ニュースレター

事業のあるべき姿 ① (2015.5.20)

いつも大変お世話になっております。
若山経営の渡部です。

今回も、弊社若山が週間帝国ニュース(株式会社帝国データバンク青森支店様発行)
に掲載させて頂いた『小規模企業の経営戦略』の記事の中から、抜粋したものをお届けします。

  事業のあるべき姿 ①

2006年5月に青森市の家具販売、デイスカウントスーパーセンターを経営する会社が
負債50億円で会社整理をしました。
そして、つい最近、同じ青森市内の家具販売・内装工事の会社が17億6千万円の負債をかかえ、
事業を停止し、自己破産手続きを開始したというニュースが流れました。
 
ドラッカーの本※1に、「経営者に贈る5つの質問」※2があります。
5つの質問とは、
われわれのミッションは何か
われわれの顧客は誰か
顧客にとっての価値は何か
われわれにとっての成果は何か
われわれの計画はなにかです。

この本は、経営ツールと言われ多くの経営者に読まれています。
経営に、そして仕事に正解はない、5つの質問に答えることにより、
何のために、誰に、どのように役立つことができるのか、
それを徹底的に考え、明らかにすることができると書いてあります。

 上記は、「現在の事業」を考えるに必要なことです。現在の事業が明らかになったら、
さらに、今後事業がどのように変化するのかをあらかじめ理解し、「事業のあるべき姿」を明確にする。
それにより、事業の目標や戦略を策定できる。
と、ドラッカーはマネジメント(上)第7章「目的とミッション」で述べています。

現実と理想の間にあるギャップを埋め、そして目標達成のための戦略を策定することをギャップ分析といいます。
ギャップ分析とは、何に集中するか(基本的な戦略目標)を明らかにするため、「事業目標の8分野」について検討し、
できることに集中して目標設定をするというステップを踏むことです。

2006年と2015年の家具販売会社の倒産。
前者は、1963年建材販売を目的に設立、その後家具販売に主力を移しながら、家電販売、ホームセンター、
住宅販売等他業種に展開し、 最後はデイスカウントスーパーセンター。

後者は1936年家具販売で創業、その後、和洋家具を中心としたインテリア商品の小売を主体に
内装工事などを手掛けてきました。

このような経営環境だからこそ、私達は「経営者に贈る5つの質問」で現在の事業を考え、
「事業のあるべき姿」を明確にすべきです。
私には、今回、事例にあげた2社が、われわれのミッションは何か、われわれの顧客は誰か、
顧客にとっての価値は何かを問い続けることの重要性を教えてくれたように思います。
「事業のあるべき姿」を考えましょう。

※1 ピーター・ドラッカー経営学者
※2 ダイヤモンド社
※3 「マネジメント 課題、責任、実践」(上)ダイヤモンド社P91
※4 「マネジメント 課題、責任、実践」(上)ダイヤモンド社P130
※5 病院は靴を売るところでも境域をするところでもない。そのミッションは病気の治療である。(ドラッカー)