抜くヒントを手に入れて欲しいと「はじめに」の部分に書いています。今日の1ページの本は、買った本を完読するために、分かりやすい本から読んでみようと考え、買いました。

孫子はPDCAも考えていたのか・・・と感動し、書棚から「世界最古の兵法書 孫子」で用間(間諜の陰謀)P113を確認してみました。本には、戦いの前には間諜を使い、敵の情報収集を徹底すべきである。軍の動員には、国民の出費と多額の軍事費を使うことになる。戦いに負けることになれば、国民は疲れ果て、路上にぐったりした姿をさらし、家業に手が回らなくなる。間者に与える百金を惜しんで情報収取をおろそかにしてはならない。と、書いてありました。
著者の野村氏は、元大学の教授で「ビジネスに役立つ論語」「ビジネスに役立つ菜根譚」という本も書いておられます。だから、ビジネスの視点で「孫子」の兵法をとらえていたんだ・・・と理解できました。
2016年9月10日号の週刊ダイヤモンドでも、孫子の特集を組んでいます。そして、なぜ今「孫子」なのか、について「一派な戦略論はいかに勝つべきかが主眼となるが、孫子は「不敗」の戦略で貫かれている。勝てない戦いはするな。もし戦うなら犠牲は最小限にせよ。当たり前だがなかなかできないことを孫子はずばり指摘するのである」と解説しています。P29

孫子の本を読み、「戦わずして勝つのが、真の勝者」という言葉の理解を深めたいものです。

「2時間でわかる図解KPIマネジメント入門」堀内智彦著

あさ出版発行(2016年10月)

「2時間でわかる図解KPIマネジメント入門」堀内智彦著◆半年、1年ごとの振り返りでは意味がない
KPI活動を導入、運用している企業でも、その目標が業績向上というより、人の評価のためという意味合いが強い会社は、半期ごとに集計と面談を実施しているところが多いような気がします。つまり、年2回(盆暮れ)のボーナス査定時期、年に1年分の集計をして評価・査定するということです。

ですが、業績向上につながるKPIを運用するためには、あくまでもこれを月次決算と連携させることが必要です。すなわち毎月集計して、目標未達成項目は翌月以降に是正しなければなりません。半年に1回あるいは年1回の振り返りでは遅すぎるのです。KPIは、あくまでも業績向上を第一、個人の評価を第二です。この点をまず、しっかり押さえる必要があります。(P90ー毎月集計・評価を行う)

KPIに関する本は趣味のように集めています(汗
最近出版された本ですが、購入の理由は「部門別テーマ設定例を大公開!間接部門もカバー!」という帯に惹かれました。営業部門、製造部門、人事部門、法務・総務・経理・財務部門、設計部門、研究開発部門、購買部門、物流部門、品質管理・品質保証部門、生産管理部門、生産技術部門・・・目標設定から、実行、測定、改善まで、という切り口で書かれています。
先週出張先で日程があったので、久々に株式会社ENTOENTO松本順市先生のセミナー、“日本一人事制度の実績のあるコンサルタントが教える”というサブタイトル付きの「目からウロコの業績向上セミナー」を聞きました。私はこれまで、松本先生が開発した「成長Eシート」にある期待成果=KPIとつなげることができれば、経営計画と人事制度は接合できると考え取り組んできました。
ドラッカーのマネジメントをバランス・スコアカード(BSC)で実践するツールとして戦略ナビを開発しました。財務・顧客・業務プロセス・人材と組織という4つの視点で戦略目標を考え、その実行過程をKPIで測定・管理する仕組みなのですが、数値化できる定量的なものはわかりやすいのですが数値化できない定性的なものを如何に数値化し、管理するかという「壁」があります。これまで、KPIをBSCの4つの視点でとらえてきましたが、この本を読んで、「KPIマネジメント」という目標管理の視点でKPIをとらえ、戦略実行と期待成果を結びつけることが可能とわかってきました。

ここまで書いて、本の「KPI評価は半年や1年では意味がない、毎月評価すべき」という部分を引用したのですが、書いていることとつながっていないと気づきました(汗。それでも、経営計画と人事の接合に向けて一歩前進することができたので、私にとっては成果あり!です。この本は、戦略目標を実行するためのKPI設定や人事評価のための「期待成果」を考える時の参考になります。