ニュースレター

事業のあるべき姿 ③ (2015.5.20)

いつも大変お世話になっております。
若山経営の渡部です。

今回も、弊社若山が週間帝国ニュース(株式会社帝国データバンク青森支店様発行)
に掲載させて頂いた『小規模企業の経営戦略』の記事の中から、抜粋したものをお届けします。

   事業のあるべき姿 ③

今回は、マーケティング※1 について考えてみます。
マーケティングと言えば、フィリップ・コトラー※2 の提唱したSTPが定番です。
①セグメンテーション(S):顧客やその市場の特性にもとづいて市場を分析
②ターゲティング(T):戦いを挑む標的を決める
③ポジショニング(P):標的にした領域で競合と差別化できる位置取りを決める

面倒だ!という声が聞こえてくるようですが、私たちにも考えることはできます。
①は現状の売上を分類して誰に何を売っているのか、どの製品(商品・サービス)で売上が構成されているのかを確認する。
②はその傾向をみて、これから3年先はどうなるのか、どの分類に絞り込むのか考える。
③で、その市場で戦うためにはどのようにすればいいかを考える。とjavascript:draftMail();いうStepを踏めばいいのです。

 これから取り組まなければならないのは、これまでの売上を分類し、3年先の「われわれの顧客はだれか」を考えることです。
①~③で特に大事なのは③です。
売る側の都合で考えるのではなく、買う側、顧客の立場で「顧客にとっての価値は何か」を問うとともに
我社が目指す方向を、経営理念とビジョンを前提に考えなければなりません。
すなわち、ドラッカーの「われわれのミッションは何か」という問いに答えることが必要なのです。

私たちには、ニトリのように、30年先のビジョンまで示すことはできません。
しかし、3年先の「事業のあるべき姿」は絶えず考える必要があります。

※1 売れる仕組みを考えること
※2 アメリカの経営学者

事業のあるべき姿 ② (2015.5.20)

いつも大変お世話になっております。
若山経営の渡部です。

今回も、弊社若山が週間帝国ニュース(株式会社帝国データバンク青森支店様発行)
に掲載させて頂いた『小規模企業の経営戦略』の記事の中から、抜粋したものをお届けします。

事業のあるべき姿 ②

 前回、家具店のことを書き、業界のことが気になり情報をみました。
青森市にある「ニトリ青森店」(本社札幌)が、「ガーラタウン青森ウエストモール」から移転しています。
ドラッカーの5つの質問を念頭に、HPで会社情報を確認してみました。

経営理念(ロマン)は「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」、
ビジョンとして第2期30年計画(2003年~2032年)が示されています。

スタートの2003年は100店舗・売上高1,000億円達成、2032年3,000店舗・売上高3兆円という目標です。
事業領域として、
2017年「日本の暮らしを変革、グローバルチェーン展開の本格的なスタート」、
2032年「世界の人々に豊かな暮らしを提案する企業へ」と記載されていました。

 再びドラッカーの質問ですが、「われわれの顧客はだれか」
 その先にあるのが、「事業のあるべき姿」です
 私たちは、その取り組みにどのようにアプローチすればいいのでしょうか

事業のあるべき姿 ① (2015.5.20)

いつも大変お世話になっております。
若山経営の渡部です。

今回も、弊社若山が週間帝国ニュース(株式会社帝国データバンク青森支店様発行)
に掲載させて頂いた『小規模企業の経営戦略』の記事の中から、抜粋したものをお届けします。

  事業のあるべき姿 ①

2006年5月に青森市の家具販売、デイスカウントスーパーセンターを経営する会社が
負債50億円で会社整理をしました。
そして、つい最近、同じ青森市内の家具販売・内装工事の会社が17億6千万円の負債をかかえ、
事業を停止し、自己破産手続きを開始したというニュースが流れました。
 
ドラッカーの本※1に、「経営者に贈る5つの質問」※2があります。
5つの質問とは、
われわれのミッションは何か
われわれの顧客は誰か
顧客にとっての価値は何か
われわれにとっての成果は何か
われわれの計画はなにかです。

この本は、経営ツールと言われ多くの経営者に読まれています。
経営に、そして仕事に正解はない、5つの質問に答えることにより、
何のために、誰に、どのように役立つことができるのか、
それを徹底的に考え、明らかにすることができると書いてあります。

 上記は、「現在の事業」を考えるに必要なことです。現在の事業が明らかになったら、
さらに、今後事業がどのように変化するのかをあらかじめ理解し、「事業のあるべき姿」を明確にする。
それにより、事業の目標や戦略を策定できる。
と、ドラッカーはマネジメント(上)第7章「目的とミッション」で述べています。

現実と理想の間にあるギャップを埋め、そして目標達成のための戦略を策定することをギャップ分析といいます。
ギャップ分析とは、何に集中するか(基本的な戦略目標)を明らかにするため、「事業目標の8分野」について検討し、
できることに集中して目標設定をするというステップを踏むことです。

2006年と2015年の家具販売会社の倒産。
前者は、1963年建材販売を目的に設立、その後家具販売に主力を移しながら、家電販売、ホームセンター、
住宅販売等他業種に展開し、 最後はデイスカウントスーパーセンター。

後者は1936年家具販売で創業、その後、和洋家具を中心としたインテリア商品の小売を主体に
内装工事などを手掛けてきました。

このような経営環境だからこそ、私達は「経営者に贈る5つの質問」で現在の事業を考え、
「事業のあるべき姿」を明確にすべきです。
私には、今回、事例にあげた2社が、われわれのミッションは何か、われわれの顧客は誰か、
顧客にとっての価値は何かを問い続けることの重要性を教えてくれたように思います。
「事業のあるべき姿」を考えましょう。

※1 ピーター・ドラッカー経営学者
※2 ダイヤモンド社
※3 「マネジメント 課題、責任、実践」(上)ダイヤモンド社P91
※4 「マネジメント 課題、責任、実践」(上)ダイヤモンド社P130
※5 病院は靴を売るところでも境域をするところでもない。そのミッションは病気の治療である。(ドラッカー)